vs横浜FC 2nd

2011-10-04 | J2
30節/横浜FC 1-2 札幌/横浜国立
59′内村(札)78′野崎(横)88′上原(札)

連戦大詰めの横浜FCはDMF高地とCB中野が累積拘束の出場停止を受けてCB森本、DMFに前節累積拘束明けのカイオ、RSHに荒堀、2トップに難波とカズと5人の面子変更で4-5-1から4-4-2にシフトしてきた。
札幌はFWジオゴOMF内村SH近藤-砂川DMF河合-岩沼SB日高-純平CB櫛引-山下GK 昊乗。

絶賛大量失点中の横浜は連戦大詰め、試合間隔で有利な札幌は室蘭の借りを返してやるのにも追い風だなと妄想したが、立ち上がりから札幌の組み立ては摘まれがちで相手の攻撃はなかなか切れないという、ある意味札幌らしい展開となる。
岩沼のコーナーキックの鋭さ以外になかなか見所が作れないばかりか15分にはバイタル左で横浜の3選手が絡むダイレクトパスでPAに突入された流れから放り込まれカズヘッドをGK昊乗が弾くとか21分にはジオゴへのパスカットでカイオ(横)が持つものの誰もプレスしないまま、ポジションに捉われず自由に動き回るLSH野崎(横)にパス、ここでも誰も寄せないままなので野崎にフリーでミドルを強振されゴールマウス右角直撃という危険な一撃を喰らったりと結果的なオフサイドや枠外弾も含めると前半だけで有効打を4発ほどヤラれる札幌。
それでも21分には左で日高の内村への縦パスが成立しPA突入から速弾クロスでファーのジオゴが合わせきれなかったシーンは最初のパスを出した日高がそのままPA中央まで入ってきていたので折り返せていたら…とか37分に右で純平の放り込みをPA内でキープした近藤がPA右角に侵入する純平に戻しシュートするもGKブロック、少しコボれて内村が詰めるも取れなかったシーンがもう少し大きくコボれていれば…とかタラレバーな場面も出るが得点に近いシーンは圧倒的に横浜で前半終了。

後半3-5-2で対策した札幌。
前半よりもDMFで落ち着かなくなり攻めにくそうになった横浜の廻しにワリと詰められるようになった6分、RSH荒堀(横)のトラップを狙った櫛引が出足鋭く球奪し左の砂川にパスして放り込んだアーリーに、前半はCB朴(横)に押さえつけられていたジオゴが頭で合わせるがGK関(横)の守備範囲内に消えるものの有効打が出始める札幌の14分。
右にダイレクトで展開してきた横浜はLSH野崎がハーフウェーライン付近左で持ち、中央のDMFカイオへのパスをイメージした横パス、しかしかなりマイナスに出たパスは横浜バイタルにいたジオゴに入ってしまう痛恨のパスミス。
これを受けて中央を縦走するジオゴとファーを並走する内村のカウンター発動、前がかりだった横浜は右へのドリブルをカバーするDMF藤田、ジオゴの前にはCB森本、内村の右前にはCB朴が戻りながら対応するがジオゴはCB間を斜めに通すスルーを内村に出す、コレが朴が僅かに届かない絶妙なコースで通り、朴はこの弾道を阻止しようとした動きの分だけ受け手の内村に詰められず、見事にライン裏に抜けて受けた内村にはGK関が猛進するが内村は高速移動しながらも左脚アウトサイドで見事に撃ち込み札幌先制!
ここで横浜は前節でも存在感を発揮した「マジシャン」フランサ投入で攻勢に出る。
31分にはDMF藤田とLSH野崎のパス交換でPAに深く入られたところを山下のオフサイドアピールも通らずその背後に早い浮き球を入れられFWエデルに突っ込まれるもギリで合わずに流れた球をRSB柳沢に強振されるも枠外に助かったが、その直後に左でLSB宮崎から入った縦パスをバイタルでLSH野崎が受け、反転で櫛引が交わされてPA突入を許し、山下の寄せよりも早く撃ち込まれて被弾してしまう札幌。
37分にはRSH荒堀の左から入るクロスをPA内ファーポスト際で待ち構えるフランサが頭でマイナスのスペースに丁寧に落として走り込むカイオがフリーで撃ち込む致命的ピンチが出たが「好調札幌」、「不調の横浜」を象徴するクロスバー超えのアリエナイ枠外弾で命拾いをする札幌。
<ピンチノアトニチャンスアリ。>
40分に砂川がCB朴にプレスをかけ左に蹴らせた球を古田が出足鋭くカットしてそのままサイドラインを疾走、カットした球は岡本が収めてPAに向け横浜DF3人に囲まれながらも単騎突破で仕掛けFKをゲット。
これを砂川が枠内に強烈なFKを撃ち込むがGK関が弾いてCK、ファーにポジションするジオゴと山下、そしてジオゴの背後にポジションした上原が砂川の右CKが放たれる瞬間に中央に走りこみゴール正面の着弾点にフリーで跳ぶ、横浜の大柄選手がニアとファーに分散し、ど真ん中に単騎突入で飛び出してきた上原には反応できず唯一、藤田が遅れながらも寄せるが完璧に横浜PA上空を制した上原の頭弾炸裂で再度突き放す札幌。
その後は河合の足が攣って交代した守備陣だったが懸命に横浜の猛攻を跳ね返し続け、横浜はラストプレイで左からのクロスを朴が当てるが枠外に散り札幌勝利。

野崎のパスミスをキッチリと仕留めた一撃や、上原の得点に繋がるまでの過程は見事だったとはいえ前半の出来は酷く、昊乗の神守や「不調横浜」の拙フィニッシュに救われた。
横浜のポジションに捉われず複雑に動き続ける陣容にはマークが曖昧になりプレスが巧く機能しなかったが収まりどころを巧く潰し続けた河合の巧守は素晴らしかったなと思う。
ここまでも数々の相手にプランを体現されつつも勝ち積み上げてきているとはいえ、今節は札幌の攻勢に歓喜する場面よりも致命的なピンチに唸らされる場面の方が多く、その内容も正直「ヤバかった」印象だった。
采配的中で横浜を沈めたのは素晴らしかったが、押されながらも勝っちまうという、この所のイキオイっつーのは凄いもんだね。
毎試合が正念場な団子状態の順位だが、今節も好調札幌は勝ち点3を持ち帰って来た。ThanksSapporo!