「小説・新島八重 会津おんな戦記」の続編です。
会津から京に居る兄・覚馬を頼り上洛した八重が新島襄と出会い結婚し、キリスト教精神に基づいた同志社大学を設立するまでのお話です。
当時、キリスト教に対する偏見がまだ根強く残っており、キリスト教を学ぼうものなら家族から絶縁されるということもあったとか。
一度「塩狩峠」を読みましたが、そこでもキリスト教に対する偏見が描かれていましたね。
あちらでは北海道が舞台でしたが、この小説では神社仏閣が立ち並ぶ京都です。
京都は保守的で閉鎖的な土地ーそこでキリスト教を広めようとしたことは、至難の業だったでしょうね。
明治の世になり、英語を学びクリスチャンとなった八重さんは、レディファースト精神を身につけた襄と対等な関係を築くものの、世間からは「悪妻」とそしられる。
まぁ、儒教精神が根強く、「妻は夫に傅くものである」という、現代に於いてはナンセンスなものが常識的だとされていた時代ですから、世間から見れば彼らが異端視されたのは当たり前ですが。
襄と八重さんの間には子どもはできませんでしたが、彼らは「教育」という子どもを世に送り出しました。
大河ドラマでは、まだ八重さんが山本八重だった娘時代のお話ですが、明治の世になり、革靴を履いて闊歩する彼女の姿が早く見たいものです。
塩狩峠改版 [ 三浦綾子 ]