Room Share 中里 文恵のBlog ♪

●レディースルームシェア運営、行政書士
●All round writerプロ作家志望

エロと野望小説 【地獄極楽この世にあり】 3 生き残るために・・

2024-07-08 17:32:46 | 小説
 
十三に戻ると 簡易旅館ありと張り紙した前で 立ちんぼの男に声をかけられた

【よぉ、 兄さん 風呂あり 飯つきだ! 女つきで・・どうだい? 】 

風呂ありに飛びついた

【女は要らんから 二人で150円で頼む・】交渉成立し なけなしの金を払うと 部屋に案内してくれた

部屋といっても バラックを継ぎ足した急ごしらえのようなもので 壁はベニヤ板が一枚 横にドラム缶があり それが風呂だというのだ

前島も 村木も 体を洗いたかった 疥癬という皮膚病になっていて 不潔が原因だろうか 痒くて仕方がなかったからだ

そのドラム缶に 湯をバケツで入れ 飯も運んでくれた 

おかずったって 川魚と たくあん一切れ しかし 茶碗には 久しぶりに見る 米粒の銀しゃりだ

味噌汁をぶっかけ むさぼるように食べたあと、 ドラム缶風呂に入ると 全身に生きた心地がしみわたるのだ・・

【中尉殿 こいつはいい 最高です! 】

【おお、ほんとだな・・前嶋、死んで花実が咲くものか と言うがほんとだな・・生きてて良かったな】

狭い部屋に湯気が立ちこもってるが ここは天国のように思えた

人心地ついて落ち着いてみたら

自分たちの下着は悪臭放ち シラミでも湧きそう・・軍服はほころび まさに乞食そのものだ

そして懐の金もあとわずか・・このままでは飢え死にだ・・配給米とかあるそうだが 
家畜の餌にするやつを 配っていると聞く そんなものは食えたもんではないだろう

このままでは飢え死にだ 行き倒れなどなりたくはない・・ 

【僕たちが生き延びる策を考えようぜ 】

村木と前嶋は メシを食ったら元気も出る 気持ちの余裕が出た そして強盗計画を練った
 
立ちんぼにチラっと 聞いた話では
 
近くの焼け跡のビルのあちこちに復員兵が占拠し 女を襲ったり 闇屋から食料を奪ったりの くすぶり巣窟があるというのだ
 
よおし、どうせロクデナシ野郎に違いない、食い物にありつけそうだ・・二人は顔を見合わせニンマリだ・・
 
公園近くのそこに狙いをつけた
 
つづく
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« エロと野望小説 【地獄極楽... | トップ | エロと野望小説 【地獄極楽... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

小説」カテゴリの最新記事