ふるさとは誰にもある。そこには先人の足跡、伝承されたものがある。つくばには ガマの油売り口上がある。

つくば市認定地域民俗無形文化財がまの油売り口上及び筑波山地域ジオパーク構想に関連した出来事や歴史を紹介する記事です。

筑波山は噴火も噴煙もない安全な山 

2022-02-28 | 筑波山地域ジオパーク


火山噴火の仕組み  

 世界の火山は、プレートの境界(海溝沿い、海嶺)とプレート内にホットスポット(下記参照)として分布している。
陸のプレートの下に沈み込んだ海のプレートからの水の働きによって上部マントルの一部が融けて上昇していき、マグマが形成される。このような過程でいったんマグマだまりに蓄えられるなど様々な作用を受けて地表に噴出し、これが海溝沿いの火山となる。
したがって、海溝にほぼ平行に火山が分布することとなり、この火山分布の海溝側の境界を画する線を火山フロントという。
        

  
          
 一般に火山フロント付近に火山が密集している。海嶺では、上部マントルから直接マグマが湧きだして、プレートが生成されている。一方、プレート内部を貫いて点状のマントルの湧き上がりがあり、ホットスポットと呼ばれるところがある。ハワイに代表される火山はこのホットスポットの例である。

 噴火は地下深部で発生したマグマが地表に噴出する現象である。火口が開いてマグマの圧力が減ると一斉に発泡し体積が増加し、火口からマグマが噴出する。 発泡などが少ない場合には溶岩流として噴出することとなる。噴火の規模や機構については噴火を直接観察したり、過去の噴出物を観察することなどから解明がなされる。



活火山とは  
かつて使われた「休火山」「死火山」とは 
 昔は、今現在活動している、つまり噴火している火山は「活火山」、現在噴火していない火山は「休火山」あるいは「死火山」と呼ばれていた。
 例えば、富士山のように歴史時代(文献による検証可能な時代)に噴火記録はあるものの、現在休んでいる火山のことを指して「休火山」、歴史時代の噴火記録がない火山のことを指して「死火山」という表現が使われていた。



「活火山」の定義と活火山数の変遷 

 しかし、火山の活動の寿命は長く、数百年程度の休止期間はほんのつかの間の眠りでしかないということから、噴火記録のある火山や今後噴火する可能性がある火山を全て「活火山」と分類する考え方が1950年代から国際的に広まり、1960年代からは気象庁も噴火の記録のある火山をすべて活火山と呼ぶことになった。

 1975(昭和50)年には火山噴火予知連絡会が「噴火の記録のある火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義して77火山を選定した。 


 この77火山は主として噴火記録がある火山が選ばれていましたが、噴火記録の有無は人為的な要素に左右される一方、歴史記録がなくても火山噴出物の調査から比較的新しい噴火の証拠が見出されることが多くなった。

 1991年(平成3)年には、火山噴火予知連絡会が活火山を「過去およそ2000年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」と定め、83火山を選定し、その後1996(平成8)年にはさらに3火山が追加され、活火山の数は86となった。


 しかし、数千年にわたって活動を休止した後に活動を再開した事例もあり、近年の火山学の発展に伴い過去1万年間の噴火履歴で活火山を定義するのが適当である との認識が国際的にも一般的になりつつあることから、2003(平成15)年に火山噴火予知連絡会は「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」活火山と定義を直した。

 当初、活火山の数は108であったが、
2011(平成23)年6月に2火山、
2017(平成29)年6月に1火山が新たに選定され、活火山の数は現在111となっている。  



  
噴火警報・噴火速報
2022年2月27日16時現在、気象庁発表)
   24時間以内に発表された噴火警報はない。

 


  
 御嶽山の降灰情報
(2022年2月28日11時現在m28日12時~15時の予想、気象庁発表)
   2,022年2月28日11時現在、日本列島で降灰が認められるのは御嶽山のみである。




筑波山は噴火しない降灰もない安全な山 

 筑波山は、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」に該当する活火山ではない。現在、日本列島で噴煙、降灰があるのは御嶽山だけである。「我が国活火山の分布」に含まれていない筑波山は安全な山である。
     
 筑波山は富士山と同じように広大なすそ野が周囲に展開している。
 然し、富士山が火山であるのに対し筑波山は火山ではない。筑波山は地下のマグマが固まってできた深成岩で出来ている。これが地殻変動で隆起して地表に現れ、その後、周囲の堆積岩が侵食されて硬い深成岩の部分のみが残されてできたのが筑波山である。

 筑波山の深成岩は、中腹より上部は約7500万年前にできた斑レイ岩、また中腹から山麓にかけては約6000万年前にできた花崗岩が分布している。
 岩石の浸食に強い性質と、地下の岩石を押し上げる地殻変動が現在の筑波山をつくる大きな要因である。
筑波山は噴火しない降灰もない安全な山である。



 
 3月1日~7日までの天気予報 (2022年2月28日17時水戸気象台発表)
  筑波山梅林の梅の花が見ごろになる頃は、春らしい陽気がやってきそうだ。


〔関連記事〕
 筑波山は噴火しない山 その形成と岩石

   筑波山の生い立ち 筑波山は噴火しない安全な山

 

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