小児科耳学問

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寒いと咳が出る

2010年12月04日 | Weblog
以前にも書きましたが、寒いと咳や喘鳴が出やすくなります。寒い風にあたると鼻がつまり鼻水がでるのと同じで、寒い風にあたると気管支が細くなり透明な痰がでます。感冒との鑑別は熱がないこと、膿性鼻汁にならないこと、温かい部屋にいるだけで軽減することなどです。
寒冷刺激で咳、喘鳴の出る人は冷たい空気を吸わないことが重要です。小児の場合は外遊びを控える方が良いです。外出時はマスクを着用し、夜中も室温が20度以下にならないようにエアコンをつけておくと咳は軽減します。畳の上など低い場所で寝ている場合はベッドや、乳児の場合はベビーベッドを使う方が暖かく寝れます。ベッドがない場合はホームセンターなどにある冷気防止用のサッシの下に立てるつい立も有効と思います。また電気敷布もお手軽です。私も2年前から電気敷布の上で寝ていますが気管支、喉の調子がよくなりカゼを引きにくくなりました。少し喉が痛くても一晩背中を暖めて寝ると治っていることが多いです。気道感染予防には背中を暖めることは有効です。昼間はカイロを背中に貼るのも有効です。
寒冷刺激による咳の治療は気管支喘息に準じオノン、シングレア、メプチン内服、キュバール吸入などを使います。私の場合はオノン、メプチンを処方し、効果不十分ならキュバールを追加しています。寒い間は治療継続が必要です。この手の咳、喘鳴は成長に伴い年々改善します。