小児科耳学問

小児診療の手の内を公開。ブログ内検索で日常診療に役立てて下さい。

シングレア細粒

2007年08月28日 | Weblog
本日シングレア細粒4mgを味見してみました。1歳以上6歳未満に適応です。スティックシュガーに粉砂糖が入ったようなほのかに甘い薬で、苦味はなく飲みやすくなっています。9月下旬発売予定だそうです。シングレアは血中濃度が非常に高くなるので1日1回投与が可能な薬で、徐放製剤ではありません。分1にするために、不必要に血中濃度を上げていると考えることもできますが。後発品の出たオノンの処方量がますます減りそうです。オノンやシングレアの有効率は7割程度(残り3割は飲んでも無駄)の印象を持っています。

百日咳

2007年08月27日 | Weblog
子供の夏休みと、夏はネタが少なくて久しぶりに書きます。2週間ほど前にNHKで百日咳の流行が取り上げられていました。関西では流行の話は今のところあまり聞きませんが。大人が感染し、咳で菌をばらまくという内容でこれは昔から言われていることで目新しくはありません。百日咳の予防接種は三種混合ワクチン(DPT)の中に含まれています。DPTのPはpertussis(百日咳)のPです。ワクチンの添付書にはDPT3回接種でほぼ100%抗体が得られ、高率に発病阻止ができるようです。百日咳ワクチン株は東浜株で病気を引き起こすのが山口株です。山口株の抗体価の上昇で診断します。培養は難しくBG培地は特注なので、私も若かりし頃何度か培養を提出しましたが、培養で生えた経験はありません。レプリーゼを伴う夜間の咳が特徴ですが、熱が出ないこともカゼやマイコプラズマと区別する重要な特徴です。治療はクラリスロマイシンの内服、点滴ではペントシリン、シオマリンなどです。エリスロマイシンは血中濃度が上がりにくく、ジスロマックは効きますが保険適応外です。