小児科耳学問

小児診療の手の内を公開。ブログ内検索で日常診療に役立てて下さい。

乳児の外耳炎

2008年09月20日 | Weblog
最近、生後2ヶ月の乳児の外耳炎を2例経験しました。耳漏で来院されるので中耳炎との鑑別が必要です。鑑別の第一は鼻水などの感冒症状があれば中耳炎、なければ外耳炎の可能性が高くなります。第二に耳漏の培養をとることです。肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブランハメラなどがでれば中耳炎、ブドウ球菌や緑膿菌がでれば外耳炎です。乳児の外耳炎は耳に水が入ることで起こります。外耳炎の治療は外耳道を乾燥させ、ブドウ球菌を狙ってスペクトルの狭い抗菌剤(ケフレックスなど)を2週間ほど内服させれば治癒します。外耳道が乾燥すれば緑膿菌は自然消滅しますので、耐性化し易い緑膿菌に対する抗菌剤は不要です。

インフルエンザワクチン

2008年09月20日 | Weblog
10月中旬からインフルエンザ予防接種が始まります。今年のワクチン株は3種類とも新しい物になっています。インフルエンザワクチンと言えば卵アレルギーが問題になりますが、卵を使ったパンやクッキーが普通に食べれれば問題なく受けれます。微量の卵でも強いアレルギー反応を示す場合は接種しないか、ワクチン希釈液で皮内テストを行い、その結果で接種の可否を判定します。接種前に抗アレルギー剤を飲んでおくと安全性が高まります。

日本脳炎ワクチン接種再開は来年夏??

2008年09月09日 | Weblog
昨日の新聞に新製法による日本脳炎ワクチン接種を平成21年7月から再開することを厚労省が検討中であるとでていました。これより早くなることはないでしょうし、遅くなることはありえます。来年夏にはちょっと間に合わないかも。しかし旧型ワクチンは副反応の少ない良いワクチンだと思います。旧型ワクチンは細々ながら今も流通しています。