小児科耳学問

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麻疹と川崎病の鑑別

2007年05月17日 | Weblog
麻疹や水痘は患者が横を通っただけで感染するくらい感染力の強い病気です。麻疹の病初期は目が赤くて熱が高いので川崎病とちょっと似ています。病初期の鑑別は麻疹ならコプリック斑があり、CRP陰性、川崎病ならCRPの上昇を認めると予想されます。子供の麻疹は基本的には外来で診療する病気ですし、川崎病は入院治療する病気なので発症3、4日目くらいには鑑別が必要になります。私の失敗談ですが、医者になって8ヶ月目くらいの時に当直していて目が赤くて高熱4日目くらいの7歳くらいの女児を川崎病かと思い入院させましたが、翌日から発疹が出だし麻疹と判明し退院となりました。当時はCRP検査は2日かかっていました。現在は全血1滴で4分で結果が出ますが。平成元年頃は研修医は半年も過ぎれば一人で当直していました。現在の研修医優遇制度とは大違いですが、今から思えば若い頃はたくさんの症例を受け持ち、苦労した方が良いと思いますね。