小児科耳学問

小児診療の手の内を公開。ブログ内検索で日常診療に役立てて下さい。

春はカゼの季節

2008年04月12日 | Weblog
4月になり春めいてきましたが、カゼの患者は減りません。なぜなら新保育園児、幼稚園児が登園し始めるからです。彼らはカゼに対する免疫がほとんどないので通園当初はカゼをひきまくります。特に保育園の1歳、2歳児クラスはほとんどみんな青バナをたれています。女性の職場復帰は結構なことですが、1歳、2歳で青バナをたらし、湿った咳をしながら保育所にあずけられる乳幼児には不憫さを感じずにはいられません。

病気の治療と同じくらい母子関係の確立は重要

2008年04月10日 | Weblog
新生児は両親に受け入れられるよう、特に母子関係が確立するまでは極力母親のそばに置かなければなりません。しかし生まれつき障害を持った子供たちはその疾患が重症であればあるほど早期から手術や集中治療のために母親から離されてしまう傾向にあります。私も平成11年に市中病院のNICUに勤めていた時、市内の個人の産婦人科病院から依頼を受け重症先天性心疾患の新生児を大学病院に搬送したことがありました。その新生児は手術を受け退院できたのですが、母親が赤ちゃんを受け入れられないという問題が起こりました。その後平成13年に市中病院の一人医長をしている時に院内で三尖弁閉鎖の新生児が生まれました。この時は母子関係を確立できるようすぐには搬送せず、リプル持続点滴で1週間ほど粘り大学病院に搬送しました。病気の治療と同じくらい母子関係の確立は大切です。

喘息の長期管理

2008年04月09日 | Weblog
持続型の喘息の治療をする際に吸入ステロイドやロイコトリエン受容体拮抗薬を継続すれば調子が良いことを患者の親もわかっているのに、ついつい咳が出なくなると通院が続かない患者がいます。予約日に来ないと医者と患者の親の間も少し気まずくなります。このため最近は治療を続ける方が調子はよいが、一時的に調子が良いので治療を中止し咳が出だしたら再診する方針にするかどうかを通院の難しそうな患者の親に希望を聞いて選択してもらっています。

カゼ予防に貼るカイロ

2008年04月08日 | Weblog
背中に寒気を覚えるとカゼを引きやすくなります。気道粘膜の繊毛運動が低下するためです。私も30歳くらいまではいつも暑がっていてカゼを引きにくかったのですが、40歳を過ぎるとすっかり寒がりになってしまいました。そのため、この冬は背中に寒気を覚えたらすぐに貼るカイロを背中に貼ってしのぎました。カイロを背中に貼り背中の寒気が取れると、急に喉のイガイガ感がとれ痰が切れます。カゼ予防にはうがい以上に背中に寒気を覚えないようにカイロを貼る方が有効だと思います。