小児科耳学問

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胃腸かぜの食事療法

2008年01月19日 | Weblog
1、下痢の時の食事について
下痢の治療の基本は消化の良い食べ物を選んで、腸を休めることです。冷たい物、脂物、乳製品は控えて下さい。食養生の期間の目安は便が固まり始めてからさらに1週間です。経口補液剤は突然の嘔吐下痢には入手困難で味もイマイチです。市販のスポーツドリンクは味は良いのですがナトリウムが低めなので、みそ汁や塩味のお粥で塩分補給をすると良いでしょう。100%リンゴジュースは高浸透圧のため薄める必要があります。

消化の良い物
水分:室温のスポーツドリンク、みそ汁(具は除く)、温かい茶、2~3倍に薄めた室温のリンゴジュース、
主食:おかゆ(塩や梅干を入れる)、軟らかいごはん、
副食:いも類、とうふ、白身魚の煮付け、りんごのすり身
お菓子:赤ちゃん用のせんべい、油であげていないおかき

消化の悪い物
水分:母乳、牛乳、麦茶、炭酸飲料
主食:パン、麺類
副食:乳製品(ヨーグルト、プリン、アイスクリーム等)、りんご以外の果物、線維の多い野菜(ゴボウ、竹の子、ホウレンソウ等)、脂物

乳児でミルクが必要なときは乳糖除去ミルク(ラクトレス、ノンラクト)に変更して下さい。母乳を与えている場合は母乳を中止する必要はなく、消化剤(ミルラクト、ガランターゼ)を母乳と一緒に与えると腸を休めることができます。

2、嘔吐時の注意
嘔吐が続いているときに水分を与えると胃を刺激しさらに嘔吐がひどくなります。飲ませて吐く方が脱水は進行します。吐くのが明らかな時は飲まさない方が悪化しません。1、2時間待って吐き気が治まるのを確認してから少量のスポーツドリンク(30~50ml)を30分程間隔をあけて与えて下さい。吐き気止めの坐薬を使用し1時間ほど睡眠をとると嘔気が軽減します。