雨が降ると、なんでいろんなもののにおいが濃くなるのかな。湿度が高いと、鼻が感じやすくなるのかな。
せっかく「雨バラ」を聴くのにうってつけの季節になったというのに、逆に「雨バラ」熱は急速に冷めつつあります。さっき試しに聴いてみたら、「なんかちょっと、ウルさいな」って感じてしまいました。聴き飽きたということですかね。毎日50回くらい聴いていましたからね。アホだね。
しばらく「雨バラ」は、お休みしよう。そうしよう。
雨なので家の中でウダウダしていたら、いろんな連想から昔あった変な出来事を思い出しました。
~その1~
大学生のころ。
電車に乗っていたら、私のすぐとなりに60~70歳くらいの女性が座った。もちろん全然知らない人。
電車が動き出してしばらくしたとき、その人が話しかけて来た。
まずその話しかけ方からして、奇妙だった。その人は、まるでその人と私が今までずっと喋っていたかのような調子で、前置きゼロでこう言った。
「そうなの~、お友だちがいないのね~…」
偶然とはいえ、当時の私の劣等感を刺激する言葉であった。
そのため私は思わず気色ばんで即答してしまった。
「いっ!?いますよ!友だちぐらい!!」
その女性は、そんなはずは無いというような疑惑の視線でしばらく私を眺めたあと、持っていたバッグの中から冊子のようなものを取り出すと、小さな声を出してそれを読み始めた。お経だった。
私はどうしていいかわからず、とりあえず次の駅で降りた。
~その2~
大学生のころ。
『悪徳の栄え』という映画(成人指定だった)が公開された。
当時ファンだった石橋蓮司が出ているうえに、監督が実相寺昭雄で清水紘治や寺田農も出演している。絶対面白いに違いないッ!と、どうしても見たくなり、とある昼下がり、ひとりで蒲田のロッポニカ(日活の上映館)に乗り込んだ。
かたぎのうら若い乙女(当時)が、昼とはいえどひとりで蒲田で日活映画(18禁)。
もしも今、自分の周辺にそんな軽はずみな若い女がいたら、いったいどこから湧いて出たバカかと思うだろう。
で、とにかく周辺のワイルドな雰囲気に怖じ気づきながらも、映画館に到着した。
かなり躊躇したが、「ここまで来たんだから」という、勇気というよりは意固地な気持ちを原動力に、意を決して中に入った。
館内は、変なふうに空いていた。ぽつぽつと座っている客は、みんな一人でみんな男だった。前の方の座席で、変な動きをしている人がいた。タバコを吸ってるおっさんもいた。これはいかん…と思いつつ見回すと、後ろのすみの席に、女の人がひとりだけいた。私はその人のとなりのとなりの席に座った。
その女の人は、60~70歳くらいのおばあさんだった。見た目全然変わったところのない、普通の地味なおばあさんだった。
だけどこんな場所にこんな映画をひとりで見に来るおばあさんは、それだけでやっぱり変な人だと、自分のことを棚に上げて私は思った。おばあさんは下を向いて、本を読んでいた。なんの本かと横目で見ると、お経だった。
映画が始まった。
エプロン裸の女の人が、ご馳走の乗った大皿を持って廊下を歩いている。そんな映像がスクリーンに映し出されたとき、斜め前方に座っていた男がふと振り向いて、私を見た。そして前に向き直ったと思ったら、1分後くらいにまた振り向いて私を見た。そしてまた、前を向いた。そんなことが10回ばかり繰り返され、また上映中にあと100回は繰り返されそうな予感がした。もはや気が気でなくなり、となりのとなりに座っているおばあさんを見ると、おばあさんはスクリーンには目もくれず暗い中でお経を読み続けていた。なぜだか冷や汗が出た。
上映開始後、約15分。私はガマンの限界を感じ、中途退出した。
だから私は、『悪徳の栄え』がどんな話なのか知らない。
TSUTAYAのレンタル代が半額になっている今、この映画を借りようか。借りないでおこうか。私は迷っている。
~その3~
社会人になってから。
ある朝バス亭でバスを待っていたときのこと。私の後ろに並んでいた女の人が、不意に話しかけてきた。60~70歳くらいの年配の人だった。
その人はとても親しみやすい口調で「あそこのね」と、道の向こうの家並みを指差し、喋り始めた。
「あそこのね、白い塀の家あるでしょ?きのうあそこの塀の前に、男ものの靴と女ものの靴が並べて
置いてあったの。さっき見たらもう無かったけど。靴の向きがね、塀の方を向いてたの。そこから中に
入ったみたいに。でもそこに入り口なんて無いのよ。変でしょう~~」
せっかく話しかけてくれたのだから何か言わねば、と私は思ったが、良い返事は全く思い浮かばなかった。
仕方が無いので深刻ぶった小声で「えッ!靴が…!」と言ってみた。女の人は「そう。靴が」と言った。
バスが来た。なんだかホッとした。
以上。
どの体験も60~70歳の女の人がらみなのは、なぜだ。
それぞれ別の人のはずなのに、私の記憶の中では今や三人とも同じ顔になっている。
「長い廊下」では、あなたの微妙に奇妙な体験を随時大募集しております。
電車といえば、痴漢しか思い出せない~。
私、自慢じゃないけど、痴漢にあいやすい体質だったみたいで。阪神電車で10回くらい、御堂筋線で10回くらいは、絶対あっている。
阪神梅田駅で、日雇い労働みたいな人に「おれ、ねえちゃんのこと気に入った」といわれたことある。
おばあさんがらみはないなあ。
おばあさんには好かれない体質だったのかな。
「悪徳の栄え」がすごく見たくなってきました~。
>実相寺昭雄
ウルトラマンの人?
>清水紘治
タイトルは忘れたけれどエッチな感じの映画を観たことあります。
痴漢に会いやすいって、体質?(笑)
痴漢はハラ立つよね!
痴漢に比べりゃ、下着泥棒のほうがまだマシだと、
私は思います。
>おばあさんには好かれない体質だったのかな
いや、私も別におばあさんに好かれているわけではない…。
>ウルトラマンの人
そうそう。
『ウルトラセブン』第八話「狙われた街」が、特に有名ですよね。
ダンとメトロン星人が、貧乏臭い畳の部屋でちゃぶ台を
はさんで話し合っているというシーンが。
なんか『セブン』は、あんまり子ども向けじゃないのね。
私も大学生のときに初めて見て、へ~~って思いました。
>エッチな感じの映画を観たことあります
なんていう映画だろう…。
気になるわ(笑)
一つ思い出したのは、昔、イタリアに行った時に(英文科に行った上品なT.Kちゃんと行ったのよ)
骸骨寺というところに行ったのさ。
僧侶の骸骨がずらーっと壁中に飾ってあるの(4000人分あるらしい)。
T.Kちゃんは気持ち悪いので行かないというので
一人で中に入ったら、中に僧侶のおじいさん
(たぶんお布施をもらう係だと思う)がいた。
お布施を渡して中を見ていると、突然抱擁されてしまいびっくりした。
アジア人の小さい子(イタリアでは小学生に間違われた)が一人で見に来てたので喜んでくれたのかと。
きっと「神のご加護」があるようにと祈ってくれたのではないかと、好都合に解釈。
骸骨だらけの部屋で2人きりで、かなり骸骨に近づいた感じの僧侶と抱擁、これは奇妙でございました。
骸骨寺、私も行きました。
ああなると、気持ち悪くも怖くもならないね。
「よくやるなぁ…」という呆れに近い気持ちになりました。
アジアの小さい子どもがひとりで入って来たので、
お坊さんも「オゥオゥ!」ってなったのでしょう
いい体験談持ってるじゃん(笑)
そのお坊さん、今頃骸骨寺の一部になっていたりして。
あー、ウソウソ。
ところで、関係ないですが、昨晩美空ひばりの特番を見ていたら、林与一の若い頃って、ちょっと好みかも?と思ったのですが、willow さんの分析ではどんな感じ? 最近日本の古い映画にも興味ありです。
『暗室』、そうじゃないかと思ってました(見てないけどね)。
芦川よしみが好きと言っていたのは、Alison.M左右衛門じゃなかった?
林与一…、分析するほど知らないけど、鼻が長めの昔風の美男というイメージです。
小川知子と結婚してたよね。
お料理とか家事一般が得意で、小川知子にはその類のことは一切求めず、
献身的な旦那さんだったらしい、とうちの母が言ってましたが。
そうそう。小川知子と結婚していたのは知っています。鼻が長い、確かに。私が見た映像は、ちょっとなよっとした感じの美男だったよ。
>清水紘治ってこの映画の印象が強いです
私もね、清水紘治ってなんかクセのある役ばっかり
やってるようなイメージがあります。
顔にすごい陰翳があるよね。
ちょっと実際に会って話をしてみたいタイプです。
Juneさんも、タトローじゃんも、
まとめて、”あなたがた!!”
芦川よしみは、むしろキライのジャンルにはいりますっ。
芦川いずみ!!いずみ!(藤竜也夫人)
暗室?あん?しつ??
観てません。笑
>鼻が長い、確かに。私が見た映像は、ちょっとなよっとした感じの美男だったよ。
これ、うけた。爆
言い当ててるわ。