長い廊下

勝手に思ってるだけ

映画 『悪徳の栄え』

2009年07月01日 21時48分36秒 | 視聴覚室
 
 
その昔見損なった映画、『悪徳の栄え』。経緯は、前記事で書いたとおり。
この際だから見てみようと思い立ち、折良くTSUTAYAのオンライン・クーポンのメールが来ていたので、さっそくクーポン券をプリントアウトしてTSUTAYAに向かった。
 
TSUTAYAの棚はわかりづらい。ジャンル分けがうまくいっていないような気がする。
『デッドマン』が西部劇の棚にあるのは、正しいのだろうか?私は以前この映画のDVDを探して、「洋画ドラマ」のコーナーをさんざんウロついてしまった。中身を知らない人間がキーワードだけでジャンル分けしているから、こういうことになる。
 
けれど『悪徳の栄え』のDVDは以前に見かけたことがあり棚の見当はついていたので、すぐに見つけることができた。
「誰かに借りられてたら、どうしよ~ン?」などど心配していたが、よく考えたらこんな映画、めったに借り手がいるわけはなかった。こんなのを借りたがるのは、斜にかまえた変態だけだ。
 
ところで前回この店でレンタルしたときに、DVD本体だけを持っていけばよいのに何を勘違いしたのかジャケットごと(しかも3本も)レジに持っていってしまい、レジの人にわりかしイラついた声で
 
   「あ…お客様ー、ジャケットは…。次回からは、ハイ、中身だけお持ちいただければー…」
 
と注意されて、恥をかいてしまったのだった。
そこで今回は間違いのないようにジャケットから慎重にDVDを抜き取り、メンバーズ・カード及びプリントアウトした半額クーポンといっしょにきちんとまとめて、これで文句は無かろうとばかりにレジに差し出した。
だのに、あーだのに、それなのに。レジの人(前回と同じ人)が、私の差し出したクーポンをしばし検分したのち、薄ら笑顔でこう言うのだった…。
 
   「お客様ー、こちらのクーポン、CD5枚で1000円のクーポンですが、よろしいですか?」
 
…よろしいですかって、なにがよ? よろしいわけないだろーが。お互い。
あーあー、また失敗しちゃったよ、この人は。 って、今思っただろう、貴様は。
 
   「あ~…? てへッ、ホントだ! 間違いました。すみません! じゃッ、これ(クーポン)無しってことで!」
 
と、狼狽を押し殺して答える自分の声の上ずり加減が、さらに恥ずかしい。
なんでこうなるの?いったい私はどうしてこれを、DVD半額のクーポンと思ってしまったの?
忍び寄る老い。あるいはもっと危ない脳ミソ周辺の何かなのか。
出来ればDVDがもっと手際よく半額で借りられる自分になりたい。
 
予期せぬ恥辱プレイにどっと老け込みながら家路につき、一杯のインスタント・コーヒーで気持ちを落ち着かせた後、私は因縁の『悪徳の栄え』をデッキにセットした。
けれどもさきほどの失敗がまだ尾を引いていて、気分はもうなえなえの裕木奈江だった。
それだもんで、すんごくいい加減な態度で10分に5回ずつくらい中断しながら鑑賞した結果、下記のような断片的な感想を得た。
 
*あっ!吉田良一の人形じゃないの。
*出た、エプロン裸。
*石橋蓮司、気持ち悪い。
*ヒロインの女優が、もっときれいだったら良かったのに。
*清水紘治は、やっぱり様になってるなー。
*飲食シーンが、とにかく気色悪ィ。
*佐野史郎が出ちょる。
*李星蘭(ヒロインの女優)は、舞台のシーンは悪くない。
*この男(ヒロインが浮気する男)だけは、やめて欲しかった。
*美術がすごいスタイリッシュ。
*こんなこと、よく出来るな。役者って、頭おかしいな。
*2.26事件か。…どういうことだっけ、それ?(日本史バカ)。
*米沢美知子の銀歯はスゴイな。
*実相寺昭雄はヘンタイ。
*ナマコの一本食いは、私もイヤだ。
*ヒロインは、別の人がよかった。
 
 
できたら何年かあとで、もう一回この映画にチャレンジしたいと思っている。
 
 
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (りき)
2009-07-01 22:56:42
「悪徳の栄え」には何か悪いものでもついているに違いないです。
おはらいしてから見た方がいいのかもしれない。
清水紘治は私も見たいので、いつか一緒に見る?
そのころにはつきものが落ちているかもしれん。
でも女2人で見る映画ではないね、きっと。

ヒロイン、よほど似合わなかったのね。
2回もコメントしてる。
返信する
Unknown (June)
2009-07-03 00:11:57
なんだか変わった映画みたいですね~。
willow さんの断片的な(断片的過ぎる?)感想がとってもスタイリッシュです~。きっとこの映画を観たらなぞが解けるんだろうな。でも、観たいような観たくないような、、、です。

へ~、ツタヤで、そんなどじを!
そんなふうに見えないのですが、willowさん。
あそこ、私、ちょっとお気に入りの店員さんいるよ♪
返信する
Unknown (虫義リン)
2009-07-04 08:43:20
箇条書き感想・・・ええね。
伝わってくるわ、映画の雰囲気
薄気味悪さ満載的な感じ。
ヒロインは、とにかく 美しくあってほしいね。

知らないヒトが多いキャスティング
李星蘭 この男 米沢久美子 実相寺昭雄
無名な感じの俳優陣だね。

昭和30年代の、日活映画は好きで、縁があれば
観ちゃうな。石坂洋次郎モノとか・・・・。&
東宝の若大将シリーズも。

でも、気色悪い系は、食欲がなくなるので・・・
観なかったけど、ダイエットにはいいかも。笑
その後の日活ロマン?
返信する
りきさん (willow42)
2009-07-04 20:04:43


>でも女2人で見る映画ではないね、きっと。

いや~~、ははは…。
とてもじゃないけど、この映画は人といっしょには見られないです。
どんな顔していいか、わからないもん。
清水紘治、りきさんも好き?
やっぱりいいですよ~、この人。
非現実的な役柄でも、滑稽に見えないところが偉い。
この映画では清水紘治は「不知火侯爵」なんだけど、
これヘタな人がやると「なにが不知火じゃ」
「なにが侯爵じゃ?プッ!」ってなると思うよ。
清水紘治だと、すんなり「不知火侯爵」。

ヒロインは、ブスではないんだけどね。
なんか、清水紘治とのバランスも悪いし…。
返信する
Juneさん (willow42)
2009-07-04 20:16:36


>きっとこの映画を観たらなぞが解けるんだろうな。

はい、そのように思います。
是非!見てください。そして感想を教えて。

私の人生の大半は、ドジと浪費で成り立っているのです。
なんでこうなるんだろう…?と思うようなことが、よく起きます。
たぶん人並みはずれて注意力散漫なのだと思います。

お気に入りの店員さんって、誰だろう…。
「いらっしゃいませぇぇぇぇぇぇぇえええ~!」って言うメガネじゃないだろうね?
返信する
虫義ンソ (willow42)
2009-07-04 20:48:56


>薄気味悪さ満載的な感じ。

そう、そんな感じ。
乙女川蟻左右衛門には、ちょっと向かないかもね。
だって、ナマコの一本食いだよ?
ヒロインね、李星蘭なんて、名前だけ聞いたら
どんな鮮やかな美女よ?!って期待するじゃない。
名前負けよ。はっきり言って。
ブスじゃないけど、華が無い。
ヒロインは映画の中に出てくる吉田良一の人形みたいな
娘だったらよかったのに。
でも、声は悪くなかった。

>昭和30年代の、日活映画は好きで

少ししか見てないけど、私もそのあたりに興味があります。
この映画はにっかつがロマンポルノを打ち切ってロッポニカを
たち上げた直後に作られたらしいんだけど、そのロッポニカって、
わずか半年で終わっちゃったんだってさ。
ウィキにそう書いてあったさ。
返信する
Unknown (Kazue)
2009-07-08 23:40:12
初めてお邪魔します Juneさんの所から来ました!実相時監督のこの映画は観たことはないのですが(かなり後期の作品でしょうか?「曼荼羅」というのは観た事ありますが。。。)実相時監督って 初期はウルトラマンなどを作っていた人ですよね?でも 私はこの人が監督した「怪奇大作戦」のエピソードがどれも大好きなのですー!「呪いの壺」とか「京都買います」とか。。。思い出しただけでも(あのタイトルバックに流れる音楽と共に)わくわく!(willow42様はご存知ですか?)
 こう見るとこの監督って すごくバラエティに富んだ作品を作ってますね(子供向けから成人向けまで)どれが本当にご本人がやりたかったことなのでしょうかねー?
 話は変わりますが 漫画のお話も楽しみにしています 内田善美。。。凄かったですよね あの細部に至る描写は。。。
    
返信する
Kazueさん (willow42)
2009-07-11 10:57:39


いらっしゃいませ!
見に来てくださって、ありがとうございます!

『悪徳の栄え』は1988年の作品ですので、
中期に当たるころの作品のようです。
『曼荼羅』は見たことがありませんが、こちらにも
清水紘治が出ているのですね。見たいなぁ…。

ぎゃー『怪奇大作戦』!
これについては、たぶんリアルタイムでは見ていない
と思いますが、断片的な記憶はあります。
ちゃんと見てみたいですね。
↓こんなんありましたよ。
http://www.youtube.com/watch?v=NILgqy_paJk

実相寺監督の怪奇・幻想・エログロ・耽美・頽廃趣味は、
子ども向けの番組でもやっぱり随所に見え隠れ
しているという気がします。

内田善美を初めて知ったときには、ほんとにビックリしました!
今、どこでどうしているんでしょうかね。
返信する
Unknown (June)
2009-08-02 22:21:33
観たよ~。
willowさんの箇条書き感想がよく理解できたわ。 独特の映像ですよね。あれはあれで凄いと思う。

でも、たしかに、willowさんがおっしゃるとおり、ヒロインがいまひとつね。あんな格好をしながら、なぜかセクシーさを感じない。なぜだろう。美人じゃないってこともないけれど、やせぎすすぎ?

「怪奇大作戦」のテーマソングを聴きながら、よこに「蘇る金狼」があったから思い出したけれど、この映画、たまたま深夜に放送されているのを観たのだけれど、びっくりしたなあ、もう。この頃の風吹ジュンってかわいくてセクシーだった。
返信する
Juneさん (willow42)
2009-10-09 20:14:21


>あんな格好をしながら、なぜかセクシーさを感じない

なのよねー。
服を着ててもどうしようもなくセクシーな人もいれば、
脱いでも脱いでもセクシーでない人もいる。
不思議です。

>よこに「蘇る金狼」があったから思い出したけれど

へー、私見たことないんだ。
松田優作でしょ。びっくりするのかー…、興味が湧いてきたわ(笑)
風吹ジュンって可愛いですよね。ちょっと不良っぽくてね。
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(←これも過激な映画だったけど)の
マリア・シュナイダーに似ていると思うのだけど。
これ、誰に言ってもわかってもらえないんだけどね、
マリア・シュナイダーと一時期同棲していたマルク・ポレルという俳優が
すごく好きでした。ものすごいニヤケ男なのですが。
返信する

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