花のアート写真工房

Ⅰ:透明水彩画集
Ⅱ:旅エッセイ(海外編)

【アートに対する情熱は、青春そのものです!】

スペインフォトエッセイ~その6「白い村その2:フリヒリアナ」

2011年02月17日 11時21分35秒 | 旅エッセイ⑤~スペイン
                      

 グラナダからバスで1時間半、地中海に面した街マラガがある。そこは、第2、第3の白い村へ行くのに都合のよい中間地点に位置するため3連泊し、そこを基点に観光をした。

 バスターミナルに近いホステルは、閑静な住宅街の一角にあった。宿の受付嬢にレストランのある方向を教えてもらってから、散策に出かけた。途中子供たちが路上で遊んでいたが、ひとりの子供が私の肩にかけているカメラをとろうとして、手が伸びてきた。とっさに私は身を構えて万を逃れた。まだ、小学生ぐらいの年頃なのだが、腕に刺青をし、異様な感じがした。私に向かって数人かで大声で怒鳴っているように思えたが、私は、その内容がさっぱり解らず、ただただ黙っていた。その事があって、宿への帰り道は、わざわざ遠回りをした。本当にどこにどんな災難が待ち構えているかわからない。

 日曜日なのか休みのところが多く、小さなパン屋さんでパンとビールとヨーグルトを買った。夕食は、とても粗食であった。やはり、宿は活気にあふれている繁華街がいい。なが~い夜であった。

 フリヒリアナへ行くには、マラガから海岸線に沿って東に行き、ネルハで乗り換え山側に走る。途中、ネルハと言う街らしきところで多くの人がバスから降りた。言葉や緻密な計画を立ててない私にとっては、途中下車をすることは難しいが、大群に押されてなりいきい任せた。

 フリヒリアナは、のどかな田舎の村カピレイラとはまた違った街であった。レストランやお店の看板や窓、花などのレイアウトがアート的であり、どこを切り取っても写真になる。

 その高台にあるレストランに入った。ちょうど見晴らしの良いテーブルが空いていた。ラッキー。魚料理も美味しかったが、その見渡す景色での食事は一段と料理を美味しくさせる。

 帰り道、ネルハにある地中海のバルコニーと呼ばれている所に、そのネーミングに誘われていった。バカンスを楽しむ家族連れが多かった。バルコニーから、透きとおるような深い青色の海が地平線に続き、これが地中海と言わんばかりであった。なぜか私は、ひとりベンチに座って、途中のスーパーマーケットで買ったヨーグルトを飲んだ。

 

 

スペインフォトエッセイ~その7「白い村その3:ミハス」

2011年02月15日 16時16分50秒 | 旅エッセイ⑤~スペイン
                  

 マラガのインフォメーションカウンターで、ミハスまでの直通バスがあることを知り、そのバスを利用した。地中海沿いのリゾート客を各地で乗せ、ミハスまで約1時間ぐらいかかった。街道沿いには、プールのある別荘やホテルが立ち並び、私の過ごす日常とはかけ離れた環境である。

 ミハスの駐車場は、バスや車でいっぱいであった。日本からのスペイン旅行では、ミハスを巡るコースは定番になっており、そのようなツアー客にもよく出会った。その一群の去った店の店員さんに聞くと、「ツアー客は滞在時間が短く、あわてて買物をするのよ。もう少しじっくりとミハスのよさを感じとって欲しい」と嘆く。それにしても、いたるどころ観光客であふれていた。

 帰りのバスを待っていたところ、偶然にもアルハンブラ宮殿のチケットを譲っていただいたグループに会った。思いもかけない再開に、お互いびっくり。旅のつもる話題に花が咲いた。旅で出会った人は、国際学会へ出席するため、スペイン語を学ぶため、世界の各地を知りたいため、スペインのサッカーを観たくてなど、楽しみ方も千差万別である。

 ミハスからは、フエンヒローラまでの便しかなく、そこまでとりあえず行った。そこのチケット売り場は、長い列を作っていた。仕方なく私もその列に並びチケットを購入した。しかし、その間にマラガ行きのバスが出発をしてしまい、次の便まで1時間あまり待たなくてはならない。私は、道行く人にバス路線と並行して走っている鉄道(レンファ)のフエンヒローラ駅を教えてもらって、それを利用した。

 日本への帰りは、グラナダ、バルセロナへと来た道をもどった。行きと違う点は、グラナダ~バルセロナのバス泊とバルセロナ~中部国際空港の機中泊の2連泊にある。かなりハードな行程である。

 行きのバスは、13時間だったが、帰りは16時間もかかった。後になって考えてみると、帰りの料金の方が安く、特急と急行のような違いであることが解った。それにしても、飛行機の便に間に合わないのではないかとハラハラドキドキした。バルセロナに着くなり、慌ててタクシーに乗り込み間一髪セーフ。

 仕事の仲間から「旅行に行って、ちょっと痩せたんじゃないの?」「それは、さぞ気苦労が多かったためじゃないかなぁ」と話題に上った。
 私は、「またダイエットするから、よろしくね!」と軽やかに返事をした。