里山登の登山ノート

新潟県の山を中心とした登山日記です。初級者向けの山を主に登っています。

弥彦山~夏ノ暑サニモ負ケズ

2016-08-13 23:57:25 | 登山
先回の苗場山登山で登山靴が壊れてしまったので、
新しい登山靴を購入しました。
シリオのPF440。4E+の幅広甲高日本人向け仕様です。
この靴の慣らしのために、というかこのお盆休みにちょっとした山に登りたくなったので、
弥彦山に登ってきました。


弥彦神社の駐車場に到着。
この駐車場は一番近い駐車場ではないのですが、
それでも朝9時の時点で結構埋まっています。
そしてこの車のほとんどが登山客ではなく、
参拝客や観光客というわけです。
弥彦神社および弥彦山は新潟県屈指のパワースポットであり観光地です。
この夏の暑い最中に登山をしようなどという人は、
少なくとも弥彦山においては少数派だと思います。
(「少ない」といってもそこそこ人とすれ違います。秋になると登山客が増えてきます)


多くの方は、この鳥居をくぐって弥彦神社にお参りをするわけです。


目指すはお店の向こうに見える、あの頂です。


観光客や参拝客の賑わいを横目に見ながら、右側にある登山口を目指します。


AM9:20
ここが登山口。
鳥居をくぐると、登山がスタートです。


杉林の中を進んでいきます。


AM9:36
1合目。
ここから3合目くらいまで、つづら折りの登山道が続きます。
体が慣れていない上にそこそこ急なので、
もしかしたらツラく感じるかもしれません。


AM9:47
2合目。
木陰になっているので、予想したほど暑くはないな。


AM9:55
3合目。
そろそろきつくなってきたな。
このあとすぐに休憩します。


AM10:15
4合目。
木陰を抜け、強い日差しが降り注ぎます。
暑い。
早くも心が折れ始めます。
ここで本当にやめて引き返そうかと考えます。


AM10:20
5合目。
鳥居があります。
暑さで折れそうな心をつなぎ止めながら、
足を引きずるように歩を進めます。


AM10:41
6合目。
この時期の低山の休憩ポイントは、日陰であることが絶対条件です。


登山道を吹き抜ける風が、なんとも気持ちが良い。


AM10:52
里見の松。
ここには屋根付きのベンチがあって、平野を見渡せるので、休憩に最適です。


で、その屋根付きの休憩所に設置されている温度計の表示はコレ。
32℃…、どうりで消耗するわけだ。


休憩所から見える平野。
灼熱に焼かれる下界が見えます。


というわけで、ここでは休まず、だらだらと歩を進めます。

AM11:04
7合目。
ここには、水場があります。
日陰になっているのがまたいいですね。
砂漠を歩いていてオアシスにたどり着いたときは、きっとこんな気持ちなのだろう。




冷たい水で、心がシャキっとしたところで歩き始めます。
子ども達が追い越していきます。
負けるわけにはいかない。

AM11:15
8合目。
暑さにやられ、相当きついのですが、ここまでくれば気力でなんとかします。


9合目。
左に行けば山頂。神様がいます。
右に行けば食堂、売店、展望広場などがあります。


9合目ベンチ。
海の向こうに佐渡島が見えます。
暑くなければ、ここで海を見ながら語らうのもいいと思います。


とりあえず、右に進んで自販機で炭酸飲料に手をつけてしまいます。
観光客でにぎわう中、栄養補給をしながら大休止します。


PM12:00
大休止のあと、20分も歩けば山頂に到着します。
弥彦山奥宮。


2年前の夏。
この山頂の神様にお参りをしたら、それまでずーっと受からなかった就職試験の合格通知が届きました。
それ以来、私にとってはここの神様はちょっと特別な存在だったりします。
今回は、お賽銭を奮発し、欲張って3つのことをお願いしました。

山頂からの景色。
この広々とした感じに、気分もスカッとします。
真夏の平野らしく、緑色が鮮やかです。






激しく太陽が照りつけますが、山頂は遮る物がなく、
そこそこいい風が吹いているのでそれほど暑さは感じません。
結構気持ちの良いカラッとした感じです。

山頂でおみくじを引きます。
「吉」です。
願望「二つの願を一度に叶えんとすればわるし」
(先ほど3つのことをお願いしたばかりです)
恋愛「思い通りにならぬ」
ところどころに、心を挫くようなことが書いてあります。





PM12:45
9合目に戻って、休憩します。
今日は佐渡がよく見えます。


9合目には、ロープウェーの駅があります。
私が2時間かけて登ってきた道も、これを使えばたったの5分程度で登れます。


そして、見下ろすと弥彦山スカイラインが通っています。
結構上の方まで、車で上がれてしまうわけですね。


体力やその日の気分によって、様々な手段で登ることができるのが、弥彦山のよさというわけです。
どのような手段で登ったとしても、見える景色は同じです。
ただ、どのような手段で登ったかによって、景色の感じ方は若干違う気がします。

で、今回の私はどんな気分で山頂の景色を眺めたか。
暑さで心を挫かれながらフラフラになりながら登った情けなさと、
それでも登り切った達成感や自分をほめてやりたい気分。
そんな気分で眺めた平野や日本海の景色は、今回ならではのものでした。

同じ所にたどりつき、同じものを見ていたとしても、
そこに至るまでの過程が異なれば、感じ方は異なる。
人生に通じるものがあると思います。

PM1:11
さて、9合目から下山します。
左に行けばロープウェーで5分。
右に行けば登山道を歩いて1時間半くらい。
登っている最中はロープウェーで下りることも考えましたが、
ここまで来たら歩いて下ります。


PM1:23
7合目。
水場で顔を洗ってスッキリ。
心なしか足どりも軽快に。


PM1:27
里見の松の温度計。
30℃。2℃下がるだけで結構楽に感じます。


PM2:07
ゴール間近。
登山道沿いの茶屋に立ち寄って大休止します。


茶屋でトコロテンとブラックコーヒーをいただきます。
杉林の日陰を通り抜ける涼風と相まって、なんとも幸福な気分になります。


PM2:27
日が少し傾きかける時刻。
予定を大幅に遅れて、ゴールゲートをくぐり抜けます。


暑さに対する弱さを露呈しながらも、それにも負けず、よく頑張ったと思います。
そんな私の願い事、神様よろしくお願いします。

苗場山~団体登山で山頂湿原へ

2016-08-02 23:09:56 | 登山
私が現在所属している職場では、年に1回登山をする機会があります。
普段低めの山ばかり登っている私にとっては、
グレードの高い山に登る貴重な機会となっております。
今年もその季節がやってきました。
今回は苗場山。
以前から行ってみたいと思っていた山です。

2016年7月31日(日)1日目 曇りのち雨のち、夜は晴れ。
今回登るコースは、祓川コース。
和田小屋で前泊します。


霧がかかっています。
明日は晴れるといいな。


登山者ポスト。
中には登山者カードも入っています。


明日の登りに備えて、パワーを蓄えます。
今回の夕ご飯。
分厚いローストビーフにびっくりです!




この日の夜9:00過ぎ。
空には満点の星空が一面に。
建物のある下界ではまず見られないほどの夜空の芸術。
流れ星も見えました。
切実な願い事を用意していたのですが、
いざ流れ星が出たときにそれを3回唱えることは思いの外難しいもの。
…自力で何とかするか。
泊まり山行ならではの楽しみを味わうことができました。

2016年8月1日(月)2日目 晴れのち曇り。山頂では雨。
さて、登山当日。
朝もしっかり食べて、パワーを蓄えます。
食べ過ぎると重くなってしまいますので、おかわりは1杯で抑えておきます。


6:45頃。
この日は素晴らしい晴天。
気持ちも高まります。
暑くなることが心配されます。


今回は団体登山なので、途中で悠長に写真を撮っている余裕はありませんでした。
よって、その分文章での説明が多くなります。

しばらくの間はさほど急ではない道を登っていきます。
登山道もよく整備されていると思います。
大きな岩が転がっている所が多いです。

下の芝。


上の芝。


下の芝、中の芝、上の芝と、このような休憩に最適なスポットがあります。
気温も上がってきて、暑さが体に応えてきます。
みんなについて行くだけで精一杯になってきました。

2000mを越え、神楽ヶ峰を過ぎてから、雷清水、お花畑まで下りになります。
せっかく登ってきたのに、もったいない感じです。

雷清水という水場があります。
ここの水は冷たくてとても美味しいです。
小屋で水を買うよりも、ここで水を十分に汲んで小屋まで登ることをオススメします。
この後急な登りがあるのでキツいとは思いますが。

お花畑付近。
花の宝庫として有名な苗場山ならではですね。
さまざまな花が山を彩っています。












花を楽しんだところで。
ここから山頂台地に至るまで、ガツーンと急な登りがあります。
200m以上登るみたい。
このコース一番の頑張りポイントといえます。
標高も上がってきて、涼しい風も吹いてくるのが救いではありますが。

急登を登り切ったところで、ようやく山頂台地。
苗場山らしい風景になってきました。


12:00頃。
いよいよ山頂に到着です。


山頂といっても、苗場山の場合、広々とした山頂台地になっているので、
あまり山頂っぽくありません。
「周囲の山々が360度のパノラマ」みたいな景色は期待できません。

ニッコウキスゲが咲いていました。


今回宿泊するのは、苗場山山頂ヒュッテ。


外にはテーブルがいくつもあるので、晴れた日はここでくつろぐのもいいと思います。


中はこんな感じ。
限られたスペースを分け合って休むのは、山小屋の常識。


山頂付近には、このように湿原が広がっています。
晴れた日には、是非とも散策をしたいところです。


このように、水田のような湿地が広がっていることが、
「苗場」山という名前の由来だそうで。


さて、翌日の下りに備えて、夕ご飯です。
カレーライスです。
美味であります。


夕食後。
先ほどの写真のように、多くの人で限られたスペースを分け合うので、寝室で騒ぐことはできません。
話をしたい人は、食堂を談話室代わりにしてくつろぐことになります。
我々も、食堂でカードゲームに興じながら、つかの間の夜を楽しみます。
これもまた、団体での泊まり山行ならではの楽しみといえます。


2016年8月2日(火)3日目 曇りのち雨。
登山最終日です。
4:50頃。
この日は雲が多く、ご来光は見られませんでした。

雲があればあったで、下界では見られない味のある風景が見られるのが、山の良いところだと思います。
湿原に広がる霧の絨毯。


6:45頃。
山小屋を出発し、小赤沢コースで下ります。
しばらくは山頂台地。
過ぎていく湿原を惜しみながら歩きます。


山頂台地が終わると、六合目くらいまで岩場の多い急な下りが続きます。
鎖場やロープ場を4つか5つくらい越えなくてはなりません。
安全第一で、ゆっくり下っていくことをオススメします。

五合目くらいになると、緩やかな下りが続きますので、楽になります。
雨が降ると木の根が滑りやすいので、油断せずに行きましょう。

10:30頃。
三合目の駐車場に無事に到着しました。
やりきった感たっぷりであります。
このあと鉄分を含んだ赤いお湯が売りの温泉で汗を流し、帰路につきました。

と、こんな感じで年に1度の団体登山が終わりました。
※肖像権に配慮し、人間は一切写していませんが、本当に団体登山です。

今回は、梅雨入り辺りからウォーキングやスクワットを続けて体の準備をした上で登山に臨みました。
しかし、暑さに負けて登りの中盤でペースダウンすることに。
「暑さに弱い」という自分の特性をどうにかしなければいけないと感じました。

「山登り」といっても、単独登山と団体登山では、ちょっと違うなと感じます。

単独登山では、一人で登る分、山と対峙したときの自分の心や体の働きを敏感に感じ取ることができます。
自分を感じ、自分と向き合うという部分を大切にできるのが単独登山のいいところだと思います。

ツラさや達成感、美しい景色を見た喜び、たわいない笑い…。
さまざまな思いを仲間と共有できるのが団体登山のいいところだと思います。

単独登山と団体登山、どちらも好きですね。
また機会があれば、してみたいですね、団体登山。