日本人の平均寿命は延びており、100歳以上の人口は6万人に迫るとされる。長寿の秘密は何なのか―。慶応義塾大学と英ニューカッスル大学の共同研究チームは、100歳以上の長寿者とその家族ら1,500人を分析した結果、長寿者はテロメアという染色体の端を守る部分が長く、老化を促進させる炎症マーカーの値が低かったと発表した。詳細は、7月30日発行の科学誌「EBioMedicine」(電子版)に掲載されている。
◆染色体はレシピ本、テロメアはブックカバー
人間の体を作るには、タンパク質を”調理”しなければならない。そのレシピを記憶している場所が遺伝子で、その各レシピが載っているページがDNA、そのページをまとめて本にしたものが染色体、いくつかの本をまとめた全集をゲノムと呼ぶ。つまり、人間は全23巻から成るレシピ集となる。
テロメアは、この中の染色体の端を守る構造で、染色体を本とするならばブックカバーといえる存在だ。ブックカバーも時間がたてばボロボロになっていくが、テロメアも年齢を重ねるごと(細胞分裂を繰り返すごと)に短くなっていき、長さが限界を迎えると染色体が作っている細胞が寿命を迎えてしまう。
今回の調査では、100歳以上の百寿者、105歳以上の超百寿者、110歳以上のスーパーセンチナリアン(計684人)とその家族(167組)、さらに85~99歳の高齢者(536人)を加えた1,554人を対象に、テロメアの長さや肝機能などに関する数値を測定し、分析した。
◆80歳でも60歳代の平均値と同等
その結果、長寿者やその家族(子供ら直系子孫)では、テロメアの長さが80歳でも60歳代の平均値と同等だった。また、高齢でなるにつれて炎症を示す数値が上がるが、長寿者やその家族では炎症の値が低く、特に低い人では認知機能が下がらずに自立して生活できる期間が長いことも分かったという。
炎症の値を低くするには抗炎症薬を使う手もあるが、副作用があるため長期間使うことはできない。しかし、安全に使える薬が開発されれば、老化を抑えて健康寿命を延ばし、高齢者の生活の質を大きく改善する可能性があると研究グループ。新しい健康法の開発が期待される。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150811-00010009-mocosuku-hlth
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