次は韓国の阿弥陀如来像についてです。
阿弥陀如来を含む多くの仏像は、色がはげないように上塗りを繰り返されており、髪は青くなっています。
そして、何よりも目をひくのが、阿弥陀如来の印相(指の形)です。浄土寺浄土堂をはじめとする日本の阿弥陀如意来が親指といずれかの指で輪を作るのに対し、慶州仏国寺極楽殿、伽?山海印寺冥府殿などのものは、指と指の間が離れていました(写真22)。さらに、高霊市黄龍寺の阿弥陀如来は、普通に手を開いたものでした(写真23)。
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そこで、ネパールの仏像、神像を見ると、阿弥陀如来は仏舎利を持っています(写真24)。ネパールで、親指と他の指で輪を作る来迎印相は文殊菩薩など、如来と比べて華やかな衣装を纏う尊像に多いようです(写真25)。
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では、なぜ、日本において、阿弥陀如来に来迎印が普及したのでしょうか。それは、『観無量寿経』の普及度によるものでしょう。阿弥陀如来の来迎印は親指と何指をつけるか、その手をどうむけるかで、九段階の往生、九品を表します。そのことを説いている『観無量寿経』は、九品中正という制度をもちいた漢代の儒教的な影響をうけたものとして日本に入ってきました。その『観無量寿経』を「阿弥陀三経」の一として重要視したゆえに、日本においては阿弥陀の来迎印が普及したといえそうです。
2011年ジオシティーズウェブページ「韓国寺院旅行記」『祭と民俗の旅』に掲載。
2019年本ブログに移設掲載。写真の移設が自動的にできなかったため、随時掲載予定。