月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

58.韓国京畿道の屋根は天竺への道?(月刊「祭」2016.9月)

2016-08-16 20:29:41 | コリア、外国


京畿道の宮殿や城の屋根を見ると、降棟の上に、動物や人間のご一行が列をなしています。これを雑像・チャプサン・잡상というようですが、なんのことかさっぱりわかりません。なので、文献を探そうかとも思ったのですが、そんな暇もないので、屋根の上の人や動物は何者なのか韓国文化財庁ウェブページをみて調べてみます。
その上に乗っているのは多くが西遊記•ソユギ•서유기の登場人、怪物です。特に先頭3体は外から
1大唐法師•テダンポプサ•대기업사(三蔵法師)
2孫行者 •ソンヘンジャ・손행자(孫悟空)
3猪八戒・チョパルケ・저팔계(猪八戒)
が並ぶそうです。
規模が大きい建物だと、その後ろに沙和尚・サファサン・사화상(沙悟浄)などが並ぶそうです。

現存の屋根にある雑像は朝鮮時代以降のものになります。が、この時期は仏教が廃仏棄釈などで廃れた時期。月刊祭説(妄想)によると、この時期の仏教衰退が韓国・朝鮮の山車、神輿文化がほとんど見られない原因となっています。にもかかわらずなぜ、仏教説話とも言える西遊記が宮殿や城にのこってるのでしょうか?

◯江華島出土雑像
江華島・カンファド・강화도では雑像が出土しました。時代は13世紀。13世紀といえば、高麗・コリョ・고려の時代です。高麗の時代は各地に寺院が創建され海印寺・ヘインサ・해인사に見られる大蔵経が編纂、刊行された時期です。この時代だと、天竺よりお経を持ち帰った大東法師・三蔵法師はまさしく英雄といえるでしょう。天に飾りたくなるのも理解できます。
朝鮮時代の雑像は、高麗時代の仏教隆盛期の名残と言えるものかもしれません。







◎編集後記
今年も韓国に行ってきました。
かれこれ通いつめて五年。いくたびにこの国の文化を理解することなく、我々の祭文化を理解するのは不可能であると痛感しています。
この記事には反映されていませんが、今回は図書館ずくめの旅になりました。釜山大学校や延世大学校、水原市の各図書館、京畿道博物館の資料室の方々には突然の訪問にもかかわらず、資料の閲覧やコピーに骨を折ってくださいました。
本当に感謝申し上げます。

올해도 한국에 갔다왔습니다.
이것저것 다닌지 5년. 갈수록 이웃나라(한국) 문화이해없이 우리나라(일본) 축제문화를 이해할 수가 없다고 통감합니다.
이 기사에는 반영하지 않습니다만, 이번여행은 도서관 여행 이었습니다. 부산,연셰 양대학교 도서관, 경기도 박물관 직원들께서 자료열란이나 복사위해 신세 많이 바닸습니다.
진심으로 감사 드립니다.



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