グラスから水滴滲むコースター色のつかない孤独に染まり
一枚の薄き仮面の下に泣くリアルフェイスは見せなくていい
真夜中のコンセント繋ぐプラグから鮮血のごと迸る熱
「オトナにはなりたくない」のおまじない
ソライロのたねギュッとにぎって
我が生の蛍火ほどの明るさに手を翳す人のいるを嬉しむ
忘られぬ念いは胸に湧き出づる投げた小石の波紋のやうに
パラソルの影に隠れて午後三時桃の紅茶の氷も溶けて
気持ちのよい午後、キャンプ用ベッドでお昼寝をしました・・・
日曜の朝には青い鳥のうた途中で逆さにする砂時計
テノヒラのみづはあやふく揺らぎゐる見知らぬあなたは液晶のなか
路地裏の夢は切り売りされるとふあをいさかなの目をしてきみは
ビル街の方形の空ひかうきのキリトリ線はあをぞらふたつ
くるんくるんまあるくなって羊水の記憶を辿る毛布の中で
ゆつくりとひとさしゆびをねじこんでゆめのなかまでおむかへにきて
誕生日の名残の薔薇の花・・・
雨の夜の薄く滲んだ影のやう優しく拒絶されるのだらう
今日は私の生まれた日です・・・
群青の透けたる空の包み紙胸のスキマを覆ふ手のひら
*写真はてっぴさんからお借りしました。