一橋MBAブログ 「くにたち」な日々

HMBA有志による非公式リレーブログ

SNSの可能性

2006-09-21 23:36:55 | Border Dwellerのつぶやき
おひさしぶりです、Border Dwellerです。
P&Nさんも書いていらっしゃいますが、タイの「クーデター」には驚かされました。
1発の銃の発射も、流血もないのにほっとさせられますが、「クーデター」という言葉の持つ力と現実(だと見られる)との間に大きなギャップを感じます。

大きなギャップという点で、mixi上場で盛り上がるSNSビジネスにもびっくりしています。「案外いい値段がつきそうだゎ」程度にしか思っていなかったのですが、公開初日は値がつかず。2日目の大引けは初値を上回る312万円。公開価格の2倍近い金額を支払っても買いたい、もっと価値が上がると思っている人が大勢いるらしいということになります。

mixiは紹介者がないとネットワークに入れないため不特定多数が登録できるものと比較してリアリティが高い、ユーザーの7割が3日に1度は必ずロクインしており利用率が非常に高いという2点から広告媒体として期待が高まっているようです。しかし、実際の友人から紹介されなくても「紹介者になります」という人がいるようなので、「ユーザーになりたい」と思えば誰でもユーザーになれますし、極端な話、いったんユーザーになってしまえば(利用規約違反ですが)自分で自分を紹介し多重登録することだって可能です。年齢や性別だって、どれくらい登録者が正直に登録しているかアヤシイものです。どこまでいってもネット上の出来事はリアルなものとはなりえないといった気がします。

それでもコミュニティは“好き”とか“興味”を核としており、メーカーにとっては明確にセグメントされたターゲットとして映るかもしれません。しかし、これについても私は疑問を感じます。というのは、以前あるコミュニティの人々が集まる場に居合わせたことがあるのですが、共通の“思い”でつながっている人々は、“思い”に敏感で、同質な人に対して働く求心力と同じ大きさの遠心力が異分子に働くような居心地の悪さを感じたからです。リアルな場だったので「そこはまぁ、大人のつき合いを…」といった雰囲気だったのですが、SNSのコミュニティはつながり自体がバーチャルですから、ためしに参加しても“思い”が共有できなければアクセスしなくなればそれでOK。一方的に関係を断ち切ることも可能です。つまり戦略的な広告媒体としてコミュニティに参加したところで、商業目的の発言を受け入れる人以外はいつの間にかコミュニティから離れてしまっていたということになりかねないのです。

私はSNSにかぎらずWeb上の情報ってかなり流動的で不確実なものだと思っているのですがそんなことないんでしょうか?そこのところ、mixiを高く評価している皆さんがどう考えているのか知りたいなぁと思う今日この頃です。
(Border Dweller)