一橋MBAブログ 「くにたち」な日々

HMBA有志による非公式リレーブログ

社会の中での多様な人々

2006-09-06 19:27:39 | 戦略ってなに?(P&N)
こんにちは。P&Nです。

8月のレポートで米国のアップル社のスティーブ・ジョブズ氏について調べました。その中で読んだ米国の人々の生き方に結構驚かされました。
学校を出たらできるだけ大きな会社に入る。思い切るといってもせいぜい転職。家族が定職を持たなかったりしたら青くなって心配する、という感覚ではないようです。

参考文献によれば、大学の助教授がその地位を「あくびもの」と考え、やりたい仕事を求めて放浪を始めたり、ハーバード大の卒業生がアップル社で働きたいばかりに受付係の仕事を受け入れたり、技術系の優秀な修士・博士が当たるかどうかわからないベンチャーで死ぬほど働いたり。

どうも彼らの感覚がわかりません。
そんなことしていて、あなたたちの人生設計(特にお金)は大丈夫なの? と聞いてみたい気がします。年金など、どういう仕組みになっているのでしょうか? が、結構大丈夫なのでしょうね。

そういえば昔会った人にもこんな人がいました。欧州で生まれた彼は、米国の大学を出て、日本の大学院で経済学の修士号を取り、日本の高校で英語会話教師として働き、ある日、インドネシアでボランティアをする、といって出かけたきり、連絡がありません。

個々人の生活は(特に老後)大丈夫なのか、と勝手に心配してしまいますが、社会全体としては、そういう人生を通じていろいろな経験をしている人がいるのも、大きな資産だと思います。次の仕事を探す放浪中にいろいろな人と出会って視野を広げたり、海外をブラブラする中でガイドブックにはない現地の実体を知ることができたり。本人もあせるかもしれないし、周囲はもっとやきもきするでしょうけれども。でもそういう人の中から、大きなイノベーションを起す人が事実出てきているわけです。

どうも彼らみたいに思い切った、泰然自若(?)とした発想になりきれず、ささいなことを心配してしまう自分が悲しいところです。

参考文献
ジェフリー・S・ヤング ウィイリアム・L・サイモン 井口耕二訳「スティーブ・ジョブズ-偶像復活」 東洋経済新報社 2005 
アラン・デウッチマン 大谷和利訳「スティーブ・ジョブズの再臨」 毎日コミュニケーションズ 2001