よしーの世界

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チャップリンの独裁者(1940年米映画)

2019-08-11 07:44:46 | 日記
昔テレビで放送されたものを観た記憶があるが、ブルーレイの本作品は思っていたより長尺で

2時間を少し超える大作。おそらく当時はカットされて放送していたと思う。砲弾と兵士や地

球儀と戯れる独裁者、ハンガリー舞曲にのったひげ剃りシーンなど後世に残る名場面の連続に

感嘆した。そして対照的に独裁者の配下の兵士たちによる仕打ちが時代の暗さを醸し出して、

映画に陰影をもたらしている。



戦争映画は沢山あるが、悲惨さばかり強調されたり、兵士の英雄的活躍を褒め称えたりするも

のが多く、戦争指導者を正面から揶揄し、批判する作品は珍しい。しかもその時代にである。

そしてチャップリンらしい手法で、コミカルなシーンも多いので、飽きずに観ることが出来る

稀有な作品だ。


世界中でナショナリズムが沸騰し、勇ましい言葉を駆使して自国の利益だけを強調する指導者

が増えている。彼らは戦場に赴くことはない、犠牲になるのは一般市民だ。この映画の意味が

改めて問われることになる。



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