両生類日記

今日は会えるかな

シリーズ第4回目「コオイムシの孵化」

2011-05-26 21:56:20 | 生物

10日から2週間、卵を守り続けたお父さんの背中から赤ちゃんの誕生です。
卵の内壁を切り裂いた赤ちゃんは、頭を出し前脚と中脚が出てきた時に、それを延ばすため「バンザイ」をします。


孵化する前に、幼生の眼が透けて見えてきます。


頭が伸びてきました。孵化の最中だというのに、お父さんはヤゴを捕まえ食事を始めました。


背中の上で前脚・中脚を伸ばし、バンザイをします。


概ね卵を産み付けられた順に孵化します。


バンザイの後、幼生が背中に留まり足が伸びきらない事の無いよう、背中を傾け水中に放出します。

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シリーズ第3回目「コオイムシの繁殖行動」

2011-05-21 10:27:05 | 生物

コオイムシの繁殖期は4~8月で、オスは80~100個卵塊を背中に背負います。
コオイムシの繁殖行動には、1匹のオスに対し2~3匹のメスが参加します。
つまり、最低3頭のメスから卵を得て産み足しを行う乱婚型の婚姻形態を持っています。
1) コオイムシのオスは、まず水中 (水面すれすれ) で植物などにつかまり中後脚 (主に中脚) を
屈伸させ、波を起こしメスに求愛します。
2) オスはメスが現れたら、メスに対し約70度近いV字の角度で交尾器が重なる位置に回り込み
交尾を行います。


 
3) オスは交尾が終わると、自分の背中の現在の卵の配列から見て、産卵して欲しい位置が
メスの産卵管の直下に来るようメスの下に潜り込みます。



4) 位置が定まったら産卵が行われます。



5) 1卵産み付ける度に交尾が行われ、何度か交尾・産卵が繰り返された後一旦両者が
離れた際には、再び求愛の波立てが行われます。
その際、場合によっては、別のメスが割り込む場合もあります。
交尾・産卵に要した時間は、近縁のオオコオイムシの報告 (立川, 1991) に比べ本種が
幾分短いという結果が得られました。

 

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シリーズ第2回目「コオイムシの呼吸形態」

2011-05-17 18:53:30 | 生物

コオイムシ科に属する水生昆虫は、尻に呼吸管を持ち水面上に出すことで空気呼吸を行います。


水生植物にしがみつき、じっと獲物を待ちます。


産卵が始まったら、呼吸と同時に屈伸してメスを呼ぶ波立て行動を行います。


日中も外敵の姿がなければ、呼吸管を伸ばし甲羅干ししています。


卵塊を背負ったオスは、卵に酸素を与えるため浮上しています。

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シリーズ第1回目「コオイムシ成体」

2011-05-12 21:54:30 | 生物

今回から数回のシリーズで、コオイムシ (Appasus japonicus) の一生をお届けします。
まだ、田んぼに用水が入ってきてはいませんが、3日間降り続いた大雨のおかげで
田んぼに水が溜まり、コオイムシが泳ぎ始めました。
コオイムシは、カメムシ目コオイムシ科に属する水生昆虫の一種で成虫の体長は20mm程度です。
本州・四国・九州の平野部にある水田等の浅い水域に生息します。
日本に生息するコオイムシ亜科はコオイムシを含め3種で、他にオオコオイムシ (体長25mm程度)
タイワンコオイムシ (体長15mm程度) がいます。
体は扁平な卵形で、前脚は鎌のような形の捕獲脚、後脚は遊泳脚です。







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子どもと楽しむ川遊び用 「もんどり」 の作り方

2011-05-10 22:02:37 | 生物

焼酎やウイスキー (ブラックニッカ) の4リットルボトルを2本用意します。2本で1個のもんどりが作れます。
もんどりを仕掛けて引き上げるタイミングを間違えると、魚が窒息し大量死する危険性があるので
なるべく短時間の使用が望ましいようです。なので、親子で楽しんでください。
上記の理由で、子ども達に作り方を伝授するのは良くないかも知れません。
また、2本まとめて買い込むと怒られるかも知れませんので、十分お気をつけ下さい。


カッターナイフなどで切断しますが、2本のボトルの切断位置は異なります。


2本のボトルは、1本を左の線の位置で、別の1本を右の線の位置で切断します。


ボトルの底部や側面に、メダカがすり抜けられない程度のエア抜きの穴を開けます。


切断部分で手を切らないようにビニールテープをかぶせます。


本体と蓋をビニールテープで連結し完成です。
ボトル内には小石を入れて沈みやすくします。
取っ手には荷造りヒモなど取り付け流されないようにします。
粒状のメダカの餌などを入れて沈めてください。

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タゴガエル 「水さえあれば所構わず」 ですか?

2011-05-05 23:43:58 | 生物

タゴガエル (Rana tagoi) ですが、ちょっと様子が違います。
イメージとしては、山間渓流の伏流水が流れる岩の隙間に産卵すると思っていたのですが・・・。
水温12.5℃、場所は下関市内 (いつも場所を特定出来ない表現ですみません) 。
タゴガエル君、あまりにお手軽な選択をしていませんか?。


えっ?ここですか?


ペアになっています。


こちらもペア。


1m四方の溜め升に50卵以上?。

本物の (一般的と思われる) タゴガエルの産卵場所は、こうだと思います。
狙ってもなかなか撮れないショットはこちら。いつもスゴイ写真撮るなあと感心するジークさんのBlog IM

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「COP10」と「ひとはく」と「タンポポ調査」と鈴木先生

2011-05-02 21:20:45 | 生物

話が少し長くなるのですが、昨年タンポポの季節に初めてお会いした「ひとはく」鈴木先生絡みの話題です。


2010年2月26日~2月28日 生物多様性EXPO in 福岡に出展していました。


私たち「やまぐち環境ミーティング」のブースに鈴木先生が訪問されました。


早速その秋の10月26日に「兵庫県立人と自然の博物館」を訪問しました。


27~28日はハイレベルセグメント中で物々しい警備のCOP10名古屋国際会議場へ。


会議場内ではサイドイベントが多数開催。通訳は国連公用6言語のみで日本語は無し。


そう簡単には入手できないIDカード。発行してもらえれば会議場に入れます。


この3月12日、福岡と愛知COP10でお世話になった鈴木先生 (中央) と下関で調査。


道路の中央分離帯の植え込みみたいな所も調査 「あるのこんな所にタンポポ?」。


先月30日2度目の来県 秋吉台でタンポポ調査。手前は秋吉の花に詳しい中沢女史


タンポポの写真を一つだけ「トウカイタンポポ」(と思います)。

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