両生類日記

今日は会えるかな

シリーズ第3回目「コオイムシの繁殖行動」

2011-05-21 10:27:05 | 生物

コオイムシの繁殖期は4~8月で、オスは80~100個卵塊を背中に背負います。
コオイムシの繁殖行動には、1匹のオスに対し2~3匹のメスが参加します。
つまり、最低3頭のメスから卵を得て産み足しを行う乱婚型の婚姻形態を持っています。
1) コオイムシのオスは、まず水中 (水面すれすれ) で植物などにつかまり中後脚 (主に中脚) を
屈伸させ、波を起こしメスに求愛します。
2) オスはメスが現れたら、メスに対し約70度近いV字の角度で交尾器が重なる位置に回り込み
交尾を行います。


 
3) オスは交尾が終わると、自分の背中の現在の卵の配列から見て、産卵して欲しい位置が
メスの産卵管の直下に来るようメスの下に潜り込みます。



4) 位置が定まったら産卵が行われます。



5) 1卵産み付ける度に交尾が行われ、何度か交尾・産卵が繰り返された後一旦両者が
離れた際には、再び求愛の波立てが行われます。
その際、場合によっては、別のメスが割り込む場合もあります。
交尾・産卵に要した時間は、近縁のオオコオイムシの報告 (立川, 1991) に比べ本種が
幾分短いという結果が得られました。

 

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