両生類日記

今日は会えるかな

写真展 展示作品20点のご紹介

2012-10-30 20:17:32 | 生物

 豊田ホタルの里ミュージアムの秋期テーマ展として実施された写真展「水辺で出会ったカエルの仲間たち」が終了しました。
出品展示した作品20点をご紹介します。

進軍
初めてヒキガエルを見たのは、ちょうど産卵が行われている時期で、その圧倒的な
大きさと精悍な顔つきにたちまち魅了されました。メスの堂々の進軍に、ペアを
組んだオスもご満悦といった表情がとても印象的でした。
 

ヒキガエル3兄弟
複数の個体が揃うと、意外なポーズが生まれることが多々あります。この3匹が兄弟
ではないにしろ、それぞれの個性が際だつようにも見えます。沈着冷静な兄、
いたずらっ子の次男、いじめられっ子の三男といったところでしょうか。



森へ向かうための雨待ち
  ニホンアマガエルの幼体は、水辺に留まる期間が短いのですが、林内に向かう途中、
僅かな草の茂みに身を隠していることがあります。シッポが取れたばかりのこのお
チビは昼夜を問わず葉陰に身を隠しながら移動のチャンスを待っていました。
 

ペアが組めてうっとり気分
  繁殖期のオス成体は、動くものには何にでも飛びつき抱接しようと試みます。この
 オスは、アカハライモリ(オスと思われる)を同種のメスと間違えて抱接しており、
    あまりにもご満悦の表情に、間違っているぞと声をかけることが出来ませんでした。



上陸直前のおチビ達
 この場所は、ニホンアカガエルの大産地でした。まだシッポが残っているおチビ達は、
岸辺と水中を行ったり来たりしています。外敵が近づくと水中に逃げますが、石の下
なら大丈夫とでも思っているのか多数群がっていました。
 


フデリンドウとタゴガエル
とあるサイトにフデリンドウを撮影した画像を投稿したら、「写真にカエルの姿を探して
しまった」とのコメントがありました。いつも両生類ばかり撮影している訳ではないので
難題でしたが、他所で偶然にもカエルを配置したシーンが撮影できました。
 


潜行開始
偶然ヤマアカガエルの産卵に出くわしました。昼間に産卵行動を見ることのできる
 機会はめったにありませんが、この日はチャンスに恵まれ、防水コンパクトデジタル
カメラを用いて凍てつくような水中での険しい表情を追いかけました。
 


縄張り争い
  繁殖期には、縄張りを主張するため鳴嚢を膨らませ力を誇示することがあります。
    偶然迷い込んだオスに縄張りの主は鳴嚢を膨らませ懸命に警告しているのですが、
     迷い込んだオスの「何を怒っているの?」といったキョトンとした顔つきは笑えました。
 


ヌマガエルの合唱
 水田に水を引く前の溜まり水で2匹が鳴いていました。通常、日中は草むらに身を
 隠すはずなのですが、この日は曇天のせいか良く鳴いていました。近づいてカメラ
を向けると、2匹はきれいにカメラの方を向いて合唱を始めてくれました。
 


小さな恋のメロディー
 幼体は、生まれた水辺に長く留まり、あぜ道を歩くとピョンピョン飛び跳ね水中に身を
 隠すか水面で水草に掴まる姿が見受けられます。偶然にも同じ水草に掴まった2匹
は、向き合いながら手を握っているような仕草で、ほほえましい光景でした。
 


今夜こそ出会えるかなあ
モリアオガエルは通常樹上に産卵しますが、田んぼの畦草や棚田の石垣などに
産卵することもあります。このオスは稲の切り株の上で待ち人が現れずちょっと
心配といった表情に見えました。

なんかヘンですね~
 モリアオガエルは、1匹のメスに対し複数のオスが参加して集団で産卵を行いますが、
 メスの頭に乗ることはありませんし、体サイズはモリアオのおチビ?と思えるほど小さな
個体です。よく見ると、おチビの光彩はシュレーゲルアオガエルの色でした。



モリアオ三銃士
 繁殖期には、オス達の地上と樹上に分かれてのメスを呼ぶコールが聞こえてきます。
樹上は足場が少ない分、オス達は1本の枝に密集します。この3匹も同じ枝に
いながらも、刻々と向きを変えペアの訪れを探しているようでした。
 

続々と目的地を目指す
モリアオガエルは、顔つきといい色合いといい、とても可愛いくファンも多い種です。
繁殖場所が概ね樹上に限定されるので、人気の木の株元は大変混み合います。
2組のペアの、メス達の嬉しそうな顔つきとオス達の神妙な顔つきが絶妙です。


取っ組み合いのケンカ
カジカガエルは、渓流中の石が少ない場所では、縄張りの石をめぐるケンカが絶えません。
傍らでライバルが鳴き始めると、石から払い落とそうと大げんかが始まります。
相手を組み伏せ押さえつけるように鳴嚢を膨らませ、弱者も降参したという目をしています。


笑うカジカガエル
 カジカガエルが積極的に鳴き始める夕暮れ時に、このオスは突然口をパクパクと
  動かし始めました。およそ1分以上もの間その不可解な動作は続き、笑ったよう
にも見える顔ですが、歓迎してくれていたかどうかは定かではありません。


絶対に退かんぞ!
カジカガエルのお気に入りの縄張りは渓流の石の上です。遠くから姿を見つけることは
出来ますが、近づくとすぐに水に飛び込み身を隠してしまいます。どうしても縄張りを
死守したかったのか、このオスはレンズを1センチまで近づけても動きませんでした。


何しに来た~~~!
オオサンショウウオは、両生類でありながら成体も水中で生活します。渓流を歩いて
いると1匹のオオサンショウウオに出会いました。カメラを向けると、採餌するわけ
でもなく「縄張りから出ていけ」と言わんばかりの大きな口を開けました。


見返り美人
ハコネサンショウウオは、比較的標高の高い山間渓流に生息しています。見る機会は
少ないのですが、繁殖期にメスの個体に出会うことが出来ました。お腹は卵で
膨らんでおり、メスらしく悩殺するような目でこちらを振り返りました。


早く外界が見たいなあ
  カスミサンショウウオは、幼体の時期には3対のエラにより水中で呼吸を行いますが、
 前肢に次いで後肢が発達しエラが消えると上陸し陸上生活となります。とても可愛い
オタマジャクシなので、なんとか正面顔を撮影してやろうと粘りました。