伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

県議選の投票結果に思うこと

2023年11月13日 | 選挙
 昨日の散歩ではほぼ野鳥は見られなかった。
 一昨日は風が強かったので仕方ないとして、今日は寒さが原因ではないだろうか。

 先だっては沿道のナラ類の林の中から、キョッ、キョッ(ケッ、ケッと聞こえるかもしれない)という声とコココッと何かを叩く音が聞こえたので、目を凝らしてみていた。

 すると、枝にしがみつき、皮を剥きながら餌を探すアカゲラが見えた。
 幸いこちらに気づかず、餌探しに夢中になっていた。




 ある日は見上げた空に猛禽類を見かけた。
 トビだろうか。




 いや何か様子が違うような・・。写真で分かったのは、これがノスリだということ。冬にやってくる季節の鳥だった。

 散歩ではないのだが、夕方に近い時間に大型の鳥が群れで飛んできた。




 サギなのだが、複数種じゃないかな。アオサギ・・それとダイサギかチュウサギか。
 これだけまとまって飛んでいるのはあまり見ない。

 さて、午後11時頃だろうか。県議選のいわき市選挙区の結果が確定していた。
 投票率は前回とほぼ変わらない。しかし、投票数は人口減のためなのか、3000弱減っているようだ。

 選挙の結果で前回と今回の当選者の推移を見てみると、
自民が 4名→3名、
公明が 2名→2名、
共産が 2名→1名、
立憲が 1名→1名、
維新が 0名→1名、
無所属が1名→2名となっている。
ただし、前回当選の無所属の1名は元社民党のベテラン議員だったが、今回、連合出身1名とれいわ新撰組推薦の1名に変わっている。それぞれ新人だ。

 自民は、国政への進出をにらんでのことだろうと観測されているが直前に現職が立候補を取りやめ、それに代わり新人が当選したものの、現職のベテラン議員が落選して1名の減になった。

 公明は、当選者2名と変わらないが、合計の得票が1万8,170票から1万5,942票と2,228票減らしている。一般的に組織票が固いとみられていることから考えれば、議席を維持していてもちょっと痛い結果になっているのではないだろうか。

 私が元所属していた共産は1名減となった。全県で見ても、いわき市の1議席減が響いて5人から4人となり、県議会の交渉会派の議席を維持できなかったようだ。いわき市区での得票合計は1万6,277票から1万3,206票と3,071票減らしている。

 また、前回国民民主で立候補した候補者が鞍替えして維新が初の1議席を獲得し、れいわ推薦も初の1議席を獲得したことがいわき市選挙区の結果の特徴と言えるだろうか。

 いわき市選挙区でのこれらの結果から何が見えるのか。

 自民の場合、現職の直前での立候補取りやめという特殊事情があった。岸田内閣の不人気が選挙に響いたこともあるだろうが、落選した現職が高齢で多選の議員だったことを考えると、世代交代の有権者の意思が働いた結果とも見える。

 公明は2名当選とは言え、得票減はショックな結果かもしれない。
 組織を持っている公明は選挙に強いと言われる。母体となっている創価学会員がつながっている支持者、フレンド票と言われるようだが、立候補する候補者にフレンド票を持つ運動員をはりつける形で選挙戦を進めると何かで読んだ記憶がある。立候補させる候補者の得票をほぼ同じに備え、もれなく当選できるからくりがそこにあるようだ。フレンド票が明確なことによって、おおよその獲得票を想定できるため、もてる力量を無駄なく発揮できるのだろう。

 しかしながら、今回特に整理して見ているわけではないが、市議選や県議選で公明の得票は減少傾向にあったと記憶している。事実とすれば退潮傾向にあるということになる。そこに再び得票減。今後も得票が続くとすれば、国政での自公連立にも影響を及ぼしかねないと考えるのは、私ばかりだろうか。

 共産はもっと深刻だろう。
 議席を1減らし、得票総数でも大きく減らした。
 いわき市の選挙区は全県でも重要な位置を占めていたと思う。共産としては初めて同一選挙区で複数議席を獲得した重要な選挙区だ。4人の市議団を維持し、県議選では2議席を獲得す。こうした地方選挙での結果が自信となって、衆院選挙の選挙区での野党共闘で共産党員候補で統一するよう強く主張できてきたのだろう。

 余談となるが、現在のいわき地区委員長は県から下ってきた人物で、衆院選挙区の予定候補とされている。背景には、前述のような事情があったのだろう。現地で候補者を出すことに困難があったことも事実だが、国政選挙で前進できる勢いがここにはあるとの判断が背後にあったことは容易に想像できる。

 この地区委員長は、私に対して嘘をつくことを地区常任委員会の会議で提案し検討させようとするなど、現職市議であった私が共産党という組織に愛想をつかし離党の原因を作った1人だった。

 この県議選で、強気に出る根拠の1つが崩れた。しかも、当選は77歳の現職4期で、若い64歳(あくまで比較的という話だが)の現職2期が落選した。世代交代という観点から見るならば、それにも失敗している状況にあるように見える。

 共産党の場合、候補者を複数とする場合には地域割りを行い、基本的に必要な得票をその地域での選挙運動で獲得するようにする。働きかける対象となる有権者数と、有権者に働きかける役割の党員、あるいは赤旗読者の数を加味して、選挙を闘う力を均等にするための措置だ。前回の選挙の結果も参考になることは言うまでもない。もっともこれは党側の都合で有権者がどの候補者を選択するかは自由であるわけだが。

 3回だろうか、4回だろうか、その間2議席を獲得してきた県議選いわき市選挙区の場合、今回の選挙でも2議席を獲得することは必須の課題だったと思う。ところが不思議な話を聞いた。前回、最下位当選だった現職2期の活動地域を狭め、現職4期の活動地域を厚くする措置をとったというのだ。

 一般的に考えて、最下位当選者の当選を図ろうとするなら、それまでの活動地域を広げて得票を増やす措置をとると思う。こうすることで得票を増やす条件が拡大するからだ。しかし、逆にこれを狭めた。これにどういう意図があったのだろう。一般的にこの措置からくみ取る意図は、高齢の現職4期の当選を確実にしたということだが、それは逆に2議席をあきらめたとしか見えないのだ。結果はその通りになった。

 共産は、地方で発生した問題ばかりでなく、中央委員会がらみの問題も発生している。共産の運営原則である民主集中制や自衛隊の活用論に対しての可否などで、SNSでは党員と思われるアカウントが党組織や現在の組織を擁護する党員アカウントを批判する事態がある。ずいぶんな時間が立つが一向に収まる気配はない。また、これらはマスコミでも批判的に取り上げられ記事になっている。

 こうした問題が今回の選挙にどう影響しているかは分からないし、今後の共産党にどう影響するかは分からないが、比較的若い議員ではなく高齢議員を優先して当選させた今回の選挙結果は、共産党の将来を暗くしているようにしか見えない。次に議席をつないでいくという観点から考えても、その人物に問題がないならば、順次若手にに活躍する機会を与えていくということが必要なように思うし、将来に向かって安定的に議席を獲得していこうとするなら、そいういう対応をしていく方が賢明だと思う。

 共産は今回の選挙結果をどう総括するのか。見る機会はないと思うが、楽しみな感がある。何となく予想される総括が、困難な状況の中で議席を1議席獲得したたたかいを活かして、来年の市議選での議席増と次期県議選での2議席獲得を果たす、そのためにも赤旗の130%増の達成で党大会を迎えようという趣旨の総括だ。そんな通り一遍の総括ではなく、実際の選挙戦に踏み込んで総括し教訓にすることこそ同党には求められていると思う。

 今回の選挙結果について朝日新聞は、「福島県議選、自民も立憲も共産も敗北 躍進したのは若手と無所属」と見出しをつけ、
自民が議席を31から29に、
立憲が11から10に、
共産が5から4に減らしたことや、高齢の現職議員の落選が目立ったとして「ベテラン議員を中心とした既成政党への有権者の不信が表れたかたち」と指摘する解説記事を書いた。なるほどと思う。

 いわき市選挙区でも、維新に鞍替えした元職の復活やれいわ推薦の新人議員の当選、また無所属でも若手新人が当選していることを見ると、同様の事態にあると思う。この記事は今の政治の在り方を考える時、非常に示唆に富んでいると思う。今日は休刊日なので、明日新聞を手に入れて、全文を読んでみたいと思う。


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2 コメント

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高齢議員が落選した (Unknown)
2023-11-17 13:30:23
といった選挙だったでしょうか。
共産党の落選の方はまだそこまでの年齢ではないようですが。

しかし、最年少の方の当選には正直驚きました。
福島民報にはれいわ推薦と書いてありましたが、福島民友にはただの無所属とあったので。
しかも、医師免許を持っていて、医師不足をなんとかしたいという訴え。
まずは自分がしっかりと職責を果たしてもらいたい(医師をやって!)と考えたところだったので、あの得票での当選は正直驚きました。
これも、「若さ」での当選だったのかなと。

そう考える時、これからは、若くて強い意思のある人にどんどん出てもらいたい、と強く思いました。

私ですか?
まだ50代ですは、そういう強い意思がないので。(残念)
いわゆる世代交代ですね (伊藤浩之)
2023-11-30 09:56:33
共産党の選挙は、若い方は落ちても構わないという戦略を当初から立てていたとしか考えられないので、論外かなと思います。

最年少の当選者の方は、聞いた話なのですが、
宣伝カーはれいわ新撰組のものを使っていたそうなのですが、
組織としてはそこまでの力はないと思うので、やはり訴えた内容が市民の感覚とピッタリきたのでしょうね。
活字にした物をみると、いろんなことが書かれていたのですが、
中心的にはいわきの医療問題だったので、その主張に期待が集まったということなのでしょう。
郵政民営化の是非だけを問うて解散・総選挙に出た小泉元首相の時の郵政選挙を思い出しますね。
地方選挙なのでマスコミの利用という展では違いがあるものの、劇場型だったのでしょう。
選挙前からたくさんの方と対話したと伝えられていることから、そういう地道な姿勢も評価されたのかもしれませんね。
ただ、いわきの医療を改革すると言っても、いわきの医療の中心は医療センターで市の組織ですし、県の段階でどんな取り組みをして、どんな成果を残すのか。これから問われることになるでしょうね。

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