伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

参院選期日前投票で一番乗り。午後に聞いた野党統一候補の水野さちこさんの訴えには強い共感を覚えました。

2019年07月05日 | 選挙
 朝、遠野支所に立ち寄ると、期日前投票の旗を上げようとしている。きょうから投票が始まるようだ。

 行った時点で、投票者がまだなく鍵が閉められないという。実はその意味を分かっていなかった。

 投票をしていくことにして、申請書を記入し、投票用紙を預かった。目に入った記入台に向かうと比例区の政党名とたくさんの指名を記入した紙が貼り出してある。あれ、選挙区の候補者は・・と少し疑問を持ちながら候補者名を書いていると、あれセカンドネームはどう書くんだっけ・・疑問に思ってきょろきょろすると、手前にもう1ヶ所の記入台がある。目に入った記入台に向かったが、実はその手前に選挙区用の記入台が用意されており、それが目に入らなかったのだ。いや、視野の端には写っていたのだが、ど真ん中で印象の強い記入台しか意識しなかったのだろう。


 あらためてセカンドネームを確認し記入、投票しようとすると、「ちょっと待って。1番目だから投票箱を確認してください」という。どうも最初の投票者が、投票箱の中が空っぽになっていることを確認し、蓋に鍵をかけて密閉した上で、投票をするという仕組みらしい。

 開票立会人になって、投票用紙を取り出し、空っぽになった投票箱の確認をしたことはあるが、一番最初の投票者として投票箱を確認したことはない。初体験をしたことになる。


 そんな初体験に戸惑いながら、選挙区は野党統一候補の水野さちこさん、比例区は共産党に投票した。共産党を離党したとは言え、間違いを自覚できない、あるいはその間違いを積極的に覆い隠すために行動し、それらの誤りをまともに反省もできない地区の幹部役員と県の一部幹部役員を信頼できないための離党であり、考え方が変わったわけでもない。おまけに、野党で勢いのある立憲民主党の比例候補には、福島は危険とあおってきたと批判される人物も入っているなど、ちょっとね、という思いもある。赤旗の記事でも、あれっと思う記事が載ることがあるけれども、福島は危険とあおる候補者はいないだろう。そう考えると比例区は共産党は妥当な判断となるだろう。

 なにはともあれ、その投票所の一番最初の投票者という貴重な体験を終えた。




 さて、午後にはJRいわき駅前で、水野さんが演説すると聞いていた。午後2時駅前に行ってみた。3年前、現職で野党統一候補として闘い、原発の安全神話にどっぷりつかっていた過去の姿勢を反省し、原発の再稼働反対を明確にして、見事現職大臣の自民党候補を破って当選した増子輝彦参院議員が、原発のない社会と家計第一の政治の実現を水野さんを参院に送って実現することを呼びかけた。


 水野候補は、県内を巡っていて、アベノミクスの恩恵を受けず、年金にも不安を感じる、ポイント還元するなら消費税は上げなくてもいいのでは、などの声を聞いてきたとして、国民の声に寄り添っていない安倍政権にノーを言わなければならないと主張した。






 また、震災・原発事故の不安の中で過ごした経験を持つ福島だからこそ、第二の福島を作らないために、原発ゼロの声を発信しなければならず、原発推進の安倍政権ノーを明確にすることは福島の役割だと強調した。

 その上で、国政に県民の声を伝えるために、私のこの声を1人でも多くの方が周りに伝えてほしいとし、「この地で生まれ、この地で育ち、この地で学び、この地で結婚し、この地で子育てし、この地で県議会議員をしてきた私だからこそ訴えられるものがある。『ならぬものはならぬ』としっかり伝えていきたい」と訴えをしめくくった。




 演説後、集まった人たちと本人が握手し、直接支援を訴えた。併せて運動員が候補者のビラを配布していた。
 


 略歴を見ると、保育士として勤務した経験があり、その後、フリーの司会者、コミュニティーラジオ局でのパーソナリティーを務めた経験があるのか。経歴から見ると、社会福祉への造詣があり、お話を的確に伝える力をあるようだ。駅前で分かりやすく伝えた演説も納得がいく。


 今回の選挙で安倍政権は、改憲を前面に出して選挙を闘おうとしているよに見える。争点そらしとの批判は強い。

 年金はマクロスライドで7兆円も削ることを前提にして、年金制度の存続を図る政策だ。共産党の志位委員長は「7兆円削れば年金額2万円下がって4万5,000円になる」と削らない年金制度の実現を訴えた。財源は、高額所得者の年金保険料を適正に引き上げすることなどで賄うことを訴えている。

 そもそも年金問題が参院選の争点に浮上した背景に、年金だけでは老後の生活をまかなえず、2,000万円の貯金が必要とした諮問機関の答申案が公表されたことにあった。2,000万円の貯蓄などとても無理。そんな年金制度で良いはずがない。2,000万円足りなくなる現実をどう改善するか。そこにこそ論点がある。安倍政権は、こうした問題をごまかそうとせずに、正々堂々と政策論争すべきだ。

 また、安倍首相が改憲を前面に出すのは、安保法制を憲法上でも合法とし、軍事面で国際貢献する日本、海外で自由に軍事行動をとれる日本になることを目指そうとするものにあることはまちがない。現憲法の下で、攻められたら守る、いわゆる個別的自衛権の発動としての専守防衛だけが認められていると自民党自らが課してたがを取り払い、集団的自衛権に道を開いた憲法解釈の上に強行した安保法制の違憲性を、改憲で払拭しようとするものだ。

 その背景には、米軍の一翼を担って米軍に貢献することにある。そのアメリカのトランプ大統領は、日米安保体制のもとでアメリカの負担が大きいと、さらなる日本の軍事貢献強化の圧力を日本にかける。お金の負担だけでなく、人的な貢献ももっと拡大せよと行ってくるのだろうな。それでいいのか・・。


 また、安倍首相の姿勢で気にかかっているのが、告示の前日に、日本記者クラブで開かれた党首討論会での安倍首相の発言だ。討論会で、クラブ側がイエス・ノーで挙手を求めた設問に手を上げなかった首相が、「単純化してショーみたいにするのはやめましょうよ」とクレームをつけた。「政策的に議論をしましょう」などと言ったようだ。

 でも、これっておかしいと思う。国民が選挙で選択する時には、様々な政策を総合的に判断するにしても、個別の政策についてはそれぞれの政党・候補者がイエスなのかノーなのかを知り、その積み上げで総合的に判断しているものと思う。イエス・ノーはなく、政策的議論が必要だという首相の主張は、結局、国民・有権者を煙にまこうという話にほかならないのだろう。

 考えてみれば、森友・加計学園問題にしても、煙にまいてきたのが安倍首相だった。肝心のことは煙にまき、言いたいことだけはべらべらと言い続ける。それにヤジでクレームをつけると、発言を聞けと一方的に押しまくり、一方、自分が気にくわない発言にはヤジを飛ばして押しつぶそうとする。委員会審議なども含めてこうした姿勢が重なるのを見ていると、思考の幼稚さみたいなものを感じてしまう。自分がありきで、それ以上でも、それ以下でもない人物。他者の意見を聞いてまじめに議論しようという気持ちなどなくもともともっておらず、自分の主張に一方的に従わせることのみを是とする思考のみの人なのだろうと、と思わざるをえない。これが一国の首相なのだろうか。


 それはともかく、こうした安倍政治をこれから続けさせない。その明確な結論を今度の選挙で出したいものだ。そのためには安倍政治と対峙する野党勢力が、どれだけ今度の選挙で参院勢力を獲得できるかがカギを握っていると思う。水野さんへのご支援を、そして比例台ひょせんきょでも、自民党政治ノーのためにどう判断するか考えて、ぜひ一票を投じていただくことを心からお願いしたい。


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