伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

襲われたツバメの巣

2021年04月16日 | 
 ツバメの巣が2つになったのは昨年のこと。リビングのすぐ外側の、エアコンのパイプの上には3年程前から巣がかけられ、もう1つの物置側の巣は、昨年かけられたものだ。

 ただツバメの子育ても大変だ。卵やヒナを狙う輩がいる。物置の屋根瓦の下にはスズメが巣をかけたらしく、昨年は巣の下に、卵の殻が落ちていた。無事にかえって殻だけ落とされたのか、何者かに卵を奪われたのか、そこは定かではないが、いずれにせよ、落ち着いて子育てできる環境ではないよう。

 一方、リビング側の巣は、最初の年に巣が襲われ、卵を何者かに食べられてしまい、繁殖は断念された。翌年は、ヒナガまだ小さい段階で襲われ、やはり断念された。さて3年目、やはり、巣が襲われた。しかし、卵を産む前だった。親鳥たちが巣の修復を始めた。

 その間に物置側の巣では卵が産み落とされ、ヒナ鳥が育ち巣立っていった。リビング側の巣には動きが見えなかった。繁殖は断念かと思って、数日すぎると、巣の壁の上に黒い影が見えた。ヒナ鳥がいたのだ。いつの間にか卵が産みつけられ、かえっていたのだ。親鳥たちがせわしなく餌を運び、しばらくして無事巣立っていった。

 さて、今年もリビング側のツバメが早くにやってきた。かいがいしく巣を修復し、繁殖の日を待っていた。玄関を開け放しておくと、ドアに止まり、屋内の様子をうかがいながら侵入し、家の中を飛び回ることがある。今日も、玄関先までやってきて、ドアの上で仲むつまじい様子を見せてくれていた。



 異変はその後におこった。
 昼過ぎ、リビングのガラスの向こうを、黒い大きな影が横切り、玄関の屋根の上に止まったように見えた。
 カラス!
 単語が頭をよぎり、玄関から飛び出した。
 すると、親ツバメ達が「ジジッ、ジジッ」とさえずり、カラスを追い払おうと飛び回っていた。私が飛び出したからかどうか、カラスは離れた電線に止まり、ツバメの威嚇に嫌気がさしたように飛び去った。

 これで安心と思っていた。
 ところが、しばらくして、リビングのガラスの外から「バリッ」と音が聞こえ、ガラス越しに黒い羽の一部が見えた。カラスが再び襲ってきたのだ。
 あわてて窓を開け放ったが、時既に遅し。飛び去ったカラスは、向かいの屋根瓦の上に移動して、何かをついばんだ後、巣の一部を放棄し、移動していった。





 戸外に出ると、ツバメが6羽ほど、巣を中心にしながらジジッと警告音を発しながら飛び交っていた。親鳥だけでなく、他のツバメもカラスの追い払いに協力しているようだ。

 カラスはハシブトガラスのようだ。ややして飛び去っていった。興奮して飛び交っていたツバメも、だんだん数が減り、最後には2羽・・巣の主の親鳥だけになったようだ。



 この襲撃で、巣のほぼ半分の壁が破壊された。屋根の上に放置された巣の一部を取り戻し、接着剤での修復を試みた。しかし、うまく接着しなかったようだ。できるだけ化学的な成分を残さないようにするため、木工用ボンドがいいだろうと考えた。しかし、この選択は間違っていたようだ。うまく接着しないので、支えになるものを探している間に親ツバメがやってきて、巣に止まったようだ。剥ぎ取られた巣の部分が落下し、こなごなに砕けていた。ここまで来ると、さすがに復元できない。

 今回の件で、これまで巣を襲撃していたのはカラスだったと分かった。襲撃の現場を直接見ていないので断言できないが、おそらくカラスは、エアコンの横ばいパイプの出っ張りに足を引っかけ、羽ばたくことでバランスを取りながら巣を噛み取っているものと思う。パイプ上という位置条件が、襲撃のたやすさという条件になっていると思われる。

 来シーズンに向けては、巣の位置を移動できるように何かの方策を考えてやりたい。しかし、今年、あまり手を出すと、ツバメも警戒してしまうだろう。巣を再建して、何とか繁殖を成功させて欲しいものだ。


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