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テレビっ子のひとり突っ込み

『風中の縁』 あらすじ・感想(ネタバレ注意!)

2020-11-10 01:55:03 | 中国ドラマ

◆おススメ度
★★★☆☆


◆キャスト
・辛月:リウ・シーシー
・衛無忌:エディ・ポン
・九爺:フー・ゴー
・胡偉立:チン・ハオ


リウ・シーシーは、言わずと知れた「宮廷女官若㬢」の若㬢、「女医明妃伝」の允賢などなど、どのドラマでも頭がよく機転が利き、ちょい型破りな娘、って感じのヒロイン。このドラマでも似たような役柄です。

相手役のエディ・ポンは、私的にはこのドラマが初見な人です。ちょっと佐藤浩市の息子の寛一郎って俳優さんに似てる気がする。

フー・ゴーは、「琅邪榜」の人です。若い頃の画像検索すると、ちょっと横浜流星テイストなイケメンですが、事故ってケガして顔が変わったのか年を重ねたせいか、ちょい口元なのか顔の骨格なのかが萩原健一を思い出させる感じ。

※若い頃のフー・ゴー

他、けっこう女医明妃伝とキャストが被ってる人が多いです。

あと、びっくりなことに、砂漠の踊り子としてちょい役でディリラバが出てた。

李佶役をやってた人、「独弧伽羅」の宇文邕やってた人かと思ったら全然違う人でした。ハン・ドンっていう役者さんで、「宮廷女官若㬢」の何番目だかの皇子役の人。(むしろそっちも同一人物かと思ってた。「独弧伽羅」の宇文邕は、イン・ハオミンって人。年齢が全然違うみたいです。)


◆ちょっとしたあらすじ&感想
うーん、このドラマ、私的にはとりあえずテンションの上がるようなイケメンが出ていないのが残念でしたが、ドラマのストーリーとしては、主人公の生い立ちが斬新すぎて面白かった。後半は登場人物が多くなって、人間関係と、国とかの対立関係が複雑で難しくなってくるので、微妙に中だるみして全部見終わるのに時間がかかってしまいましたが。


まず、物語のヒロインの辛月(シンユエ)は、幼少期にオオカミに育てられていたっていう・・・。

中国ドラマでもそんな設定あるんだ!っていうのにちょっと驚きです。
(幼少期にオオカミに育てられた子供って、警戒心が強かったり、フツウの人間の食べ物が合わないとかで、結局長生きできないっていうのが定番だったりしますが、このヒロインはちゃんと生き続けるので安心してみれます。)
で、オオカミの登場シーンがちょいちょいあるんだけども、やっぱりというかなんというか、オオカミは明らかに飼いならされたシベリアンハスキー・・・。(ひょっとして、シベリアンハスキーって中国人にはあまり馴染みがないのかな?うーんでもたしかに私も「動物のお医者さん」を知らなければわからなかったかも???)

でも、途中でちゃんとした人に拾われて(回想シーン見ると、けっこうひどい勢いで捕獲されているけども)人間の言葉とお作法なんかも教育してもらって、人間界で生きていけるくらいちゃんとした娘に育てられました。

でも、養父は砂漠の国の王室的な権力争いに巻き込まれて亡くなってしまいます。

で、また人間関係に嫌気がさしてしまった辛月は、そういういざこざから逃げるように、再び砂漠でオオカミと暮らしていたところ、二人の男と出会います。
一人は落ち着いた優しい商人の九爺(きゅうや)。そしてもう一人は、情熱的で勇ましい衛無忌(えいぶき)。

二人に出会ったことがきっかけで、そろそろまた人と関わって生きてみる頃かなと思った辛月は、南朝の都である建安に行く。

都に行ったはいいけども、なんだかんだ持ち金が底をつき、困った辛月は砂漠で助けた衛無忌に助けを求めようと捜し歩く。しかし、衛無忌が辛月に商人だと身分を偽っていたため見つからず、さまよううちに、落玉坊へたどり着く。

そこで芸妓として働くことになった辛月だったが、実は落玉坊は砂漠で出会ったもう一人の男、九爺の管轄下にあった。
思いがけず九爺と再会し、建安で一番の富と影響力を持つ石舫の頭領九爺の庇護の元、持ち前の頭の良さと機転で、落玉坊を切り盛りし繁盛させていく辛月。
そうして辛月は、いつしか九爺に惹かれ、恋をする。さりげなく恋心を九爺に伝えようとする辛月だが、さらりと九爺に交わされてしまう。
(この辺、明らかに九爺も辛月に好意を抱いているように見えるのに、なかなか思いが通じ合わない二人が見ていてもどかしくなります。)

一方、砂漠で一目ぼれした辛月に再会した衛無忌は、辛月にストレートに好意を伝えグイグイ迫るも、いつもつれない態度の辛月。(まぁ、辛月は九爺に夢中ですからねー。)

そんな中で、辛月たちに怪しい雰囲気で近づく楽師の兄妹。色々な大人の事情で辛月はその兄妹を落玉坊に住まわせることにしたが、妹の秦湘の後宮入りしたいという希望を叶えるため、仕方なく辛月は皇帝の姉を伯母に持つ衛無忌の協力を経て、秦湘を皇帝の側室にすることに成功する。が、秦湘には親を殺された復讐をするという更なる野望があることを聞かされてしまう。(ちょっとこの辺の理解が曖昧。秦湘は親を誰に殺されて、何をすれば復讐を遂げられると思っていたかっていうところが・・・。)

辛月は、何度か九爺に好意を伝えるものの、毎度気付かないふりをされたり、流されたりすることに耐えられなくなり、最後の告白に及ぶが、結局受け入れてもらうことができず、傷心のまま建安を去る決意をする。
あてもなく砂漠へ向かった辛月は、同じく砂漠の南山へと出兵する衛無忌に見つかり、男装させられ軍へと連れていかれる。
砂漠の地理に詳しい辛月は、結局、衛無忌と共に羯族(けつぞく)との戦いに出かける。

しかし、ここでまた辛月の知られざる過去が複雑に絡んできたりします。
辛月をオオカミから引き離し、人間として育ててくれた父は、羯族(けつぞく)の王に仕える臣下で、辛月は、羯族(けつぞく)の皇子たちと少女時代を過ごしていた。
しかし、胡偉立(こいりつ)のクーデターにより父は殺され、また当時辛月が慕っていた皇子もまた殺されてしまう。胡偉立は、当時、辛月に想いを寄せており、今でも亡くなった(と思っている)辛月を忘れられないでいた。

そんな背景を抱え、砂漠の戦いで死んだと思っていた辛月に再会した胡偉立は、愛する辛月を取り戻そうと衛無忌と戦うも、大敗を喫する。

砂漠で色々あって、ずーっと衛無忌からの愛情を受け続けているうちに、九爺との傷も癒えてきて、なんだかんだほだされて、衛無忌と情を交わしてしまう辛月。それに流されるまま、結婚の約束をする。

砂漠での戦いを終え、衛無忌と辛月は幸せいっぱいな感じで建安に帰るが、辛月を必死で探していた九爺と再会し、気まずい思いをする。
九爺は、足が不自由なこと、自分が早死にの家系で子を授かったとしても長くは生きられないだろうこと、自分が羯族と南朝の皇室両方の血を引く複雑な立場偉あることなどから、辛月を拒絶してしまったことを後悔し、辛月に改めてプロポーズする。
辛月は、そんな九爺と衛無忌の間で激しく揺れるが、衛無忌と情を交わしてしまったために、九爺への想いに応えることができず辛い思いをする。

また、皇帝の最愛の妻となった秦湘は皇子を産むが、皇帝の寵愛を受け力を付けてきた衛無忌の勢力が邪魔になり、辛月と衛無忌が一緒になれないよう画策したりと、色々な邪魔をしてくる。更には血縁だった皇后までもが辛月と衛無忌の敵となり、命を狙うようになる。

最終的に、九爺は辛月が幸せならそれでいいと衛無忌との幸せを応援し、なんやかんやあって毒矢で射られた衛無忌を自分の体で毒と解毒を試すことで衛無忌を救う。
ボロボロの体になりながら、辛月の幸せを願って九爺は一人砂漠へと旅立ち、衛無忌と辛月は左遷された地で、死を装うことで南朝との縁を切り、子供と三人で生きる決意をする。


冒頭にも書きましたが辛月の生い立ちが複雑で、結局胡偉立(こいりつ)と殺された養父と、もう一人辛月が一緒の馬で逃げた皇子(?)たちの関係が私の中での理解としてちょっと曖昧なまま・・・。

辛月がまだ妊娠に気づかず、やたらお腹が空いてそれに衛無忌が呆れる場面(場所は寝室で、じゃれあいながらのシーン)があるんですが、そこで、
「お前はほんと、食べるのが得意だなー」的なことを衛無忌に言われ、
「そうよ、食べるだけではなく、飲むのもね。また飲みたいわ、キノコ汁。」
って言いながら辛月がにやにやしていて、え!?これ、ちょっと下品でアダルティーな会話じゃない?って驚いちゃいました。
(ちょっと会話の詳細は違うかもですが、ニュアンスはだいたい合ってるかと。)

秦湘は、多分他の視聴者にとっても最初から最後までけっこう嫌な女なんですが、辛月が秦湘に恐れを抱きつつも友情的な感情も持ち合わせていて、最後まで秦湘の秘密を衛無忌にさえ言わずにいるのがどうしても消化できなかった。
皇帝を骨抜きにしといて、陰で李佶を転がしてっていう・・・。李佶とコソコソ会っている場面で、何度早く見つかってしまえと思ったことか。

衛無忌は自由奔放で明るい性格なのに対し、九爺は見るからに陰をしょってる感じだからか、後半はついつい九爺を応援したくなりました。衛無忌は、なんとなく辛月を逃してもまた他の幸せを見つけられそうというか。いや、ちゃんと辛月に出会ってからは辛月一筋ではあるんだけどね。

九爺が最後のお別れの場面で、寝ている辛月にそっとキスする場面が切なかった。
(ただ、画ヅラ的にその隣に衛無忌も寝ているっていう有り得ない感じでもあるんだけども。)

どーでもいいけど、後半ちょいちょい挟まれる挿入歌、小林幸子が歌ってるように聞こえる・・・。

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