新たなプロジェクトの下、後藤真希がついに動き出した。しかし、再び我々の前に姿を現わした彼女には、以前と何も変わっていない部分と同時に、我々の想像をはるかに超える大きな変革があった ── 。
“好きなことで、生きていく” 女の子を応援するプロジェクト、「SWEET BLACK」。最初に断っておくと、このプロジェクトの主役は決して後藤真希ではない。“自分に正直に生きていく” “自分の幸せは、自分で決める” “好きなことで、生きていく” という気持ちとともに今を生きる女性ひとりひとりこそが、このプロジェクトの主役。後藤真希や、彼女が今回コラボレーションした短編小説「マンボ」を執筆した金原ひとみは、そんな女の子たちを応援する役目を担っているとともに、彼女たちもまた、ポジティブ(=SWEET)な希望と、ネガティブ(=BLACK)な本音が共存しつつも “自分に素直に生きたい” 女の子たちのひとりである。
『mixiをベースとして、音楽、小説、J-WAVEのラジオ番組など様々な展開をはかっていく「SWEET BLACK」プロジェクトに、後藤真希が「SWEET BLACK feat. MAKI GOTO」名義で参加し、楽曲「Fly away」を配信する』というのは、以前BARKSでもお伝えしたとおり。同楽曲はすでに1月21日より着うた(R)配信が開始されており、同時にYouTubeの「avexnetwork's Channel」では、楽曲のPV映像もフルサイズで公開されている。
「Fly away」の作曲・アレンジを手がけたのは、倖田來未やBoA、Crystal Kayなどに楽曲を提供している新進気鋭のクリエイター、HIRO。そして作詞を担当したのは、後藤真希本人。攻撃的なビートのA、Bメロ(=Black)とメロウなサビ(=SWEET)が共存するこのR&Bテイストのダンスチューンに、小説「マンボ」に出てくる“妄想しながら現実社会でのバランスを取っていく女性”からインスパイアされた言葉を乗せた後藤。あえて書くまでもないかもしれないが、小説を受けての作詞だからといって、“妄想”と“現実” というテーマで彼女が並べた言葉たちはフィクションである、というわけではないだろう。“好きなものほど妄想する一方で、好きなものほど冷静になれる” “望みすぎているわけじゃない、普通でいたい、ただそれだけ” というメッセージやフレーズ。それは少なくとも、この小説と後藤真希の内面がシンクロすることで湧き上がってきた、23歳の彼女のリアルな感情でもあるはずだ。
そして今回の楽曲、プリプロダクションからトラックダウンという曲の制作過程の最初から最後まで彼女は関わった。これは彼女がデビュー10年目にして初めてのことだという。
また、ベッドの上で目隠しされ怯えている姿と、深夜の街で激しくダンスする姿を映した「Fly away」のミュージックビデオ。このアイディアは、中島美嘉や倖田來未、安室奈美恵など、数多くのアーティストのミュージックビデオを手がけた川村ケンスケ監督と後藤真希自身によるものだ。楽曲や小説で描かれている “現実” と “妄想” を映像化しているこの作品の撮影は、2008年のクリスマスに早朝から深夜までかかって行なわれた。
この「Fly away」の制作段階からの後藤真希を記録した、オフィシャルサイトほかで公開中のWeb番組「Unrecorded」にも触れておきたい。この動画に映し出されているのは、酔っ払ってごきげんな後藤真希、楽曲の打ち合わせで自分の表現したいことを意見する後藤真希、ひたむきにレッスンに明け暮れる後藤真希、悩みながら歌詞を何度も書き直す後藤真希…。ここまでリアルな後藤真希を克明に映した動画というのも、10年目にして初めてだろう。当たり前のことだが、“23歳の彼女もまた、「後藤真希」という存在である以前に、同年代の女の子となんら変わらない普通の女の子なんだ” と、改めて思うはずだ。
ところで、mixiの「SWEET BLACK」プロジェクトのページで掲載されているインタビューの中に、実に後藤真希らしい発言があった。“憂鬱=快感” というコンセプトの小説「マンボ」に関連して、「ネガティブな妄想」について訊いたときのコメントである。紹介しよう。
<(逆に、)ネガティブなことを妄想してどんどん落ちて行くってことはない。逆に笑えちゃう(笑)。落ち込んだ時は放心状態なんですよ、なんも考えてないみたいな。>
同年代の女の子と後藤真希との違いがあるとするならば、このフレーズ。ネガティブなことを考えて内に内に入ってしまうのではなく、そんな自分の状態を見て、思わず笑ってしまう。これこそが “後藤真希らしい後藤真希の姿” であり、同時に(本人が自覚しているかどうかは定かではないが) “後藤真希の持つ強さ” にほかならない。芸能界を辞めようかとまで思ったという彼女が、それでも輝きを失うことなく、再度、我々の前に姿を現わしてくれたのは、 “いつまでも後藤真希を待ち続けよう” というファンの気持ち、そしてその声に応えんとする彼女の責任感、使命感の高さはもちろんのこと、“好きなうたで、いきていく” という彼女の決意、そして彼女が持つ “しなやかな強さ” によるところが大きいはずだ。
さて、最後に告知をひとつ。1月28日に公開された「Unrecorded」第2回の映像の中で行なわれていたスチール撮影。この自然の中で撮影された写真の中から数カットを、来週、BARKSで完全独占公開したいと思う。
新曲「Fly away」、そして今後順次公開されていく映像、画像。今の後藤真希をさまざまな方向から感じ取ってみてほしい。そこには、巷の23歳の女の子と何ら変わらない、しかし新しい後藤真希の素顔があるはずだ。
(livedoor)
http://rhythmzone.net/maki/index.html(後藤真希オフィシャルサイト)