面影

日々の中で心に感じたことを綴ってゆきたい

太陽と月のコラボ

2009年01月01日 13時24分35秒 | Weblog

 宇宙に無数にある星々の中で、最も親しまれているのは太陽と月だろう。地球に恵みをもたらす太陽と、人類が地球以外で初めて降り立った天体の月。どちらも身近な存在だが、実は未解明の謎も多い。今年は日本で46年ぶりに皆既日食が訪れる。国産衛星による最新の観測成果や、米アポロ計画で月面着陸を果たした飛行士の証言を交えて、2つの天体を見つめてみよう。

 輝く太陽が完全に欠け尽くし、ほの暗い天空に光の王冠を思わせる神秘的なコロナが浮かぶ-。今世紀最長の皆既日食が7月22日に、鹿児島県のトカラ列島など東シナ海の島々で観測される。部分日食なら日本全国で眺められる。太陽と月のコラボレーション(共演)による天文現象の概要と見どころを紹介しよう。

 ◆継続最長はトカラ

 月は地球の周囲を、地球は太陽の周囲を公転している。そのため、地上から見上げると、手前に位置する月に太陽が遮られて隠れてしまうことがある。これが日食だ。

 比較的多く起きるのが月と太陽の中心が重ならず、太陽の一部だけが欠けて見える部分日食。これに対して、太陽が完全に隠れる皆既日食や太陽の縁が輪のように見える金環日食では、両者の中心が重なっている。

 7月の場合、国内の大半の場所で観測されるのは、部分日食だが、鹿児島県の種子島南部、屋久島、トカラ列島、奄美大島北部などは皆既日食帯に入る。

 皆既の継続時間が最も長いのはトカラ列島の悪石島で6分25秒も続く。

◆「不思議な世界」

 皆既日食は視覚だけでなく、肌でも感じられるものらしい。2006年3月にトルコで皆既日食を観測した国立天文台天文情報センターの片山真人助教によると「次第に空が暗くなり、気温が下がって肌寒くなる。やがて太陽が黒く染まり、あたりも真っ暗に。遠くの空は夕焼けのように赤く、この世のものとは思えない不思議な世界が広がる」という。

 太陽の外層には100万度以上の大気のコロナがある。普段は太陽の輝きに隠されているが、皆既日食のときだけ肉眼で見える。

 片山さんは「黒い球の周囲に白っぽいコロナが放射状に広がり、実に荘厳な眺めだった。最大の見どころです」と振り返る。

 2番目の見どころは「ダイヤモンドリング」だ。皆既日食が終わると、太陽光が1カ所から漏れ、強く輝く。この光を宝石のダイヤモンドに、コロナを指輪に見立ててこう呼ばれる。

 楽しみはほかにもある。普段は夜しか見えない星の日中観賞だ。日食中は空が暗いので、金星が目視できるほか、オリオン座やおおいぬ座など、夏は日中に天に昇っている冬の星座も観察できる。

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 皆既日食は、そのまま見ても大丈夫だが、部分日食は太陽光が強いので、肉眼では危険だ。

 安全に観察するには減光フィルムが張られた「日食メガネ」を使えばよいそうだ。ネットなどで300円前後で販売されている。

 片山さんは「日本は国土が狭いので日食観察の機会は少ない。晴天を期待しています」と話す。次の皆既日食は、北陸や北関東で、26年後のことになる。
(MSN)