りたいあまん

リタイア後どうしたら充実した人生を送れるか。日々模索しています。

残酷な余命宣告

2018年09月18日 | 日記
 吉村昭という作家は幼い頃、九男一女という多くの兄弟の中で育った人です。
ところが姉を病で失い、兄は戦死、母と三兄は癌死するという宿命でした。
自分自身も肺疾患で肋骨を五本切除したという。いはば「死」がいつも身近に
あった人でした。
さらに二才違いの弟が癌に侵され、余命宣告を受ける。その一年にわたる壮絶な
病との闘いを描いたのがこの「冷たい夏、熱い夏」という本です。
吉村は本人に癌であることを告げない覚悟で最後まで秘密を守り通したのです。
癌を告知すべきか否かという事が問題視されたのはこの本が出た頃ではなかった
かと思います。

 さて話は変わって現代の事件になります。
ウエブ・ニュースを見ていて「余命半年。逆走事故」という見出しが目にとまり
ました。新聞には載らないような小さな出来事がウェブだと何故かよく目に入る
ようですね。
今年の四月。余命宣告を受けた男性が鹿児島から福島までドライブに出た。
福島に住んでいる義弟に「最後の挨拶をしに」行ったという。ところが帰り道に
高速を逆走して事故を起こしてしまった。双方とも怪我だけで済んだという。
ちなみに、この人は飲酒をし、車は車検切れ、自賠責も入ってなかったとのこと。
 
 「もしもあなたが余命宣告を受けたら何をしたいですか?」とはよく言われる
ことです。
「機器につながれていたくない」「誰かの役にたつ」「保険金を家族に残す」
などなどが一般的な回答例だそうです。
私なら、やはり車の運転に未練があるので北海道から九州までの長距離ドライブ
に出かけたいかも。
ただし、飲酒はしない、保険は自賠も任意もしっり入っておく。そのうえ高速
道路の運転方法に習熟しておくこと。などの条件を果たしておいてからです。

余談ですが。
この事件は裁判にかけられたそうですが、判決は執行猶予付きの
懲役(7か月?)刑とのこと。
余命いくばくも無い犯人に裁判長はどんな思いで刑を宣告したのでしょうか。