現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:誰が日本で最初の女性総理になるか:第3回(フィクション)

2016-08-09 09:04:20 | 日記

「私には誰にも負けない地方とのパイプと人脈があるの」

 野田聖子は自分の支持者にこう漏らした。

「野田先生、それ自慢になりませんよ。石破先生も石原伸晃先生も地方とのパイプを売りにしていますからね」

 昔からの支持者が心配そうにこう言う。

「野田聖子先生、内政はおそらく先生の右に出るものはいないでしょう。男性議員も含めてね。だしかし、総理大臣には外交の手腕も必要とされませんからねえ」

 違うベテランの支持者が自分の意見を言う。

「私、外交も強いのよ。知らないの」

 野田聖子は自信を持ってこう言う。

「国民がそれを認識していますかねえ」

 この言葉に野田聖子は言葉が返せない。

「うーん」

 と天をあおぐ。

「総理になるにはうねるような国民の声がないと」

 違うベテランの支持者が自分の思いを言った。