現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第91回:フィクション

2017-01-15 05:31:23 | 日記

「Nさん、今日15日の読売新聞に『豊洲72か所で有害物質ベンゼン基準の79倍』と出ている。Nさんの言ったとおりになった。豊洲移転はNさんの言うとおり白紙撤回した方がいいのかな」

「おれは最初からそう思っている」

「こんな場所で売買された魚は安心して食えないよなあ」

「そういう事」

「だったらどの場所がいいの」

「晴海はどうだい」

「うーん」

 Nとその仲間は必至である。

「恐ろしいのは発がん性物質が検出された時だ」

 Nはため息をつく。

「いくら小池都知事でも荷が重い」

「あの人ならできる」

 Nは仲間を見つめた。