現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第90回:フィクション

2017-01-14 08:42:33 | 日記

「Nさん、もしエリートが都知事をやっていたらどうなったろうか」

 Nの仲間がNに真剣にこう尋ねた。

「周りと強調して当たり障りのない都政を施して自分の将来に備えるだろうね」

「それじゃ、都民のためにならない」

「だから小池百合子は凄いのだ。無意識のうちに『これはダメだ』こう思ったら改革しようとする。これはだれでもできる事ではない」

 Nは小池百合子の政治家としても才能を分析する。

「それでもよく言わない評論家がいるもんねえ」

「後ろに政治団体がついているのでは」

「それはありうる」

 みんな黙ってしまった。

Nがまた口を開いた。

「それにしても石原慎太郎都知事には豊洲移転の説明責任を果たして欲しいな」

 この言葉に、

「出てこなきゃあだめだ」

 みんなこう言うのだった。