さくらちる富士がまつしろ(東京をうたふ)
ちよいちよい富士がのぞいてまつしろ
松並木あざやかな富士をまともに行く
松並木がなくなると富士をまともに
朝の富士は白いあたまの春の雲
とほく富士をおいて桜まんかい
花ぐもりの富士が見えたりかくれたり
ひよいと月が出てゐた富士のむかうから
松の木あざやかに富士の全貌
捨てゝある扇子をひらけば不二の山