海みれば暢ぶ思ひ今日も子を連れて
少し酔へり物思ひをれば夕焼けぬ
土のほとぼり身にしみて思ひ遠きかな
ふと思ひ出の水音かげり
夕立つや思ひつめてゐる
雪が霙となり思ひうかべてゐる顔
十二月八日夜強震あり
思ひつかれて帰る夜の大地震へり
思ひはぐるゝ星月夜森の心澄む
思ひ果てなし日ねもす障子鳴る悲し
食後倚る卓子が来れば冷かな思ひ