(蓮生寺に参。是は次郎直実発心して造りし寺とかや。
蓮生・敦盛並て墓の立るも又哀也。皆一睡の夢にして、
かくいふ我も則幻ならん)
陽炎やむつましげなるつかと塚
(みどり子の二十七日の墓)
陽炎や目につきまとふわらひ顔
嗅(かい)で見てよしにする也猫の恋
蚊いぶしもなぐさみになるひとり哉
界隈のなまけ所や木下闇(こしたやみ)
かけ金の真赤に錆て寒哉
欠鍋(かけなべ)も旭さす也是も春