つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

ビーナスラインにて

2022-07-28 15:41:00 | 晴れた日は仕事を休んで

前回の投稿からあっという間に1か月。

早いもんですな。時が経つのは。

この1か月、ぼくは神奈川県の道の駅に続いて栃木県→群馬県の一部→茨城県の一部と道の駅を巡り続けている。

スタンプ帳にも順調にスタンプが溜まってきた。

そして、先週末。

これまで雨天順延を続けてきたビーナスラインを〇津〇男(仮名。以下「大津」)と2日間かけて走ってきた。

道の駅美ヶ原高原はあいにく雲の中で絶景は望めなかったけれど、それ以外は快晴で(ただし、標高が1500mを超えたあたりからは寒い)、ぼくらは真夏の信州を満喫してきた。こんな感じだ。






お見合いの終わった愛車ボルティと大津のGB350も仲睦まじい。




大津のライディングは落ち着いていて、安心そのもの。

僕のミラーにときおり映る、カーブを抜けて来る大津の姿は綺麗なリーン・ウィズだった。

 

初日、美ヶ原高原から下界の諏訪湖まで一気に下りおりてきて、いきあたりばったりで今夜の宿を探そうとしたらことごとく満室。

おーい、みんな。外出自粛はどうした?

 

ようやくホテルルートイン諏訪インターにチェックインして、夜は近所のホルモン屋に繰り出した。

アルバイトの女の子は二人ともとても可愛くて、料理はすこぶる旨く、大津はしこたま日本酒を飲み続けた。

大津とぼくは三郷幼稚園~東栄小学校~東中学校~旭野高校と実に15年間も同じ幼稚園・学校に通っていたのだけれど、同じクラスになったことは遂に一度もなかった。

ぎりぎりの距離を取りながら平行して走り続けてきた二人の中年男の人生が、それぞれのオートバイに乗って、真夏の信州路を並走し、前後し、交差して、今はホルモン焼き屋のテーブルで飲んだくれている。

吉田拓郎さんに歌にしてほしいような風景だ。

 

日本酒を7合飲んでべろべろになった大津は、

「今日の道を走るのはやっぱりバイクだよな。車じゃないよな」

とホルモン焼き屋で3回繰り返した。

同感だ。

なぜ、夏のビーナスライン(に限らないが)を走るのには車でじゃなくバイクじゃないとダメなんだろう? 少なくともぼくらにとっては。

それはきっと、この世の乗り物の中で唯一バイクだけが、移動とともに刻一刻と変化する大地と風と太陽を全身で感じることができる乗り物だからだろう。

車とか電車とか飛行機には「出発地」と「目的地」と「車内」の3つの空間だけしかない。車や電車や飛行機はバイクより遥かに早くて快適で便利な移動手段ではあるけれど、コンマ1秒ごとに変化し続ける風の強さ、土地の匂いを感じられない。

「ある場所から別の場所に移動する過程で、変化し続ける空気や土の匂い、木々の香りや風を全身で感じて、自分の身体にふんだんに取り込むことこそが旅なのだ」と信じているぼくや大津のようなアナログ人間にとって、「ビーナスラインは車で走ってはいけない」という結論は旅の根幹にかかわるルールのようなものだ。

 

2日目は映画「君の名は」のシーンのモデルとして有名になった立石公園から高ボッチ高原に回るはずが、土砂崩れで高ボッチ高原への道は通行止め。

まぁ、仕方ない。ツーリングに予測不能なトラブルはつきものだ。




こちらは立石公園。カップルの後ろ姿はどんな場所でも絵になると思う。

 

岡谷市まで戻って昼食を取り、大津とはここで別れて彼は名古屋に、ぼくは東京に。

一人で走り始めたとたんに、何とも言えない違和感というか不安感に襲われる。寂しいのか、俺?

いや違う。

そういうんじゃなくて、なんというか、こう、なんか忘れ物でもしたような・・・

バイクを路肩に停めて背負っていたリュックの中を確かめてみる。

ない!

命の次の次の次の次の次の次の次の次くらいに大切と言えないこともない道の駅スタンプ帳がない!

昼食を食べた店でリュックから取り出して東京への帰り道に立ち寄れそうな山梨県の道の駅を確認したことは覚えている。

さてはあの店に忘れて来たか!

店に引き返して「道の駅のスタンプ帳、忘れてなかったですか?」と聞いてみるも、初老の店主は「いや、お忘れ物はありませんでしたよ」と一言。

そんな馬鹿なとクラクラしながらバイクを停めた場所まで戻ろうと歩道を歩いていると。

ん?



なんだ、あれ?



あれーーーー?



 

なんでぼくの道の駅スタンプ帳がこんなとこに落ちてるんだ?

いつのまに?

誰の仕業だ?

甲斐の国、武田の手の者か?忍びか?謙信を、謙信を呼べーい!

と馬鹿なボケをかましているけど、お店まで戻って「店にはない」と言われたときはこの2ヶ月くらいのツーリングが無に帰したと思ったわ。マヂで。

道の駅のスタンプ帳も戻ってきたところで、小淵沢、南きよさと、韮崎、甲斐大和と4カ所の道の駅を周って帰宅。

家に着いたのは大河ドラマも終わった21時だった。

 

さて。

来週は8月3日から少し早めの夏休みを頂いて東北から北海道を巡るソロツーリングだ。

予定走行距離4082.4km。

尻の皮がもつかな。



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2 コメント

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Unknown (中山達樹)
2022-07-28 20:25:04
大津さん日本人じゃないですよね?
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Unknown (平岩利文)
2022-07-28 20:38:25
バリバリの生粋の日本人です。高校、大学とラグビー。今はマラソンとバイク。スポーツ万能なとこは達ちゃんに似てますね。
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