今更ながらのレビューシリーズ第4弾。
2013年12月20日(金)
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー
これは凄いです。100点。
今年(というか2013年、ね)観た映画の中では文句なくベスト1。
始まって5分で既に肩凝ってました。スクリーンに圧倒されて手に力入りすぎて。
「宇宙からの生還もの」としては、トム・ハンクス主演の「アポロ13」が秀作ですが、「ゼロ・グラビティ」は「アポロ13」を遥かに超えた出来だと思うな。
出演者はジョージ・クルーニーとサンドラ・ブロックの2人だけ。俳優に払う出演料を抑えた分を特撮に回したのかな?
「アポロ13」では無重力空間シーンの撮影に金がかかり過ぎるからか、やたら地上シーン(NASAの管制室とか、宇宙飛行士たちの家族とか)が多くて、それはそれでよくできたドラマに仕上がってたけど、やっぱり、「宇宙モノ」というからには圧倒的な宇宙空間にシーンとか観たいじゃん?
「ゼロ・グラビティ」はこの点、バッチリ。
そのくせ、サンドラ・ブロック演じる宇宙飛行士(兼科学者)の人間ドラマというか心の弱さとかもちゃんと描き出されてるし。
ラスト。地球に生還して水中に突っ込んだサンドラ・ブロックの目の前を一匹の蛙が泳いでいるシーンにも唸らされました。この一匹の蛙で、サンドラ・ブロックが突っ込んだ水中は「海」じゃないってことが分かるし。
私の個人的な嗜好ですが、こういう小技をチラッと見せつけられると、作り手のセンスの良さというか、お茶目心にクラッと来ます。
顧問先のN社長(毎晩、TSUTAYAでDVDを借りてきて1年365日映画を観ているツワモノ)が、
「ジョージ・クルーニーはいい役者だけど、奴の出ている映画でいいものはない。」
と断言しておられましたが、N社長。騙されたと思って「ゼロ・グラビティ」、借りてみてください。顧問弁護士の助言は聞くもんですぜ。