つれづれなるままに弁護士(ネクスト法律事務所)

それは、普段なかなか聞けない、弁護士の本音の独り言

こだわらない男

2013-10-25 10:02:19 | 日記

先日、顧問先のN社長から、「先生はホンマに物にこだわらへん男やねぇ」と関西弁で言われました。

 

そう。以前のブログに「TDLには行かない」とか「JALには乗らない」とか「安楽亭では食べない」とか書いたけど、私は物にはこだわらない男。車も家も服も食べるものも。

車はエスティマに乗っている。でも、これがアルファードでもBOXYでもベンツでもBMWでもシビックでも一向に構いません。

家はヘーベルハウスだけど、ミサワホームでもパナホームでもトヨタホームでも地元の●●工務店だったとしてもまったく無問題。数年前、たまたま住み替え先の中古住宅を探していたら近所にヘーベルハウスの中古住宅が売りに出ていたのでそれを購入。「我が家がヘーベルハウスである理由」はただそれだけ。

自宅は練馬。しかし、是が非でも練馬に住みたいと思っているわけではなく、そう思ったことも一度もなく、10年くらい前に、当時の私の収入で購入可能な物件を探していたらそれが練馬にあった、というだけの話。事務所からあまりに遠いのは困るけど(不精者の私は事務所までの通勤時間が1時間を超えると週の稼働日が3日以下になること必定です。)、成城でも下北沢でも浅草でもよかったといえばよかったのです。

服はここ数年買ったことがない。買わない理由も特になし。買うとしてもユニクロかダイエーか西友(いずれも自宅から近いから。)。間違っても青山のなんとかかんとかとかいうフランス語だかスペイン語だかタガログ語だか分からない名前の店で買うことはない(と思います。)。

食べ物に関しては出されたものを食う。物心ついて以来、出された食べ物に文句を言ったことはありません。昔、安楽亭(上石神井店)で注文した肉が一向に出てこなくて、約1時間ほど我慢して文句を言いました。ちなみに、アルバイトらしき女の子が電卓みたいな機械(「ハンディターミナル」というらしい。)に入力して注文を受けていたのですが、何らかの原因で入力した注文が厨房に届いておらず妻と私が注文したカルビとロースとタン塩とキムチの盛り合わせとクッパとご飯(大盛り)は電子的にこの世界から消滅してしまっていたようです。アルバイトらしき女の子は「わたしのせいじゃありません! わたしは悪くありません!」と逆ギレしやがりました。以来、安楽亭には行きません。

ゴルフのクラブやボールをこだわりで選んだことは一度もない。GOLF5で予算を伝えて、お店のスタッフが「これがいいですよ~」と勧めてくれたものを「はいはい~」と何の疑いもなく購入して使っています。ちなみに、パターはN社長からの頂き物。ボールに至っては、どこのメーカーのどのタイプがいいとか飛ぶとか柔らかいとか硬いとか丸いとか四角いとかまったく知らない。ゴルフショップで安く売ってるロストボール詰め合わせセットで十分満足。私の腕ではロストボールだろうがXXIOの最高級ボール(新品)だろうが、打ったボールがスライスしていくことに変わりないのだ。

 

どうして私はこうもこだわらないのか。いや、こだわれないのか?

 

つらつら考えてみるに・・・・こだわりというのは漢字で書くと拘り。つまり物とか価値観に拘束されるわけですね。拘束プレイはまだ経験がないけど、拘束されることが本能的かつDNAレベルで嫌いなんだから、やっぱりあまり気持ち良くないんじゃないかと思う。絶世の美女に「もう離さないから~。あなたは一生私のド♥レ♥イ」とか言われたら、そりゃ一瞬は嬉しいだろうけど、3日くらいで鬱陶しくなるでしょうね。

何かにこだわるということは、こだわる何かを失ったときの心の喪失感とかこだわること故の不自由さとかリスクを受け入れなければならない、ということでもある。

「車はエスティマ」と決めてしまったら、トヨタがエスティマの生産を打ち切ってしまったら私は何に乗ればいいのか。

「家はヘーベルハウス」と決めてしまったら、旭化成が住宅市場から完全撤退したら私はどこに住めばいいというのか。

「住むところは練馬」と決めてしまったら、練馬に某国から核ミサイルが飛んできたらどうするのか(私の自宅は陸上自衛隊練馬駐屯地に近い。敵の攻撃拠点をまず叩く、というのは近代戦における大原則である。)。

「服はベルサーチ」と決めてしまったら・・・、残念なことに私の体型はイタリアン・ファッションを明白に拒絶している。

「夕食は赤坂見附のフレンチ&ワイン」と決めてしまったら・・・・・・・・・・・・・・太る(今以上に。)。

「パターはスコッティ・キャメロン」と決めてしまったら、私にはそれを購入するだけの資力がないし、たまたま一緒に行った仲間の「5,000円で購入した中古パター」を借りてやってみたらこれがものすごく手に馴染んで、全ホールすべてを1パットで沈めたとしても、「やっぱパターはブランドじゃないよね。」とは言いにくくなる。

そう、こだわるということは、こだわり続ける安心感や安定感と引き換えに、自由の間口を狭くし、それを失ったときの喪失感を大きくする、ということと同義なのだ。

 

だから私は今日もロストボール詰め合わせセット(10個1,200円)をバッグに放り込んでゴルフ場へと車を走らせるのである。