hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Michael Pitt in Funny Game

2009年10月31日 | 映画
 「Funny Game」
 基本的にバイオレンスものは好きではないのですが、ナオミ・ワッツが好き(でもそろそろ仕事もっとちゃんと選んで欲しいかな)、ティム・ロスがこういうものを選んだことも気になった。

 でも、なんといってもマイケル・ピット。初めて見たのは「Murder by Numbers」完全犯罪をめざす高校生の役。肌が青白くて、懐かしのマコーレー・カルキンと若い時のディカプリオを混ぜたような中途半端な容貌。無表情にしていても、可愛らしさと狡さがこう滲み出てくる、何ともいえない不気味さが役にピッタリですごく良かった。そのあと観た「The Dreamers」これは彼が、というよりは映画そのものが素晴らしかったんだけれど、全く反対のキャラクター、何となく引っ張り回されて、でもどうしょうもなく惹きこまれていき、それでいてやっぱりどことなく冷めている、という難しい役どころをうまく表現していた。

 この映画でもマイケル・ピットは期待通り。その可愛らしさと不気味さを湛えた表情がなんとも絶妙。オリジナルそのままだというカメラに話しかけるスタイルも、彼の心から残酷な行為を楽しんでいるような微笑みで効果大。表情をつくり過ぎていないところがいいんですね。

 映画の内容については、あっちこっちで言われているように不快だし、個人的には足が不自由になったとはいえ、旦那が役立たず過ぎることや、何気に反逆のチャンスがいっぱいあるのに何もしない被害者たちにイライラしっぱなし。これが狙いなんだろうな、まんまとのせられちゃったよ。
 オリジナルが作られた時代と、リメイクが作られた時代、視聴者の受け止め方は全然違うんだろうと思う。「全くもって理不尽」から「ありえるような理不尽」に変わったのでは、と思うのは悲観的すぎるかな。
 監督がセルフリメークをしたからには色々伝えたいメッセージはあるのだろうけれど、あえて無視して(!)、好きな所を箇条書きで。

 ①車の中でロックをかけて、幸せそうに微笑んでいる家族3人
 ②卵のことで、じわりじわりとナオミを苛立たせ、怒らせていくところ。ほんっとにむかむかして、私だったらこう言ってやる、ああ言ってやると感情移入しまくり。
 ③加害者の二人の服装が輝くような真っ白なこと。全体的に暗くて陰湿な雰囲気に効果的だった。
 ④最後のシーンでマイケル・ピットがナオミ・ワッツのほっぺたにさらっとキスする所。場違いだけど、キュートだなぁと思って。

 以上。マイケル・ピット、これからも注目していきます。

   

 
 

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