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hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

ギリシャ神話 by 里中満智子

2014年04月26日 | 絵本・児童書


友人にお薦めされた本(マンガ)ですが、とても面白かったので私も皆さんにお薦めしたいと思います。
ギリシャ神話といえば、うちの子供達は一時ハマっていてよく知っているのですが、私はとにかく何度読んだり聞いたりしても全く頭に残らない。
学生の時に英文学概論でガッチリ習ったはずが、ゼウスの妻ヘラが嫉妬深いことと、誰かが白鳥になった様な、、、、こんな程度。なんと言っても、カタカナで神々の名前を覚えるのが無理。私は特に昔からカタカナが苦手で、高校生の時に世界史を履修しなかったなんて失敗も。
それがとても読みやすくて分かり易いマンガになっているのですよ。

エピソードを通して豆知識を得られます。
オリンピックで勝者に月桂樹の冠を与えられるわけ、孔雀の羽根にはなぜ目の様なものがたくさんついているのか、砂漠ができた経緯、などなど。

結局のところ、ゼウスがあっちこっちのオンナに手を出しヘラを怒らせたためなにかしら起こってしまうことが多いのですが、怒られる度におかしな言い訳をしたり卑怯なことをするのですがまさに普通の浮気男っぽくて、こういうところなど今も昔も神々も人間も変わらなさを描いているところがギリシャ神話が長年親しまれて来た所以でしょうね。

私が読んだのは2巻で、最初のエピソードは、母親のヘラに捨てられた鍛冶屋のへパイトスがヘラを脅してモテモテのアフロディーテを妻にする話。アフロディーテはその経緯も気に食わないし、全く彼に魅力を感じず、アレスと浮気をして楽しみます。
アレスといえば、2年前息子が劇でやった役ですが、劇中ではつい余計な事を言って父親のゼウスに咎められる男でしたが、この作品の中ではチャラい好色男でした。
神話の中では不倫だろうとなんだろうと何の問題もなく子供を産むので、アレスたちにも四人の子供が。次から次へと新しい名前が、、、、結局あんまり覚えてはいけなさそうです、、、、でもそこは忘れて言葉や物の由来なんかを知ることを楽しもうと思います。

子供たちが親しんでいるギリシャ神話の本はこちら。
過去記事の2010年3月2日をご覧ください。新しいPCになってからリンクの仕方がわかりません。
そしてお馴染みパーシージャクソン。 こちらは同年2月10日です。
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へんてこな一週間

2013年02月27日 | 絵本・児童書
 久しぶりに娘と日本の児童書を読みました。
 今回は鼻ヅマリの娘に読ますわけにもいかず、2日かけて読み聞かせをしました。
 おしゃべりなら何時間でもできる私ですが、音読となると結構大変です。何がそう違うんでしょうねぇ。

 鍵っ子小学生のところにある日宅配で大きな段ボールが届きました。それはとっても不思議な箱でした。

 「はじめに」というところで不思議なポケットの歌のことを持ち出しているので、欲しいものが出てくる夢のようなお話かと思いきや、これが意外と spooky でハラハラドキドキしたり、箱の登場の仕方や登場人物の対応がとぼけた感じで笑えたり、面白くてその上雰囲気が不思議な作品でした。
 会話なんかもすごく自然で読みやすいなぁと思っていたら、作者は北海道の出身でしたよ。普段は標準語と変わらないと思っているのに、やっぱり独特なニュアンスが多少あって心地よさを誘うんでしょうねぇ。
 この作家は懐かしいドラマ「暴れはっちゃく」や、これまた懐かしの大好きな映画「転校生」の原作者だそうです。そりゃ面白いに決まってますわね!
対象は一応小学校中学年になっていますが、低学年でも大丈夫。親子で楽しめます。
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めっきらもっきらどぉんどん

2012年10月05日 | 絵本・児童書


 このタイトル面白いでしょう?
 これは、外に出ても遊び相手が見つからなくてつまらなくなった主人公かんた君がやけくそになって歌ったでたらめな歌。
 この愉快な歌に誘われて、おかしな3人組がかんた君と遊びたくて現れた。
 かんた君とこの3人組のすっごく変わっていて創造力たっぷりの遊びっぷりが描かれた作品。
 大胆な遊び方のわりには絵がとても丁寧で綺麗に描かれているところも面白い。 
 機会があったら読んでみてください。

「おでかけのまえに」
 
 ちょっと前にこの絵本も読みました。お出かけする前にはりきって洋服を着て荷物をまとめる女の子の話。
 

今日の日記:
 たった今Captain R がスカウトキャンピングに出かけました。いつもながら外は土砂降り!今日は室内で明日はテント。明日は晴れるといいですけど。
 今日の Captain R は朝学校が始まる前にバドミントンクラブに行き、昼休みにドッジボールクラブに行き、放課後は雨の中フットボール(サッカー)クラブ。そしてキャンプに行くという激しい一日。小さい体でよくやるよ、まったく。
 当然ながら荷造りは自分でやらせます。意外とこの辺はしっかりできたりします。
 ただし、遊びの時だけ。学校の勉強道具はなかなk揃えられるようになりません。小学校は連絡帳だけ入ったカバンを持っていくので、中学校に入ってから時間割を調べてカバンの用意することを初めて学ぶんですよ。先週は体育の道具だけ持って、勉強道具一式忘れて行きました。さすが!
 そして普段はパーフェクトのNancy まで先週は学校にバイオリン道具だけ持ってカバンごと忘れて行った日がありました・・・・・せめて一人はちゃんとしていて欲しいのに・・・・
 Nancy の場合は基本的に荷造りには問題がないけれど、服装のセンスにちょっとした問題(奇抜すぎ&校則無視)があるので、そっちには目を光らせなければなりません。小さい時に比べるとだいぶん落ち着きましたが、もうすでにM校は髪の毛は下ろしていいのか、宗教的なピアスはいいのか、スカートはネイビーじゃなければいけないのか、長さはどうなんだ、少しヒールのある靴でもいいのかなどなどチェックしています!
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Tell Me Again About the Night I was Born

2012年09月24日 | 絵本・児童書
   

 人生五年さんが Allen Say の Allison を読まれたときき、そういえば私も adoption をテーマにした素敵な絵本を読んだことを思い出しました。
 この作品は、女優の Jamie Lee Curtis によるものです。
 読む前までは、単純に出産したときの喜びを子供に伝えている話だと思っていたのですが、読んでみてびっくり。子供を育てていけない若い夫婦から出産直後に adopt する様子がごく自然に書かれています。
 「話して」とせがむ子供は、4歳前後。まだまだ小さいうちから事実を伝える勇気も大袈裟にアピールするでもなく、さりげなく語られているのも素敵な所です。
 Jamie Lee Curtis 自身も二人の子供たちを adopt したのだそうです。自らの体験も元にしているからこそ、嘘のないストレートな作品に仕上がっているのじゃないでしょうか。

 愛に溢れる素晴らしい本です。ぜひぜひ読んでみてください。
 
 注意:涙なしでは読めませんので、必ず家に持ち帰ってから読みましょう。
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Tea with Milk

2012年09月21日 | 絵本・児童書
   

 素晴らしい絵本です。
 アメリカで生まれ育った日本人の両親をもつ少女が、戸惑いながらもアイデンティティと自分の生きる場所を見つける物語。涙なしでは読めません。
 自分の心地よい居場所というのは、人種が何かとかどこの出身かとかどこに住むとか、そういうことじゃないんだよね。

 こちらの本も読みました。
 

 同じ作家の似たようなテーマの作品です。こちらはそれほど私の好みではなかったかな。
 主人公がアメリカにいると日本を恋しく思い、日本にいるとアメリカを恋しく思う混在した感情は、もちろん私たちも日頃感じているところですが、もしかしたら「こんな風に感じているでしょ?」と目の前に突きつけられているような気がして、居心地が悪いのかもしれません。

 
 
 こういうこと言うのは良くないと思いますが、Tea with Milk のアマゾンレビューはあまり参考にならないと思いました。どうしてあんな紹介文を採用するのかなぁ。カスタマーレビューの方がよっぽどこの本を理解して書かれていると感じました。
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「ドラえもん」を考える

2012年09月06日 | 絵本・児童書
 

 夏の間、子供たちが一番夢中で読み続けた、何度も読み返していたのはこれ。
 英語版のドラえもんの漫画です。カフェさんから貸していただきました。
 Nancy は英語の漫画の読み方(どっちの方向に読んでいくのか)すら、わかっていなかったので最初は戸惑っていましたが、一旦慣れてくるとそれはもう没頭していたものです。
 その後気分をよくして、私の永久保存版の日本語の漫画の方にも手が伸びていました。
 
 今、表紙を見て「わぁ~」と声を上げて懐かしんだ人、たくさんいるでしょ?
 さすがに全巻は持っていませんが、私はドラえもんが大好きです。何よりも夢があるし、発想も素晴らしい。それに登場人物が最小限に抑えられているしワンパターンなのに飽きることないところも魅力。
 ところが・・・・・・

 最近、アニメの「ドラえもん」を見た方いらっしゃいますか?
 日本滞在中、毎週見ていたのですが、毎回嫌な気分になりました。
 何が変わったのか。
 それは、のび太とスネオとの関係です。
 スネ夫は、お金持ちをひけらかして自慢するのが大好き。子供だもん、そういうのもいいじゃない?それに絶対実際いるし、そういう子。
 で、毎回スネ夫が自慢するたびに、のび太が悔しがって「ドラえも~ん、悔しいよぉ、僕も欲しいよぉ(行きたいよぉ」とドラえもんにすがりついて、ドラえもんの道具でスネオなんかよりもっといい思いをする。
 これでいいじゃない?
 だけど、最近のドラえもんのアニメだと、わざわざスネオに見せびらかしにいくだけじゃなく、最初に意地悪をされた「仕返し」を執拗に繰り返して、そのやり口もなんていうか陰険なんだよ。

 いじめられたら倍返しの仕返しをしても、もともとは向こうが悪いんだからいいんだよ、別に

 みたいな風潮を感じる・・・・・
 のび太のそういった行為を正当化したり、保護者的立場?のドラえもんが支援するようだと、道徳的問題があると思うし、それ以上に意地悪したり喧嘩したりするけど「でも基本的にみんな思いやりあって仲良し」というあのマンガの良さが失われているような気がしてならない。
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Six Dinner Sid

2012年06月29日 | 絵本・児童書
 とっても要領のいい猫のシッドのお話。アマゾンの紹介文がとても良いと思ったので写しておきます。
 
 Sid is a cat who is addicted to having six meals a day and glories in this lifestyle. Manipulative, persuasive and a charmer he has wrapped everybody round his little paw - each owner believes that Sid belongs to them only . . . until the day he is found out!

 これはなかなか面白いですよ。何回でも読んでしまいます。特に猫好きな方には気に入ってもらえそう。
 イラストもとても柔らかくて優しい感じで、ゆったりしたい時にちょうどいい絵本です。


連絡事項:

 宣伝したばっかりですが、アマゾンのリンクが上手くいきませーん。すみません。
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Dinosaur's Day Out

2012年06月08日 | 絵本・児童書
   

 久しぶりに絵本の紹介です。
 すっごく良い絵本を見つけました。
 Nick Sharatt の作品で、面白いだけではなく色々な分野をカバーしている本当によくできた作品です。

 デクスターとデイジーの二人は友達のデライラのところに遊びに行くことにしました。
 町に住んでいる二人は森に住んでいる彼女の元へ行くために、地図を調べ、天気予報をチェックし、お土産も用意して準備万端で出発します。

 ここではこの絵本をどのように活用できるかを紹介します。
 まず読者の子供たちは地図の読み方を学び(迷路あそび)、天気図の見方を学びます。
 「あれ?用意したプレゼントってどこに置いたっけ?」「車のカギはどこ?」という風に、子供の大好きな「見つけよう」的なアクティビティもできます。ここでちょっと高度なのは、そのページのどこかにあるのではなく、これまでのページのどこかにあるということ。子供の記憶力やどれくらいでディテールにこだわって絵を見ているかの注意力も試せます。プレゼントがどこにあったか、カギはどこにあったか、ここで小さい子なら指をさすことで知らせてくれるのもよいでしょうし、少し大きな子でしたら、on the table, under the TV set など場所を表す単語を使った発話も促せます。
 
 さて、万全の準備をして家を出てきた二人だったはずなのですが、なんと家に地図を忘れてきてしまいます。
 ここで読者の子供の出番であります。分かれ道についたとき、何かの目印を探してどちらの道に行ったらよいか、彼らに指示してもらいましょう。お城の方に向かっていくのだっけ?それとも風車のある方へ?
 道すがら色々な標識をみてどんな意味なのか考えたり、サインを見て会話も弾みます。
 車のメーターに赤いランプが点いちゃいましたよ。これってどういう意味?ペトロールが必要。だったらどうしたらいいの?サービスステーションではほかにどんなことができる?メニューを見て悩んでいるデクスターを助けてあげて!などなど。
 たくさん活躍の場面があるし、話し合うこともいっぱいあっていっそがしい本ですよ。
 自信を持ってお勧めする一冊。特に4歳から小学校低学年にお勧めです。

 注意:
 ベアハントのマイケル・ローゼン監修(?)の Read and Share というシリーズの一冊ですが、シリーズを買うことはお勧めしません。
 日本人はシリーズをそのままボンっと買うのが好きですが、中には内容的に「う~ん・・・・」というものもあるし、アクティビティのしようのないものもたくさん含まれています。それだったらいいものだけを選択して、シリーズ外の別の良書を読むほうが断然お勧めです。
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どうせ長く続かないけど・・・・今我が家で流行っている雑誌

2012年02月16日 | 絵本・児童書
 

 流行っているというのは、実に語弊があるでしょうね。毎晩3人で2記事ずつ読み合うことを強制しています。
 きっかけはいつも読んでくださっている方にはピンとくるでしょうが、やっぱりT校のインタビューで「当然分かっている」と思いこんでいた一般常識を知らなかったこと。
 テレビはディズニーチャンネルばかり、本はフィクションばかり、ときてはニュースも常識も知らなくて当たり前。
 少しでもなんとかしようと思い、子供用のニュース雑誌を探してみたものの、新聞がかろうじて一つあるだけで、その他は皆無。新聞はちょっと邪魔になりそうだし、手に取るかどうかからして不安。
 で、ちょっと息子には幼稚すぎる気はするけれど、とりあえず小学校卒業するまではこれでいこうかと2月号、3月号と買いました。
 ちょっと時事問題からはほど遠いですが、比較的広い範囲の事実をサラッとポイントを絞って知ることができるデザインになっています。
 
 さっそく懸賞にも応募しました。2月号はクイズに答えるだけではなく、Horrible History のステージのチケットをゲットするために「英国史に残る人物」のイラストを描いて送りました。Nancy はなぜかとっても可愛い Queen Victoria。ある意味ビクトリアを可愛く描いたイラストはインパクトがあるかも。Captain R は Henry Ⅷ。アンブリンの顔にダーツを刺しているヘンリーです。明らかに学校で習ったことよりもあのドラマに影響されている節あり。

 ところで、耳の悪い私は子供たちが読みあげているのをほとんど聞き取れない。例えばこんなことが。

 Wolves in a pack co-operate, play, squabble, and talk to each other.

と聞いて「わぁ、オオカミって頭いいんだねー!!! Scrabble ができるんだ!」と。SCRABBLE というのは、よく映画なんかで見かけると思いますが、アルファベットの書いたカードを並べて単語を作るボードゲームであります。あほでしょ~。
 
 母親もアホですが、娘も負けてはいません。アンケートで「好きな食べ物は何ですか?」に「I like hotdog because I like dogs.」と(もちろん冗談ですよ)。この雑誌には動物愛護協会やその他の保護団体の広告がいっぱい載っています・・・・・

ミニ知識:

その1
 パンダは一日のうちの14時間を食べることに費やしているそうです。一日50キロ分くらいのバンブーを食べるんですって。残りの10時間は睡眠であります。
 「うちにもこんな人いるよね!」と3人で同意。私は Captain R のことを言っていたけれど、子供たちは多分私のことを・・・・
その2
  Did you know Gorillas may be as big as humans, but they live in NESTS made from branches and leaves?
 ネストですって。これに全員で「えー!!!」懸賞のクイズのうちの一つがこれについてで、この記事の写真のゴリラがあまりにも人間ぽくて気持ち悪くて3人とも無意識に読むのを避けていたため、締切ギリギリに適当に答えを選んで郵送してしまいました。

 この習慣、どうせ長くは続かないでしょうが一応試みています。
 それと、写真はUS版ですが、我が家にあるのは当然ながらUK版です。オオカミについての記事はUSでは2月号に、UKでは3月号に掲載されています。やっぱりこっちの方が遅いんですな・・・・・
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かぎばあさんの家みつけた

2011年10月29日 | 絵本・児童書
 

 やっぱりかぎばあさんのお話は素晴らしい~・・・
 またまたじわ~ん・・・・
 子供の心の動きにしっかり目をかけていて、それでいて最近よくある「そのままでいいんだよ」「おとなはただ黙って受け止めればいいんだ」という感じではなく、子供の気持ちに寄り添いながらも、抱えている問題を解決する道を見つけるために手を差し伸べているところが好き。

 この本はゲームブックになっています。
 ストーリーの中に選択肢が出てきて、こう思うならこのページへ、こう思うならあっちのページへ、となっています。子供に考える機会と力を与えています。
 と、言いたいところですが・・・・・
 実際は「どちらとも決められない場合はこの迷路を辿っていきついたページに行ってね!」という選択もあって、うちの娘は迷路がしたくて全然考えないという有様。
 それに所々「行き止まり」というのがあって、でもその理由がいまいちしっくりこなかったり。
 そんなわけで、娘はよく分からなくなってきて途中で飽きてしまったので、私一人でゲームブックの構成は全く無視して全ページ読みました。そして泣いたわけですが・・・・・
 内容は100点。正直ゲームブックじゃない方が良かったなぁ。
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101かいだてのいえ

2011年10月27日 | 絵本・児童書
 


 なるほど、人気があるのがわかります。
 読んでいて心がウキウキしてきます。
 娘もすっごく嬉しそうな表情で読んでいました。
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シュバイツァー

2011年10月01日 | 絵本・児童書
 「人も木も動物も、生きているものが持っている大切な生命。尊いその生命を誰が奪っていいものか…」 病気に苦しむ多くの人々を救うため、地位も名誉も捨てて赤道直下のアフリカにのりこんでいったシュバイツァー。

 牧師の息子のアルベルト・シュバイツァーは、ある日ガキ大将と取っ組み合いのけんかをして負かしてしまいます。
 「俺だって、お前みたいに毎日肉の入ったスープを食べていれば勝てるんだ!」と悔し紛れに言った相手のセリフをきっかけに、将来貧しい人の役に立つ仕事をしようと心に決めます。

 大学を出て牧師になり、大学教授になり、音楽家になったアルベルトは30歳になり、改めて医学部に入り直し医者になりました。そしてアフリカに渡りそこで医者としてたくさんの尊い命を救いました。

 興味深いところ、本篇には病院を設立し、「これで病人を休ませられる。肌の色が白くても黒くても、人間はみな兄弟。助け合わなければ。」と書いてありますが、大人向けのあとがきにはシュバイツァーの著書の中には「黒人は子供である。子供には権威をもってのぞまなければならない。」とか「黒人が高等な学校教育を受けることは不必要である。文化の始まりは知識ではなく、手に職をつけること。土地を耕すこと。これによってはじめて高度の文化を築ける経済力が備わる。」と書いているらしく、当時のドイツ人らしさ、資本主義や民族主義についての理解不足が指摘されていることが言及していました。

 私がクスリと笑ってしまったのは、まだまだ未開発でジャングルが広がるアフリカに渡ったシュバイツァーですが、ちゃっかりピアノを運び込んでいるあたりが、やっぱり「おぼっちゃま」なんだなーって。
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ふしぎなかぎばあさん

2011年09月19日 | 絵本・児童書
 やっぱり面白い!
 子供の頃に大好きだったこの本を娘に読み聞かせしました。何十年振りだろう??
 ほんわか、優しくて、ホントに不思議なお話。
 娘もとても喜んでいました。

 ところでおばあさんの紙芝居のお話、どんなメッセージが含まれているのでしょう???
 どうとでもとれるところがまた憎い演出になっているんですよね。

 和みました。

 私が持っていた本の、今でも実家にあるので「持っている」ですが、映像が見つからなかったので似ているものを。
 
 イラストが変わっていないところも嬉しいですね。短編が入っていて、一作目はカギばあさんは出てはこないのだけれど、自転車と友情をテーマにしたこれまた不思議なお話でした。
 
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ものすごくおおきなプリンの上で

2011年09月07日 | 絵本・児童書
 9月に入り、日本語の本の読書を再開します。
 図書室から、表紙があまりにも可愛らしいので借りてきました。
 ちょっと突飛な発想のお話です。

 
 それから、恒例の偉人のお話の絵本。ひらがなばかりで読みづらいけれど、これですらどこまで理解しているか怪しい我が家の子供たち。
 


今日の日記:

 夏休みの疲れがドッときています。
 私はなんと一日も休みをとらせてもらえなかったので、帰宅後と週末には「これでもか!」というくらい子供たちを連れ回しました。
 職場環境は一向に良くなりません。私に直接影響を及ぼしていた人たち?3人は7月に一気に辞めたので、あ、別に私がいびり出したわけじゃないですけどね、たまたま(笑)・・・・・私自体はなんてことなく淡々と働いているのだけど、ホント、スタッフ一掃しないとダメじゃない?ってくらい醜いことになっていて・・・・・毎日笑えます。
 頭数要員の私は今日も本当に何にもすることがなく、2時間ほどソファでダラ~ン。仕事がヒマなんて言っている人は怠けようとしているだけでやる気さえあればいくらでも探せるものだと思っていたけれど、どうしても「ない」!しかもこのソファ、クッションたっぷり、天井からプリンセスのようなカーテンがかかっているの。
 その陰で、別の部屋ではルームリーダー同士が怒鳴り合い、ののしり合い、上司にチクリ合い、と大バトルを繰り広げたらしい。たいていはその部屋配属の私。珍しく別の部屋に行っているとこんなことに。ラッキー、ラッキー。
 実は昨日そのルームリーダーの1人に物申したばかりの私。部屋の出入りの回数や音について気をつけるように言われて「私にそういうこというのは見当違いなんじゃないの?」と。「私が部屋を空ける時は、必要な時だけのはずだけど?(ここにあなたこそおしゃべりしにフラフラ出て歩いてんじゃないわよ!という意味が込めてある)」「それに何かしら理由をつけて出ていくのは結構だけど、手ぶらで帰ってくるのやめてくれない?一回の出入りで三つの用事を済ませる心がけをして何度も出入りしないように工夫したら?」とね。ちょっと厳しいかもしれないですが、これを眼もとからしっかり笑顔を作って、柔らかい声でいうところがコツであります。っていうより、へったくそな英語でしどろもどろ言うので、角は立たなかったはず・・・・その後すぐ他のスタッフにも提案していたしね。こんなどうでもいいことをいちいち言わないとできないところがさ、もうね。(私は昼間にちょこっと顔出す単なるアシスタント)
 だけど明日こそ、険悪なムードのその部屋で働かなければだろうなぁ。そんな中やることがあればまだしも、何にもせずに座っていることの辛いことったらないですし、絶対八つ当たりがこっちにくるよな。気が重い・・・でもちょっと楽しみなような・・・
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Amelia Jane Goes Up the Tree & Leopard's Drum

2011年08月04日 | 絵本・児童書
 今日のテーマはずばり

 Forgiving

です。

 「Amelia Jane goes up the Tree」

 いたずらっ子の人形アメリア・ジェーンは木の上の鳥の巣の中の卵をとろうと考えます。
 仲間のおもちゃたちは母鳥が可哀想だからやめた方がいいと止めるのですが、「一つや二つなくったって大丈夫だよ」と聞く耳を持たないアメリア・ジェーン。
 庭師のおじさんが梯子を木に掛けた隙に、木に登り卵を二つポケットに入れます。
 ところが下りてくる前に、庭師が梯子を持って帰ってしまうのです。
 降りられなくなって困ってしまったアメリア・ジェーンを助けたのは・・・・

 卵の母鳥でした。
 罪の意識に駆られたアメリア・ジェーンは正直に謝り卵を戻します。
 そして母鳥はアメリア・ジェーンを無事に家まで送り届けてくれるのです。

 罰や長々としたお説教は一切なし。
 とっても優しいエンディングです。字数の多めの絵本ですが、おススメです!


 「Leopard's Drum」

 

 皆さんは亀の甲羅がどうしてあのように堅くて頑丈なのか知っていますか?
 レオパードは誰もがうらやむような立派なドラムを持っていました。
 誰もが欲しがっても、貸して欲しいといっても、完全に拒否。
 神様もそのドラムを一度でいいから触らせて欲しいと頼むのですが、神様すらにも触らせません。
 「神にはむかうとは!」
 怒った神様は総ての動物にレオパードのドラムを自分のところに持ってきた者に何でも望みのご褒美を与えると呼びかけます。(なんとなく泥棒を教唆している感アリ?)
 色々な動物がトライするのですが、なかなか上手くいきません。そこへ、小さくてのろまな亀が「自分こそが」と挑戦します。誰もが「お前には無理だよ。体もヤワヤワだし、すぐに踏みつぶされてお陀仏さ」のように言います。
 
 知恵を使って「レオパード入りのドラム」(!)を神様のところへ運んで行った亀。
 神様から「ケチで傲慢だった」レオパードへのお咎めは一切無し。
 亀が神様にお願いしたものは、頑丈で身を守ることができる甲羅でした。


 悪いことをした相手への対処は、必ずしも「仕返しをすること」や「思い知らせること」ではないと思いませんか?
 マドンナとその周辺の人たちに是非とも読んで欲しいな、と思ったのでした。(私とは違った justice の概念を持っているマドンナの絵本についてはこちら

 ちなみにレオパードが自分の所有物を貸そうが独り占めしようが、それは彼の勝手だと思うし、我儘でもケチでも何でもないと思う私。それより権力でどうにかしようとする神様の方がよっぽど我儘じゃないの?とか。なので途中の展開は嫌な方向にいきそうだなぁと不安で・・・・でも最後にある「許し」の精神でホッとして、とても良い気持ちで読み終われました。
 
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