hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Stuff Matters

2018年11月24日 | 洋書
 以前バイオメディカルエンジニアリングに関する本を読んだ後に整形外科専門の病院のオープンデーに行く機会に恵まれました。
 病院のオープンデーなんて珍しいですよね。
 患者さんがいる院内は入ることはできなかったのですが、敷地内にある研究所の見学をしました。
 一人一人の症状にあった車いすを考えるエンジニア、ヒップリプレイスメントの開発に携わるエンジニア、3Ⅾプリンターを利用して一人一人に合うインプラントを作るエンジニア、そして義手義足の改良などに力を入れるエンジニアなど。
 見学のほかに、マテリアル工学の専門家のレクチャーもありました。マテリアル工学ってなんでしょうね?
 ところが、このレクチャーがすっごく良かったんですよ。レクチャラーもカッコよくてねー、素人にも解かりやすく話してくれるし、科学の進歩に驚くことばかりでした。
 そこで、サイエンスなんてあまり興味もなかったし、これっぽちも解かりもしないのに息子の持っていたこの本を私も読んでみたというわけです。

 身近にある鋼鉄、紙、コンクリート、チョコレート(!)、エアロジェル(身近には絶対ないし、ほぼSFの世界だけど一度見てみたいし触ってみたい)、プラスチック、ガラス、陶磁器、そしてそもそも私が最初に興味を持った人工臓器などのバイオマテリアルなど、それぞれの歴史や発展、未来の変化などについてエピソードを絡めながら説いてある作品です。
 詳しい化学的性質なんかの説明はさっぱり頭には入ってこないのですが、そもそも作者自身がマテリアルの世界に憑りつかれたきっかけとなった事件はショッキングだし(しかもこれをオープニングに持ってくるところがキャッチー)、映画館で食べるお菓子の入ったプラスチックの袋をめぐってその場に居合わせた人と口論になった話などは面白いし、なかなか読みやすい作品ではあります。オーディオブックもとても聴き易くて良かったです。

 オープンデーの話に戻りますが、私が中でも印象的に思ったのが、車いすでの生活をしている方たちが立ち上がり歩行をするのを助ける道具の開発です。
 研究所では何年も前に開発された大きな電動モビルスーツのようなものを見たのですが(実際に見学者も体験できました)、レクチャーの中では普通のズボンに見えるものが筋肉などの体の部分を補う働きをして立てるようになるというものが紹介されていました。ソフトロボティックス(wearable robot)というのですかね?なんかすごいことになっています。科学の発展の速さは想像を超えるものなのですね。

 彼の新しい本もそのうち読もうと思っています。続けてはちょっと無理だけれど。
  
 私が素敵!と思っている作者はこちら。
  
 話が面白くてアクセントがカッコいいとそう思えてくるってことであります(笑)

  これは本の中に出てきたエアロジェル。イリュージョンのようなCGみたいに見えるこんなものが全く火を通さないのだそうです。
  これはハーバード大学が開発している(した?)wearable robot です。


 ところで話は変わりますが、みなさんの中にはお子さんがゴリゴリの理系の方はいらっしゃるでしょうか?
 この数年、子供たちが工学部など理系学部に進んだ私の友人たちは、「なんの勉強をしてるの?」「どんな就職についたの?」という私の何気ない質問に、「工学部なことは確かなんだけど、何系だったかなぁ」「たぶんだけど、車のどっかの部分を作る会社?」とか「バイオなんとかって言ってたけど・・・」と、まぁこんな感じです(笑)
 もう、ホント、未知の世界なんですもん。
 それでうちの息子も理系男子なのですが、どうも、分子?とか原子?とか電子?素粒子?なんかそんな細かいレベルの世界に興味があるらしく、物理を主にしてそこに化学や工学が混ざったような学科を希望しています。
 この夏いくつかのオープンキャンパスに私もついて行ったりしたのですが、何から何までちんぷんかんぷん。
 先日もとある大学に行ったところ、その日の私は絶不調。体調は悪くはないのですが、英語が全く頭に入ってこない。さっぱりわからないけれど、本人さえ分かっていればいいわけだし。
 途中で志望学生はラボの見学に、親はその教室に残るという別行動になったのですが、子供たちが帰ってくるまでこの部屋でお茶でも飲んで待っていていいということなのかと思っていたらなんと!

 1時間にわたるエンジニアリングの講義を聴く羽目に!

 しかもほかの親御さんは楽しそうに発言したり質問したり参加しているではないですか! 
 途中退室する勇気もなくなんとも拷問のようなひとときでした(笑)
 
 娘はまだ先ですが、今のところ英文学を希望しているので一緒に大学の見学に行くのが楽しみです!!!
 
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The Keeper of Lost Things

2018年11月03日 | 洋書
バラの季節に読もうと思って買った本。
何度読み始めても気持ちが入らず、本日ようやく読了。薔薇どころか寒くて震える毎日。
内容的に短編集の方が合ってる気がする。

4 out of 10
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