向う横丁のお稲荷さんへ一銭あげて
ざっとおがんでおせんの茶屋へ
腰をかけたら渋茶を出した
渋茶よこよこ横目で見たらば
土のだんごか米のだんごか
まずまず一貫貸し申した・・・・
いささか看板娘のバックアップがあったにしろ、
だんごはかくのごとく愛されていた。庶民の手頃な
お茶菓子・おやつとして、特別に難しい作り方もなく、
どこの家にもある材料で簡単に作ることが出来たからであろう。
茶店などで工夫を凝らして、よもぎの葉を使った草だんごや、
文字通りのキビだんご、それに芋だんごなど変わったものも出来たが、
やはり大部分は米をついて作っただんごで、それに付ける
餡・タレなどで特徴づけを行い、名前もそれによって付けていたようだ。
茶店の婆さんが渋茶と一緒に出してくれるだんごを食べながら
一服した当時の旅人の風情は、街道筋には無くてはならない
風景だったに違いない。
こうして自然に旅人によって宣伝された名物だんごは、
その後も老舗として受け継がれ、今日も生き続けている。。。。
『老舗・団子屋ムラタン』完成です。