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髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

天使の吐息 #07

2009-05-18 19:59:22 | 天使の吐息(詩)
20代男性の会社員がいました。

今、朝の電車内

満員電車というほどではありませんが結構、人は乗っています。

いつものように電車に揺られながらため息一つ

『ああ~。だるいな・・・これが五月病って奴か?』

いつも電車内でやる携帯ゲーム機は充電し忘れていて電池切れで使えない。

『座って寝ていたい所だけどな・・・』

彼は立ってつり革に捕まっている状態でした。

その他に電車内でやる事もなく外の景色を見たり、電車内を見回すしかなかった。
電車内を見ると、おばあさんが立っていた。

その目の前に座って寝ている小学生

『いい気なもんだ。代わってやれよ。ガキだから元気だろうが・・・』

他の客は寝ていたり、本を読んでいたりおばあさんに気付いていないのか気付いていても座り続けているのか分からない。

ヒュウ

カクッ!

『!』

カクッと首が倒れたと同時に小学生が目を覚まして外を見て現在地を確認したようだ。

それから目の前のおばあさんに気が付いた。

少し迷っている様子であった。今まで気が付かなかった事を悪く思っているのかそれとも代わりたくないという気持ちもあるのかそんな葛藤を見た。

『立て!立て!立つんだ!ガキ!!』

ようやく小学生が立ち上がった。

「おばあさん。座りますか?」

「え?いいんですか?」

「どうぞ」

『ようし!良く言ったぁぁぁぁ!』

おばあさんがお礼を言って座って小学生はつり革が届かないのでドア付近の握り棒をしっかり摑まっていた。

朝からいい光景を見た気がした。

『俺が逆の立場なら代わっただろうか?う~ん・・・次、座った時は気をつけるかな?』

天使の吐息 #06

2009-05-10 12:09:26 | 天使の吐息(詩)
30代の女性が家でイライラしていました。

「遅い」

その女性には小学校1年生の女の子がいて、時間は4時半を回っていました。

学校の下校時間はとっくに過ぎており、学校から家まで歩いてくる時間を考えても遅すぎます。

「何かあったんじゃないか?」

そのように考えても不思議ではありません。

この所、テレビで小さい子を狙った犯罪が連日のように放送されている気がしていました。

「もしや・・・」

「ただいま~」

その時に、ようやく待ち望んでいた女の子が聞こえました。

ゆっくりと玄関に向かいます。

「どうしてこんなに遅いの?4時までに帰ってきなさいって言ったでしょ?」

「あの・・・学校で遊んでいて、帰ってくる途中に忘れ物があったって思い出して・・・」

「それだったら1度うちに帰って来れば良かったじゃない!そんなにうちから離れて無いんだし!」

「でも・・・」

「でも、じゃないでしょ?悪い事をしたらまず言う事は何?」

「うう・・・ごめんなさい」

「今日は宿題あるの?前、やっていたのに忘れたじゃない。しっかりしないとダメよ。もう小学生なんだからね。いつまでも幼稚園の時じゃダメなんだからね。分かっているの?」

「ううっ!ママのバカ!バカ!バカぁぁ!」

女の子は手提げカバンを床に放り投げて部屋に入ってしまいました。

「待ちなさい!まだ言いたい事が!もう!」

手提げカバンの中身が出てしまったので集めていると三つ葉のクローバーが見つかりました。

他にも、体操服や給食係の時に着る服なども入っています。

「私の気持ちも知らずに・・・」

ヒュウ

カバンから緑色の欠けらが舞い落ちました。

「これって・・・さっきのクローバーの1枚?」

並べてみると、確かにさっきの三つ葉のクローバーと一致します。

「もしかしてこれを探していて・・・」

画用紙から覗く笑っている大きな顔

「ああぁ~。取れちゃった・・・」

「今は怒っているだろうから夕食にちょっと美味しい物でも作ってそれをきっかけに謝らないとね・・・」

女性はそう言いながら棚を開けてセロハンテープを探すのでした。

天使の吐息 #05

2009-05-04 18:34:39 | 天使の吐息(詩)
幼い二人の兄弟がいました。

彼らの頭上高くには鯉のぼりが風に乗って優雅に泳いでいる。

弟「兄ちゃん。鯉のぼり、カッコイイな~」

兄「そうだな」

弟「うちもあればいいのに」

兄「うちにはこんなの飾る場所がないだろ?」

彼らは狭いアパート暮らしだった。

弟「ここのうちの奴は鎧飾りもあるんだって」

兄「ふぅん」

弟「いいよな~。うちにはこどもの日っぽいもの何も無いよね」

グッと拳を握る兄。

兄「うるさいな~。しょうがないだろ。うちは貧乏なんだから」

弟「いいよな~。欲しいよな~」

兄「そんな事言ったってここのうちの子になれないんだから帰るぞ」

弟「やだ。もうちょっと見てる」

兄「勝手にしろ」

兄はそそくさと帰っていった。

弟「何だよ。バカ兄ちゃん」

暫く鯉のぼりを眺めていると兄が戻ってきた。

ヒュウ

兄「うちには子供の日っぽいものがないって言っていたな」

パシッと何か頭に被せた。

弟「何これ?」

兄「兜だよ!兜!俺が作ったんだぞ」

弟「こんな新聞紙じゃなくてしっかりとした兜が欲しいんだい!」

兄「何だとぉ!」

ベチィ!

兄は持っていた新聞紙を丸めた物で弟の頭を殴った。かなり強くであったが兜をかぶっていたため音がしたほど痛くは無かった。

弟「いたぁ!そんな剣持ってずるいよぉ!」

兄「だったらごめんなさいと言え!そうしたらもう一本作った刀を貸してやらない事もないぞ」

弟「ご、ご・・・」

弟はそういいかけて素早く兄の懐に近づいてもう一本の丸めた新聞紙を奪い取った。

兄「お前ぇ!いらないって言ったのにパクるなんて卑怯だぞ!」

弟「いいんだよ~」

兄「お前、成敗してやる!」

弟「勝負勝負ぅ!」

ここのうちの子「兄弟がいるっていいな~」

家の中からチャンバラごっこをして遊んでいる二人を眺めてそう言った。

天使の吐息 #04

2009-04-27 21:24:13 | 天使の吐息(詩)
20代の自転車で通勤している青年。

毎日、15kmぐらいある道のりを自転車で通勤している。

今日も、車道の脇を駆け抜ける。

ヒュウ

「あれ?おかしいな」

かなりの猛スピードで飛ばす。

「大体、この辺で・・・あれ?」

減速する事なくそのまま走り抜けていく。

「そろそろ来るだろ?ってあれ?また行ける」

減速するどころか更に加速していく。

「ここは必ず・・・って人がボタンを押したみたいだな」

そう。普段は必ず1度は信号で止まるはずなのに今日は青でいけたのだ。

「こうまでタイミングがいいと怖い気もするな」

急に車や人が飛び出してくるんじゃないかとも思う。

「でも、風が気持ち良いな~」

朝にしては少し温かいくらいの陽気である為、
普段は熱くなるぐらいだが自転車で飛ばしていると風が丁度いい。

「いいな~。っておい!この裏道入らなくてどうする!」

会社に行く最短ルートからはずれてしまった。

「まぁいいか。このまま大通りから行くのも・・・」

大回りする事した事によって時間はいつもと時間は殆ど変わらないが、快い気分で道路を疾走していった。

天使の吐息 #03

2009-04-20 18:23:58 | 天使の吐息(詩)
30代ぐらいのおっさんがいました。

営業の途中で駅の立ち食い蕎麦屋で昼食

「オバちゃん!月見蕎麦1つ!」

言ってみて『しまった』と思った。

この立ち食い蕎麦屋は少し変わっていて蕎麦やうどんのどんぶりの中には入っておらず、しかも卵は割ってない状態で出てくるのだ。

以前聞いて見ると、オバちゃんはこう言った。

「お客さんの中で卵を溶いてから入れたいっていう人がいたからね~」

という事らしい。

「卵を溶いてから入れたら月見じゃねぇじゃねぇか」

そんな風に思っていると蕎麦と卵が出てきた。

「時間がないんだよ!時間が!」

煩わしいと思いながらそのまま食べてはかけ蕎麦になってしまうから卵を割ってどんぶりに入れようと思った。

ヒュウ

「お、双子だ」

1つの卵の中に黄身が2つあったのだ。珍しい事にそれを見て少し和んだ。

「おお!サッサと食べなくては!」

ちょっと、勿体無いと思いながらも卵を蕎麦に入れて一気に食べた。

「ごちそうさま!」

黄身が2つもあったから今日はいつにも増して力が湧いてくるような気がした。

天使の吐息 #02

2009-04-13 18:58:07 | 天使の吐息(詩)
中学1年生の少女がいました。

ヒュウ

バスケットボール部のキャプテンで憧れの先輩

普段は、遠くで見ているだけだけど今日はそばにいる。

特に何か遊んだり話したりする訳じゃないけれど

ただこちらを見て微笑みかけている。

そこで目が覚めた。

「あ・・・もう朝」

彼女は引っ込み思案で劣等感の塊のような子で先輩どころか男子に話すことさえままらないほどだった。

自分の事を聞かれると

「私、バカだし、デブだし、暗いし」が口癖の彼女

だから、いつも先輩を遠くで見ているだけ

ただの夢であったけれども彼女の心は温かかった。

天使の吐息 #01

2009-04-06 19:23:17 | 天使の吐息(詩)
学校帰り一人の男の子がいた。

小学2年生の男の子だ。

友達と帰っていたが一番、家が遠いので一人で歩いていた。

ヒュゥ

風が耳元をそよぐ。

「ん?何か足元が光ったような・・・」

足元を見てみると、そこには10円玉があった。

「やった!10円だ!10円だ!10円!」

拾い上げて考える。

「10円あったら、ウマイ棒が買えるし、10円ガムもいいな~。5円チョコ2個もいい。迷うな~。何を買おう」

そんな事を考える一人の帰り道でした。
誰も気付かないかもしれないほんの小さな幸せ

つまらなければ押すんじゃない。

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