今日はおサルさんに学ぶという話。
・・・日経(11/5)の春秋と言うコラムで、なるほど・・・という記事を読んだ。
・・・日本で初めてのサル山が、東京・上野動物園にできた今年で80年になる。・・・今でもサル山の人気は高いらしい。群れの行動が観察できるため、サル同士の力関係までうかがえるようでなんとも楽しい。
・・・飼育の現場では、いまは「ボスザル」という言葉はほとんど使わない。かわりに「第一位オス」などと呼ぶ。実際の行動が群れを統率したり、外敵から守ったりというイメージに合わないことが分かってきたからだそうだ。
母系社会で生きるニホンザルのオスに、それほど求心力などないのかも知れない。
・・・ボスの消滅は人間社会も同じだろう。政界をはじめ、良くも悪くもボスらしいボスの不在が言われて久しい。・・・自分を犠牲にしても群れを守るようなボスはなかなか現れない。これも日本社会の特性だろうか。
・・・サル山では親を失った子ザルの面倒を子ザルがみたり、群れ全体で子ザルをしつけたりもする。いたずらにボスをあがめ、頼るのではなく、自分たちできずなを強め、秩序を保つ。
人間になかなかできることではない。
おサルさんに学ぶ
いやぁ・・・サルは人間より毛が3本少ない。・・・とかいうのを故事?だかことわざ?だかで聞いたことがあるが、本当に人間の方がおサルさんより知恵があると自信を持って言えるかな?
ちょっと考えて見ると、人間、やたらと知識だけは豊富になって、ああだ、こうだと、理屈だけは一丁前に言えるが、果たして、本当に生きるための知恵はつけてきたのだろうか?
サル知恵というと、浅はかとか、知恵が足りないとか、考えが浅いとかの代名詞になっているが、このコラムに書かれているようなサル山の変化を見ると、本当のところのサルは、もしかして、時代を先取りしているのではないかと思ってしまう。・・・もしかして人間より進化しているのかもしれない。
・・・ボスが引っ張るという組織からみんなで引っ張る社会(母系社会)へ・・・
・・・弱者をみんなで守ろうとする社会へ・・・
・・・集団でしつけをしたり、集団できずなを深め、秩序を守ろうとする社会へ・・・
人のふり見てわが振り直せじゃないけど、まさしく、サルのふり見てわが身を振り直せ。
言葉で書くのは簡単だが、人間も果たしてそういう社会に向かっているのだろうか?
まあ、でも、
自立(自律)した個人というのが、少しずつだが確実に増え、
それをつなぎ合わすネットワーク力が少しずつ相乗効果を生み出し、
共感という力で新たな時代を創り出す。・・・・
そういう意識変化は(たとえ、ゆっくりでも)確実に進みつつあるのは確信できる。
その大きな流れに乗り遅れないよう、自分自身も世の中の動きを教師としたり、反面教師としたりしながら、おサルさんの生きる知恵のように、素直に行動に出せるようにしなきゃ・・・。
浅はかな人間のサル知恵はともかく、
恐るべし、生きる知恵にあふれた本当のサルの知恵・・・。