日々あらたに

3/11の大震災以降、数多くの変化が起きています。その変化をとらえ、新しい時代について観察を続けていきます。

創造する経営者(P.F.ドラッカー)

2012年05月12日 | 日記

マーケティングという言葉はけっこう日常的にも使う言葉である。たとえば、顧客満足を満たすためのマーケティング戦略とは?・・・マーケティング分析を踏まえ、顧客ニーズを探る・・・などなど。

先行き不透明になればなるほど、マーケティングの重要性がますます増してきている。・・・ただ、言葉として、身近に感じるからといってその本質をキチンと理解できているわけではない。

こういう時は、やっぱり偉人に学ぶしかない。

・・・で、あらためて、原理・原則を知るため、ドラッカーの「創造する経営者」(ダイヤモンド社)を読み直した。そこで、その中から、特に印象的に感じたところを少し引用したい。

 

顧客は満足を買う

企業が売っていると考えているものを顧客が買っていることは稀である。もちろんその第一の原因は、顧客は製品を買っているのではないということにある。顧客は満足を買っている。しかし、誰も、顧客満足そのものを生産したり供給したりはできない。満足を得るための手段をつくって引き渡せるに過ぎない。

顧客が欲しいのは自分にとっての満足。モノやサービスはあくまでその手段。・・・手段は提供できても顧客満足自体は提供できない。つまり、「何が欲しいですか?・・・これによって満たされます」が最も効果的な広告。


質を決めるのは企業ではない

生産者が製品の最も重要な特色と考えるもの、すなわち製品の質が、時として顧客にとってまったく意味がないということである。メーカーの考える製品の質とは、単に生産が難しく、コストがかかっているだけという場合が少なくない。しかし、顧客はメーカーの苦労には動かされない。顧客の関心は「この製品は自分のために何をしてくれるか」だけである。

繰り返しだが、顧客が欲しいのは自分にとっての満足。モノやサービスはあくまでその手段。・・・つまり、メーカーの考える質と顧客の求める質はイコールにはならない。誰しも、頭では理解しているが、現実にはメーカーの論理(作る側の意図)が優先されてしまいがち。


顧客は合理的である

顧客は合理的である。不合理であると考えるのは危険である。それは、顧客の合理性がメーカーの合理性と同じであると考えたり、同じでなければならないと考えるのと同じように危険である。

メーカーや供給者は、なぜ顧客が不合理に見える行動をするのかを知らなければならない。顧客の合理性に適応すること、あるいは、顧客の合理性を変えようとすることが、メーカーや供給者の仕事である。しかし、そのためにはまず、顧客の合理性を理解しそれを尊重しなければならない。

同じ人が、スーパーの買い物で1円でも安い店を選ぶのと、ブランドものにお金を惜しまないのは、本人にとっては、(納得できる)合理的な考え方。・・・この合理性を理解し、それに適応することがメーカーの役割。


・・・で最後は、次の言葉に集約される。


 顧客と市場を知るのは、顧客のみ

顧客や市場について、企業が知っていると考えていることは、正しいことよりも間違っていることの方が多い。顧客と市場を知っているのはただ一人、顧客本人である。したがって顧客に聞き、顧客を見、顧客の行動を理解して初めて、顧客とは誰であり、彼らが何を行い、いかに買い、いかに使い、何を期待し、何に価値を見出しているかを知ることができる。


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