日々あらたに

3/11の大震災以降、数多くの変化が起きています。その変化をとらえ、新しい時代について観察を続けていきます。

巣ごもり消費?

2011年09月09日 | 日記

2012年3月期において、最高益を更新する見通しの上場企業に特徴的なキーワードは,“節電 “巣ごもり”“資源需要”“新興国需要”の4つ・・・という新聞記事を読んだ(日経8/31)

 

上場企業150社が今期最高益“節電  “巣ごもり”内需健闘

東日本大震災や世界景気の減速の影響を受けるなか、2012年3月期に経常最高益を更新する上場企業が150社を超す見通しだ。震災を機に広がる「節電」や「巣ごもり」といった国内消費者の志向に対応した企業が健闘。資源需要や新興国市場の拡大を追い風に収益を伸ばす企業も多い。

・・・根強い節約志向や企業のサマータイム導入などによるライフスタイルの変化を背景に「巣ごもり」消費も好調。ヤオコーは自宅で料理する「内食」志向の高まり を受け、生鮮食品や冷凍食品、総菜類の販売が増えている。11年4~7月の既存店売上高は前年同期比3%以上のプラスだった。

・・・通販市場の拡大でネット企業の最高益更新も目立つ。カカクコムは店舗ごとの価格情報などを掲載し、通販サイトに消費者を誘導する比較サイトが好調。販売実績などに応じた手数料収入が増え、最高益をけん引する。・・・(ここまで引用:8/31日経)

 

他のキーワードはともかく、リーマンショック以降よく聞くようになったのが、“巣ごもり消費”という言葉。一言で言えば、ネット通販などを利用し、外出せずに家の中での生活をたのしむ消費傾向を総称する・・・らしい。

 

ちなみに、この新聞記事では、ブックオフ、カカクコム、ヤオコーとかを巣ごもり消費の代表的事例としてあげている。

しかし、内需で儲かっている企業を、なんでもかんでも“巣ごもり”という言葉に集約しようとすることには、どうも違和感を感じてしまう。しかも、なんか暗い内向きな言葉である。・・・もちろん、節約志向という大きな流れがあるのは理解できるが、別の側面から見た言葉、できれば、もっと楽しくなるような言葉で表現できないものだろうか?

 

 そこで、“巣ごもり消費”ではなく、今の消費を表す別の言葉をいくつか考えて見た。

   “グリコのキャラメル型消費” (2度楽しむ消費行動)

たとえば、ブックオフ。 ここのメインビジネスは本や服のリユースあるいはリサイクルである。それを、無理やり“巣ごもり”に入れてしまうのは、なんか違和感を感じてしまう。

私の場合、本を新品で買うこともあれば、ブックオフで中古を買うこともある。また、ブックオフに本を売ることも多々ある。時と場合により、使い分けるし、また中古として売る場合は、2度楽しめる?

一度買って、2度楽しむ消費行動。

これぞ、まさしく、“グリコのキャラメル型消費”(一粒で2度おいしいがキャッチコピー・・・ちょっと古いかな?)

 

  “3人寄れば文殊の知恵型消費”(口コミ利用型消費行動)

カカクコムが運営する価格比較サイト(価格.com)、は、消費者の賢い選択を促すための購買支援であり、またグルメサイトの(食べログ)は、巣ごもりというより、美味しいモノを探すための情報共有支援サイトである。

ここでは、どの店が安くておいしいとか、また行ってみたいとか、実際に現場で調べた消費者の口コミ情報が満載。いわば“口コミによる賢い消費行動支援”とでもいうものであり、これを巣ごも りと言われてもピンとこない。

一人の知恵より、みんなの知恵を合わせた消費行動。

これぞ、まさしく“3人寄れば文殊の知恵型消費”

 

  “20面相型消費”(多面型消費行動)

何じゃそれ?・・・と思われるかもしれないが、これは、一人の消費者がその時の気分や懐具合により、リッチ志向になったり、堅実志向になったりと変化することを言う。

ヤオコー(スーパー)の戦略でおもしろい言葉を見つけた。それは、“価格コンシャス”と言う言葉。・・・簡単に言ってしまえば、“ごちそう商品から下限価格商品”の品ぞろえにおいて、ユーザーニーズに対応するため、広範囲に揃えるようにするという戦略。

これまでの消費者は、安いモノを買う人、高いモノを買う人と2分されることが多かったが、今は、同じ人が、その時の状況で、価格にこだわったり、あるいは、プチ贅沢をしたりと、多面的な顔を出すという傾向がある。・・・それに合わせどういうソリューション(価格、品ぞろえ)として提案していくかが重要。そこで中心になるのが、この価格コンシャスという戦略。(参照:ヤオコー23年3月決算説明資料

一人の中に存在する多面的な消費行動。

これぞ、まさしく、“20面相型消費”(・・・すみません。怪人20面相のパクリです)

 

コピーライターとしての才能がまるでないのが淋しいところだが、そろそろ、巣ごもり一辺倒からは巣立ちしたい。

 

その他参照記事

ブックオフ 決算説明資料 http://www.bookoff.co.jp/ir/pdf/repo_20110511_01.pdf

カカクコム個人投資家説明資料http://pdf.irpocket.com/C2371/kzOO/oXou/IhvK.pdf

定着するか巣ごもり消費 http://www.nissui.co.jp/academy/market/16/index.html

 



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