規則正しい木組みの「舞台」の奥に、檜皮(ひわだ)でふかれた本堂の大屋根がずしりと構える。西側には銀色に光る瓦屋根が連なり、朱塗りの三重塔がそびえる。
晩秋の世界遺産・清水寺(京都市東山区)。紅葉シーズンに上空から撮影すると、文化財建築群がずらりと立ち並ぶ絵巻物となった。
創建は778年。本堂は国宝で、斜面から張り出した舞台では、古くから歌舞伎や狂言、相撲などの芸能が奉納されてきた。三重塔や仁王門、鐘楼などは重要文化財の指定を受けている。
開門の午前6時すぎ、もやにかすむ市街地には、車のライトや街灯がぽつぽつと残る。日中は多くの観光客であふれる舞台に人影はまばらで、厳かな雰囲気が漂う。
眼下に広がる紅葉や眺望を楽しむ参拝者だけが、スローモーションのように絵巻物の中で小さく動いた。(京都新聞)
春の夜桜
今年の締繰りも直ぐそこに!