世の中の「あったらいいな」を形にすることで、新しい
価値観が生まれる。
そんな、街の「いいな」を具現化しているお店が、
神戸・元町にある手作りカフェ【Tendre cafe】。
随所に、店主の強いこだわりが詰まっているお店だ。
アロマの香りが漂う、ぬくもりを感じる明るい店内。
訪れた誰もに、森林の中でくつろいでいるような、安らぎ
の空間を過ごしてもらうことを心がけているという。
店を彩るインテリアは、素材、大きさ、カラーにいたるまで、
全て店主自らセレクト、コーディネートしたもの。
お店のイメージに合うものがどうしても無い時には、
店主さんが自ら作ってしまうこともあるという。
お話を聞いて、驚いた。
店内に置かれた可愛いテーブルも、窓にかかった
カーテンも、雑貨やニット生地の陳列棚も、全て
店主さんが作った物だという。
「テーブルは思ったよりも大変で、泣きながら作りました」
と笑う、チャーミングな店主さん。
この店で過ごすお客様の立場に立って、店内の
すみずみにまで行き届いたこだわりが、この癒しの
空間を作り上げているのだろう。
キラキラした目で、店主さんが語る。
「珈琲や紅茶を楽しんでもらうだけじゃなくて、この
お店を通じて、多くの人同士がゆったりと交流を
深められる、そんなコミュニティを作りたいんです。」
その言葉通り、定期的に洋裁教室やニットカフェを
開催するなど、お店はいつも楽しそうな笑い声で
満ちている。
店名の【tendre】とは、フランス語で「優しい」を意味する言葉。
いつまでも、優しさとあたたかい目を持っていきたいと、
店主さんは言う。
「こんなお店があったらいいな」を、形にするために。
ケルビーノ